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210 - インアウト型マグネットカップリングの脱調トルク解析

2018-01

Module: DP

概要

概要

マグネットカップリングは駆動側と受動側の2つのロータを有します。磁気ギアと異なり、駆動側と受動側の回転速度は等しく、許容トルクを超えて使用すると駆動側から受動側への接続がスリッピングする脱調が生じます。許容トルクは、駆動側と受動側の相対的な位置関係を保とうとするホールディングトルクの最大値で評価されます。
ここでは、ホールディングトルクを求める解析と脱調時の過渡的な応答を確認する解析を行います。

ホールディングトルク

図1 ホールディングトルク波形

一般にホールディングトルクは2極分毎の周期性があり、相対位置が1/4極分ずれた位置で最大トルクとなります。受動側を固定し駆動側の位置を回転させることで相対位置を変化させ、2極分のホールディングトルク波形を求めます。
駆動側のみを2極分90度回転させた際のホールディングトルクを図1に示します。22.5度でトルクがピークの約16.3Nmとなっています。

スタートの過渡応答と遅れ角

受動側に与えられる負荷トルクはポンプ等における流体からの負荷を想定します。負荷トルクは回転速度依存性を持つと考え、図2に示す式を用いて減衰係数として運動方程式へ与えます。
受動側に与える負荷トルクを10(Nm)、14(Nm)、16(Nm)、16.5(Nm)、17(Nm)、18(Nm)とした場合の受動側の回転速度を図3に示します。Referenceとして駆動側の回転速度も図内に示します。負荷トルクが16.5(Nm)までは、駆動側の回転速度に受動側が追従できていることがわかります。17(Nm)、18(Nm)では追従できず、脱調が生じています。
また、駆動側が1回転した時点での受動側の遅れ角度を図4に示します。負荷トルクが16.5(Nm)での遅れ角は約22(deg)です。負荷トルクが17(Nm)、18(Nm)では、約2極分90(deg)のスリッピングをしていることがわかります。

図2 負荷トルクの減衰係数への変換

図3 負荷を変えた際の受動側回転速度

図4 受動側の遅れ角