誘導加熱

誘導加熱は、焼入れ、焼嵌めなどの生産技術から電磁調理器の設計開発まで、様々な用途で利用されています。誘導加熱による発熱は渦電流を利用した技術であり、渦電流を精度よく制御することが設計上の鍵になります。
しかし渦電流は形状、材料特性、周波数、温度などに依存しているため、その振る舞いは複雑であり、発生する渦電流の量や場所を適切に制御することは容易ではありません。 JMAGは複雑に変化する誘導加熱現象を正確に再現し可視化することで、誘導加熱を利用した様々な用途に対する最適設計を可能にします。

誘導加熱

評価項目

温度分布、発熱密度分布、ワーク内の渦電流分布、コイル内の電流の偏り、磁束密度、磁束線、加熱効率、入力電力、発熱量、電磁力

事例/機能

クランクシャフトの高周波焼入れ

クランクシャフトを回転させながらその表面を4秒で1,000度まで加熱する工程を解析します。電源周波数が20kHzであるため渦電流はシャフトの表面に偏って流れます。この影響で、シャフト内部はそこまで温度が上がらずに最高温度で600度程度になっています。解析中は、温度上昇により電気伝導率、熱伝導率や比熱が変わります。これにより渦電流の流れ方が変わることも含めて検討を行います。
クランクシャフトの高周波焼入れ

JMAGの機能 : 回転運動

ピストンとの接触部におけるムラのない均一な焼き入れを解析で再現するには、回転による移動加熱を考慮した解析が必要です。

JMAGの機能 : 表皮メッシュ機能

最適な局所加熱を実現するには、被加熱体の表面近傍に集中する渦電流を正確に制御する必要があります。表皮メッシュ機能は、高周波焼き入れの過程を再現するのに必要な渦電流分布を表現できるメッシュを生成します。

エッジヒータの最適設計のための損失解析

エッジヒーターの設計では、最適なコイル形状や通電条件、送り速度が設計上の重要な指標になります。
エッジヒーティング解析では、順次流れていく十分に長い鋼板の加熱状態を再現します。
エッジヒータの最適設計のための損失解析

JMAG の機能 : 並進運動

圧延鋼板の熱処理では、鋼板の長手方向に沿った移動加熱が必要になります。

JMAG の機能 : 材料モデリング

焼き入れ処理に伴う、磁化特性、電気特性、比熱などの各種物性の温度変化を考慮した詳細な材料モデリングに対応しています。

歯車の高周波焼入れ

歯車は精密部品のため、焼き入れ時の熱変形に伴う寸法公差を正確に求めることが要求されます。
歯車の高周波焼入れ

JMAGの機能 : 複数周波数指定

電源周波数を制御することで、歯車の歯先と歯元の両者を加熱することができます。

JMAGの機能 : 熱-磁界連成解析機能

高周波焼き入れでは、ワークの温度が常温からキュリー点を超える高温までを扱います。解析では物性値の温度変化を含めた熱-磁界の双方向による連成解析が必須となります。

通電加熱による鋼板の損失解析

鋼板の電気抵抗を利用した通電加熱(抵抗加熱)解析を行い、ジュール損失分布、温度分布を求めます。

通電加熱による鋼板の損失解析

JMAG の機能 : ジュール損失分布解析

電磁現象と伝熱現象を同時に解くことでジュール損失分布を求めます。

IH 調理器の均一熱解析

鍋底に生じる渦電流損失分布から、均一加熱が実現できているかを検討しています。
漏れ磁束が周囲の電子部品に影響を及ぼさないかを3 次元的に磁束線から確認します。

IH 調理器の均一熱解析

JMAG の機能 : 電力素子

実際に流れる電流、電圧がわからない場合には、電力を直接指定できます。

JMAG の機能 : 漏れ磁束の計算

空気領域内の任意の座標点における漏れ磁束を積分法に基づいて高精度に求めることができます。

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