JMAGは電気機器の自動設計実現に向けて開発を進めています。
我々が考える自動設計は、広域設計探査から始まり、多面評価を含めた最適化で設計案を絞り込み、仮想試作を行います。
これまでの日本語、英語のインターフェースに加え、中国語（簡体字）に対応することで、自動設計のどのフェーズにおいてもJMAGをより多くのユーザにご利用いただけます。
ユーザー形状に対する自動拘束機能の強化、形状ライブラリと設計シナリオの充実により、煩雑な事前準備をスキップしてすぐに設計探査を行えます。
JMAG-Expressのユーザーインターフェースを改良し、多面評価がより簡便に行えるようになります。
形状破綻判定と離散最適化が可能な代理モデルの援用により、高速に最適化を行えます。
また、ヒステリシス損失計算のための対称ループ生成機能の拡充、異方性を持つ超電導材料特性のサポートなど、材料モデリング機能を強化します。

電気機器設計とは、性能要件に加えてコストや規格などの制限を満たしつつそれらをどこまで高められるか、抑えられるかを追求していくことです。
その際に、広範なデータに基づいて意思決定を行うデータ駆動型設計が提唱されており、ソフトウェア・ハードウェアの性能向上によって可能になってきました。
JMAGでデータ駆動型設計を行う場合、代理モデルを援用した超大域探査を行い、JMAG Design Explorerで全体を俯瞰しながら性能をどの程度高められるか、制限をどこまで抑えられるかなどの条件を決定します。
条件を満たした機種に対して寸法公差や部品温度が性能に与える影響をパラメトリック解析によって把握し、よりロバストとなるように設計方針を定めます。
これはモータのみならず、様々なアプリケーションにとって共通の設計プロセスであり、JMAGはデータ駆動設計の実現に向けて開発を進めています。
本ポスターでは、JMAGを使ったデータ駆動型設計の具体的な事例と、今後の開発計画についてご紹介します。

機器設計では、要件の高度化と設計期間の短縮が同時に求められる中、設計初期での設計案評価の重要性が高まっています。
従来の設計では、限られた候補機種を個別に最適化する手法が一般的でしたが、要件を確実に満たす設計案を見出すためには、設計空間を広く取り、その中から比較・評価して絞り込むことが求められます。
このような広い設計空間の探査・評価を支えるのが、JMAGのDesign Explorerです。
蓄積された異なる機種の設計データを一つのデータベースにまとめ、フィルタリングや比較・分析を行うことで、多面的な視点から設計案を評価できます。
本ポスターでは、シミュレーションデータベースを活用したDesign Explorerの使い方ついて、ご紹介します。

近年の高度化する性能・コスト要求に応えるには、より多くの設計要素を考慮した広い設計空間を探査することが必要です。
広い設計空間を効率的かつ自動的に探査する方法として最適化計算が利用されます。
一方で、最適化計算には多くのFEA計算が必要となるため、計算時間が課題になります。
この課題を解決するために、JMAGでは代理モデルを援用した最適化機能を搭載しています。
本機能を活用することで、FEAのみの最適化計算に比べて70%以下の時間で探査することが可能になりました。
本ポスターでは更なる速度向上に向けた取り組みや、材料を含む離散設計変数にした事例を紹介します。
また、IPMSMモデルや材料変数を含むリアクトルを例として、パフォーマンスや最適化計算実行時の適切な設定方法を紹介します。

電気機器開発初期の設計探査を高速化するため、JMAGは代理モデルを利用した設計探査機能の開発を進めています。
JMAGには代理モデルのみで最適化計算を行う「オフライン最適化」機能が搭載されています。
しかし、オフライン最適化の結果は、学習データ量に起因する代理モデルの予測精度に強く依存することが知られています。
加えて、設計変数の組み合わせによって形状が破綻するデータを扱う際、CADによる形状チェックと併用する必要がありました。
このCADによる形状チェックがボトルネックとなり、代理モデルの強みである「瞬時の応答」が得られないという課題がありました。
本ポスターではこの課題を解消する「形状成立性予測モデル」について紹介します。
あわせて、AFMやIH用コイルなどの具体的な事例を交えながら、代理モデルの精度と学習データ数の関係や利用範囲について解説します。

高効率モータの設計では、磁気性能だけでなく、温度、応力、絶縁、振動といった多面的な要件を同時に満たすことが求められます。
本ポスターでは、JMAGを活用した永久磁石モータの解析事例を通じて、熱・振動解析を含む同時多面評価による設計最適化手法をご紹介します。
従来の磁気設計中心のアプローチから一歩進み、手戻りのリスクを低減しながら、性能・信頼性・コストのバランスを取る設計ワークフローの実践的な考え方を解説します。

モータ設計ツールとしてJMAG-Expressの開発、改良を進めており、この１年でパフォーマンスや視認性などを大幅に強化しました。
具体的な改善項目として、ロータおよびステータ選択時の拡大表示、設計テーブルの項目の整理、電流トルク特性(I-T特性)や位相電圧特性(β-V特性)のグラフ追加、最適化設定時における寸法ハイライト、従属寸法変数の応答値利用などに対応しています。
これにより、使いやすさに加えて多面評価や最適化までスムーズに行えるツールとなっています。
本ポスターでは最新のJMAG-Expressについて改善ポイントを解説し、磁気と熱の多面評価最適化を行った事例について紹介します。

高出力密度化に伴い、特に駆動用モータでは厳しい温度制約のもとで熱設計を行う必要があります。
JMAGでは使いやすさを念頭において、モータの熱解析機能の開発を進めています。
例えば、接触する部品間やギャップにおける熱伝達現象、クーリングジャケットやシャフト冷却、スプレー冷却などの効果は、条件や熱回路素子の簡単な設定によって考慮することが可能になっています。
また、モータ設計者が熱解析を始めやすいように、JMAG-Expressではこれらの機能を利用した熱設計のシナリオを提供しています。
本ポスターでは、高出力モータの熱解析を行うにあたって有用な機能をご紹介します。

電磁界解析で扱う電気機器は年々複雑化しており、扱うべき設計変数や動作条件は増える傾向にあります。
そのため、膨大な計算量が必要となり、計算そのものを諦めてしまうことも少なくありません。
そこで、JMAGは現状よりさらに同時実行数を増やした超大規模な分散実行を提案します。それにより、今まで実用的な時間では不可能と考えていた最適化計算やJMAG-RTモデルの作成が可能となります。
本ポスターでは、その一例としてオフライン最適化のためのサロゲートモデルの作成や多相モータのJMAG-RTモデルの作成事例を紹介します。
これらの大規模分散実行には、それに対応する計算機だけでなくソフトウェアも必要不可欠であり、JMAGは新たにPower Simulation License(PSL)のラインナップとしてPSL1000の提供を開始します。
本ポスターを通じて、大規模分散実行のための大型計算機とPSL1000が、革新的な電気機器設計を可能とすることを示します。

近年、モータ設計において出力密度の向上が求められる中で、最高回転数の増加が進んでいます。これに伴い、回転体に作用する遠心力が大きくなり、コア材料にかかる応力も増大するため、構造的な破損リスクが高まっています。従来、磁気設計と強度設計は個別に評価されることが多く、設計の最適化や効率化に課題がありました。
磁気特性と構造強度を同時に多面的に評価することで、設計初期段階から両者のトレードオフを可視化でき、手戻りの抑制や開発期間の短縮、さらには設計信頼性の向上が期待されます。
本ポスターでは、モータ設計における応力の評価方法と、磁気と強度を同時に多面評価した事例、およびその有効性と導入によるメリットについて解説します。

ドローンやヒューマノイド、産業用ロボットアームなど近年のロボット内で使用される様々なモータの設計では、その磁気回路設計ツールとして電磁界解析が積極的に活用されています。
本ポスターでは、サーボモータやステッピングモータ、コアレスモータ、球面モータなど代表的なロボット用モータを例としてJMAGの活用事例を紹介します。
特にロボット用モータには高い制御性が求められますので、ステッピングモータとコアレスモータについて、その制御設計の基礎となるトルク特性や負荷変動に対する応答性の事例を示します。
また、ロボット用モータには常に小型高出力化が求められており、熱や振動なども新たな課題となっています。
JMAGはモータを取り巻くマルチフィジックスを多面的に評価するツールであり、ここではサーボモータと球面モータを例に、熱や振動を評価した一例も紹介します。

高効率な電気機器の設計のためには損失の解析精度が重要となります。通常の鉄損テーブルを使用した損失計算手法では機器の動作する周波数、磁束密度における鉄損の測定値が必要です。
しかし、電気機器の高周波化、高効率化に伴い、鉄損の値を測定するのが難しい領域で動作することが増えてきています。
周波数ごとに鉄損を測定せずともよい手法として、JMAGでは渦電流の考慮とプレイモデルを組み合わせた手法を提供しています。
一方でこの手法は異常渦電流損失が考慮されていないため損失が過小評価されてしまう場合があります。
損失の解析精度のさらなる向上を目指して、異常渦電流損失のモデリングを構築すべく検討を進めています。
現在検討している異常渦電流損失のモデリング手法について説明します。

近年、永久磁石同期モータ（PMSM）は、その高効率性から電気自動車（EV）などで広く利用されています。
それに伴い、快適性の観点から騒音・振動（NVH）特性の改善が重要課題となっています。
NVHの主な加振源はモータ内部の電磁力と知られています。
特に、製造公差などに起因するロータの微小な位置ずれ（径方向偏心・軸方向オフセット）は、予期せぬ電磁加振力を発生させ、騒音・振動を悪化させる要因となります。
モータのNVH性能を設計段階で正確に予測するためには、トルクのような主要な電磁力成分だけでなく、このような微小な電磁加振力を高精度に計算することが極めて重要です。
有限要素法（FEA）による解析では、電磁力の計算精度はメッシュ品質に大きく影響されます。
メッシュの全体的な詳細化は精度向上には有効である一方、計算コストを爆発的に増大させるリスクがあります。
ここでは、ロータ偏位（径方向偏心・軸方向オフセット）特有の物理現象を捉え、計算コストと精度のバランスを取るための具体的なメッシュモデリング指針を提案します。

従来の設計ノウハウに固執せずに斬新な電気機器の形状を探索する手段としてトポロジー最適化が近年注目されており、モーターや誘導加熱などで採用が進んでいます。一方、実際の機器設計では巻数や電流値、磁石の配向方向など
実数値で扱うべきパラメーターも存在します。トポロジーと同時にこれらのパラメーターを考慮した最適化(＝ハイブリッド最適化)を行うことで探索の範囲が広がり更なるパレートプロントの前進につながります。
本ポスターでは以下のハイブリッド最適化の解の探索結果と計算環境及び計算時間について示し有用性を議論します。
・SPMモーターの磁石形状をトポロジー、磁石配向をパラメーターとして扱った事例
・誘導加熱のコイル形状をトポロジー、電流値と周波数をパラメーターとして扱った事例
・電源リアクトルのコア形状をトポロジー、巻数やコイル領域の寸法をパラメーターとして扱った事例

電気機器のさらなる性能向上を実現するために、最適化計算によって設計空間を広く探索して最適デザインを見つけるアプローチが注目されています。
電気機器設計においては、機器寸法のように連続的に変化させることができる設計変数だけでなく、コイルの巻数のように離散的な値となる設計変数も含まれます。
モータにおいては極数・スロット数も離散変数です。そして、材料の種類も性能や製造コストを決める重要な設計変数となります。
JMAGの最適化計算では連続変数だけでなく離散変数も扱うことが可能です。JMAG-Designer Ver.24.2から材料のように数値で表せない離散変数にも対応しました。
さらにモータ設計の自動化を目指し、極数・スロット数を含めた最適化の機能改良にも取り組んでいます。
本ポスターでは、誘導加熱コイルの巻数を含めた形状最適化、リアクトルのコア材料最適化、IPMモータの極数・スロット数の最適化を事例として取り上げ、離散最適化の有用性ついて議論します。

回転機の効率マップを得るための専用スタディである、「効率マップスタディ」を使うことで、設計案同士の性能比較や、最適化による設計案の絞り込みが可能です。
さらに、計算する動作点の調整や、高調波損失・部品温度の考慮といった豊富な設定オプションを活用することで、お客様が求める精度に応じたマップを得ることができます。
本ポスターでは、様々なPMSM（永久磁石型）・EESM（巻線界磁型）モデルを用いて、効率マップの精度と速度を示します。
最後に、皆様からご要望の多い機能改善に対する取り組みについても、ご紹介します。

回転機の効率マップを得るための専用スタディである「効率マップスタディ」を使うことで、
異なるモータタイプ・設計案同士の性能比較や、最適化による設計案の絞り込みが可能です。
さらに、計算する動作点の調整や、交流損失・部品温度補正といった豊富な設定オプションを活用することで、
お客様が求める精度に応じたマップを得ることができます。
このポスターでは、様々な誘導機モデルを用いて、効率マップの精度と速度を示します。
最後に、皆様からご要望の多い機能改善に対する取り組みについても、ご紹介します。

JMAG-RT Viewerで提供されていた効率マップ描画機能は、2025年12月末でサポート終了となります。
これに伴い、JMAG-Designer 25.0においてJMAG-RTモデルを用いた効率マップ描画機能に関して機能拡充を行い、より広域なモータ機種や結線方式で、より多くの物理量を評価いただけるようになりました。
また、JMAG-RT Viewerと比較して、JMAG-Designerでは描画時間がより短いという利点もあります。
本ポスターでは、JMAG-DesignerによるJMAG-RTモデルを用いた効率マップ描画機能について、対応モデルの範囲、利用手順、機能詳細を紹介し、作成したモデルの特性確認に活用する方法についても説明します。

非接触給電装置は電気自動車などの電気機器への充電方法として検討が進んでいます。
主な部品として起磁力の発生および受電を行う巻線、漏れ磁束を抑制し送電効率を向上させるコアがあり、結合係数の最大化や損失の最小化などが求められます。
そのような設計を経験や勘、少ない数の試行で得るのは難しいですが、JMAGの最適化計算機能を使用することで自動的かつ効率的に設計案を探索することができます。
本ポスターでは巻線形状や配置およびコアの形状を最適化した事例について解説します。

近年、SiCやGaNなどのワイドバンドギャップ半導体の普及に伴い、チョッパ回路をはじめとする電力変換器は、一層の高周波駆動化が進んでいます。
高周波化はシステムの小型・高効率化に不可欠ですが、同時にインダクタの表皮効果や近接効果、巻線間の浮遊容量といった寄生成分の影響によりインピーダンス特性を複雑化させ、損失増加やEMIノイズ増大の要因となります。
機器の設計・最適化フェーズにおいて、これらの高周波現象を考慮したインピーダンス特性を正確に予測することは極めて重要です。
ここでは、変位電流を考慮した磁界解析による現象分析とチョッパインダクタの物理構造と高周波特有の現象を反映した高精度な等価回路モデルを用いることで、実用上十分な精度のインピーダンス特性を効率的に得られることを示します。

近年、電気自動車の普及や産業機器の省エネ要求に伴い、モータ駆動用インバータにはSiCなどのワイドバンドギャップ半導体が採用され、一層の高速スイッチング化が進んでいます。
スイッチングの高速化は高効率化に寄与する一方、コモンモード電圧を増大し、軸受の絶縁破壊による軸電流を発生させる可能性を高めます。
また軸電流は軸受の電食を引き起こし、モータの信頼性を著しく低下させる要因となります。
信頼性確保やEMI対策の観点から、設計段階でコモンモード電圧、軸電流などの高周波現象を正確に予測することは極めて重要です。
ここでは、各部の寄生成分を考慮した高周波経路を等価回路で表現し、FEAとの直接連成でモータの高周波現象を解析した事例を紹介します。

モータ近傍にレゾルバを配置することで、システム全体の省スペース化が可能となります。
しかしその一方で、モータから発生する漏洩磁束の影響を受けやすくなるという課題が生じます。
漏洩磁束がレゾルバに侵入すると、出力信号に歪みが生じ、角度検出の精度が低下する恐れがあります。
本ポスターでは、漏洩磁束による影響を低減するための磁束経路の分析手法と、対策事例についてご紹介します。

近年では、電気機器の小型化および高出力化が進展しており、より高度な性能や品質が求められるようになっています。
中でも薄型形状で高出力を実現できるアキシャルフラックスモータが注目を集めています。
設計案の取得方法としては最適化計算が広く用いられており、人手では到達できなかった設計案を得ることが可能になってきました。
一方で、入力データとなる形状、設計変数、メッシュ、評価項目の準備には手間がかかるという課題もあります。
しかし、JMAG-Expressは形状および評価内容をテンプレートとして備えており、これらの工数を大幅に削減することが可能です。
さらに、評価内容は磁気特性だけではなく、熱特性も含んでいるため多面的な評価が可能となり、後工程の手戻りも削減できます。
本ポスターでは、JMAG-Expressを活用したアキシャルフラックスモータの最適化計算についての事例をご紹介します。

ライセンスの集中管理や複数拠点での利用などにおいて、適切なライセンス数での運用のため利用状況を把握したいというご要望を頂いてきました。
JMAGではライセンスサーバーのログから利用状況を把握できる機能を提供しています。
JMAG-Designer Ver.25.0以降ではライセンスの不足状況も把握できるようになりますので、具体的な指標を元にライセンス追加の判断を行うことができます。
また、ライセンスの使用が集中すると、使用したいときにライセンスが足りずにすぐに利用できないということも生じます。
ライセンスサーバーの設定には、拠点やユーザー間でライセンスを公平に利用するため、利用者や利用上限をコントロールする機能があります。
自社での利用状況に合わせたライセンスサーバーの設定を行うことで保有ライセンスを複数ユーザー間で有効活用して頂くことができます。
本ポスターでは、ライセンスへの適切な投資に向けたライセンスの利用状況把握機能、および複数ユーザー間でライセンスを有効活用する方法をご紹介します。

モータ含め電気機器設計者の主な役割は、要件を満たすように各寸法を決定することです。
より良い寸法セットを決定するためには、形状を成立させつつ各寸法をできるだけ大きく変更できることが望まれます。
JMAGに搭載されている形状自動拘束を使用することで、容易にそのような拘束を設定できます。
極めて複雑な形状を扱う場合は自動拘束使用時に完全拘束にならない、寸法を大きく動かせなくなることがありますが、工夫によってパラメトリック解析に適した形状変更を行えるようになります。
本ポスターでは、形状自動拘束の使用方法とパラメトリック解析、最適化まで行うためのワークフローを示します。
また、複雑な形状を扱う場合の工夫、対処方法について解説します。

電磁界解析で扱う電気機器は年々複雑化しており、扱うべき設計変数や動作条件は増える傾向にあります。
そのため、膨大な計算量が必要となり、計算そのものを諦めてしまうことも少なくありません。
そこで、JMAGは現状よりさらに同時実行数を増やした超大規模な分散実行を提案します。それにより、今まで実用的な時間では不可能と考えていた最適化計算やJMAG-RTモデルの作成が可能となります。
本ポスターでは、その一例としてオフライン最適化のためのサロゲートモデルの作成や多相モータのJMAG-RTモデルの作成事例を紹介します。
これらの大規模分散実行には、それに対応する計算機だけでなくソフトウェアも必要不可欠であり、JMAGは新たにPower Simulation License(PSL)のラインナップとしてPSL1000の提供を開始します。
本ポスターを通じて、大規模分散実行のための大型計算機とPSL1000が、革新的な電気機器設計を可能とすることを示します。

最適化計算をはじめとする多ケース計算では、ジョブの同時実行数を増やすことが計算時間の短縮に有効です。
実現するハードウェア環境としては多ノードのクラスタ構成が一般的でしたが、近年のPCではコア数が増えて、1台でもジョブの同時実行による計算速度向上効果を享受できるようになってきました。
JMAGもWindowsマシンを複数接続し、多ケース計算を分散して同時実行する機能や16ジョブ同時実行、32ジョブ同時実行用の新ライセンスを提供しています。2D単体スタディの多ケース計算では、16または32ジョブ同時実行でそれぞれ6～14倍、10～25倍の速度向上が期待できます。
お手元のPCで小規模な分散計算環境の構築が、ハード、ソフト、および費用面で手軽にできるようになっていますので、ぜひお試しください。
本ポスターでは、Windowsマシンを複数接続して分散同時実行する機能に加えて、マシンのパフォーマンスを最大化するためのJMAG機能（ファイル出力制御、ライセンス管理など）について詳細に説明いたしますので、多ケース計算を実施される際にはぜひご活用ください。

電気機器設計は成熟しており、現行の設計を超えるためには固定観念にとらわれない発想や幅広い設計空間の探索が必要です。
人力でこれらを行うには、設計者の高い技量と膨大な時間がかかります。
時間短縮・コスト削減・属人化の排除には自動設計が有効であり、その中で最適化は非常に強力なツールです。
特にトポロジー最適化は形状自由度が高く、革新的な設計案を生み出す可能性を秘めています。
一方で、自由度が高すぎるがゆえに、良解に到達するまでに膨大な計算時間が必要という課題があります。
そこで初期個体にトポロジー最適化の既存結果などを任意に指定できる機能を追加しました。ランダム生成よりも制約条件を満たす個体の割合が増え、パレーフロントの進行が促進されます。
さらなる機能向上として、既存のCADデータから初期個体を設定できるように開発を進めています。
本ポスターでは、実際に既存形状を元に初期個体を生成することで、それを超える性能の形状が得られるかに挑戦します。
また、結果を感度解析し、得られた形状がなぜ良いのか分析にも取り組みます。

モータ設計において冷却性能の検討は今や不可欠であり、産業用誘導モータなどの冷却方式として空冷式がよく用いられます。
JMAGの熱解析では、部品間の接触やハウジング外側の自然対流・強制対流による冷却を簡単な設定で扱うことができます。
加えて、新たに流れ回路を導入することで、モータ内部のベンチレーションによる冷却を考慮した解析が可能になりました。
JMAG-Expressではこれらを使用した熱設計用のシナリオが予め登録されており、そのシナリオを利用することによって少ない手順で設定から結果評価まで行うことができます。
本ポスターでは、空冷モータの熱解析に便利な機能をご紹介します。

AC損失やコイルエンドによる磁束を正確に評価するためには、コイルエンド形状や巻線配置の高精度なモデリングが不可欠です。
しかし、CADでの設計では、高密度なコイル配置や部品間の干渉を手動で調整する必要があり、結果として設計工数が増加する傾向があります。
本ポスターでは、JMAGのコイルテンプレート機能と巻線エディタの連携により、パラメータ指定のみで複雑な巻線形状や条件設定を容易かつ短時間で行える手法を紹介します。
ラジアル・アキシャルギャップモータへの適用事例や、干渉回避・CAD連携のポイントも解説します。

アキシャルギャップモータや、誘導加熱で可動部が移動する計算ではギャップが単純な円筒面や平面ではないため、JMAGでは拡張スライドメッシュ機能を使用して計算する必要があります。JMAG-Designer Ver.24.2以降では、より短時間で高精度な計算が行えるよう拡張スライド機能の改善を行いました。
また、3Dのセミオートメッシュについて要素サイズの自動決定機能を改善しました。
アキシャルギャップモータ、および誘導加熱の計算例を示し、改善の効果について紹介いたします。

高効率電気機器の解析では、起磁力である磁石の正確なモデリングが求められます。
JMAGでは多くの着磁パターンを選択できますが、より複雑な着磁状態や不完全な着磁を模擬する場合、着磁解析が有効です。
機器の運転中に磁石が高温になる、あるいは強い反磁界を受ける場合には、不可逆減磁を扱える磁石モデリングを利用します。
また、この考え方は運転中の脱磁・着磁にも応用されます。
本ポスターでは、着磁工程との対比を行いながら着磁解析を理解します。
また、熱と反磁界による不可逆減磁のモデリングについてもご説明します。

電気機器の小型高出力化が進む昨今、高磁束密度域で有効なBHカーブの外挿、電磁鋼板の異方性、ならびに加工歪と応力の影響に気を配る必要があります。
高周波焼き入れにおける鋼材の磁気特性の温度依存性や、高周波アプリケーションにおけるコアの透磁率の周波数依存性といった、
動作環境に依存する特性の考慮も重要性を増しています。
本ポスターでは解析と実測の差異があるとき、材料起因の要因推定に役立つ、軟磁性材の磁気特性モデリングについて解説します。

電気機器の高周波化が進んでいます。
それにより、交流銅損や高調波鉄損の影響が無視できなくなっています。
特に後者に関して、今後利用が促進されるプレイモデル、1-D法、および異常渦電流損失のモデリングについてその特徴を理解しておく必要があります。
また、機器の小型化により、ビルディングファクターの影響も無視できなくなっています。
本ポスターでは、損失を高精度に評価するため、これらのモデリングが損失に与える影響を示します。

形状最適化にて設計探査を行う際には、形状破綻の可能性に留意して、対象の寸法変数の範囲を設定することが重要ですが、
より幅広い探査を求めれば多変数となり、変数が多くなれば形状成立に留意しながら範囲を検討するのは次第に困難さを増します。
JMAGのレンジファインダーは対象の寸法変数に対して形状成立範囲を探索し、十分な変数範囲を自動で決定できます。
一方で、形状が成立し得られた設計案の性能が良くても、部品同士が近すぎることなどで、製造上困難な形状になる場合がありました。
この課題の解決のため、レンジファインダーは最適化の設計パラメータと連動して変化する設計上の重要な寸法に対しての制約条件に対応しました。
本ポスターではモータや誘導加熱コイル、ソレノイドの事例で、設計要件と制約を担保し製造可能性を高めた設計案が得られることを示します。

効率マップは、駆動用モーターの動作範囲を特性化するために広く用いられており、通常は電流および電圧の制限によって定義されます。しかし、これらの制限で得られる電力は、バッテリーから供給可能な最大電力を超える場合があります。さらに、特定の用途では、異なる運転象限における最大供給電力を制限する規則が課されることがあります。これらの制限を無視すると、モーターの実際に利用可能な動作領域を過大評価することになります。本検討では、250kW駆動モーターを対象に、電力制限が実際の動作領域にどのように影響するかを示し、モーター設計においてこれらの制約を考慮する必要性を示します。

効率マップは、駆動用モーターの動作特性を評価するために広く利用されており、これに基づくドライブサイクル解析は、モーター性能を評価する標準的な手法となっています。しかし、このような解析は静的条件下で行われることが多く、重要なシステムレベルの影響を見落とす可能性があります。モータースポーツのようなハイパフォーマンス環境では、急速なバッテリーエネルギーの消費により電圧変動が発生し、モーターの効率や損失に影響を与えます。本検討では、ドライブサイクルシミュレーションにこれらの電圧変動を組み込み、250kW駆動モーターの真の性能を評価しました。結果は、高出力モーターの運転におけるシステムレベルの動的影響の重要性を示しています。

システム設計を高精度かつ効率的に進めるためには、モデルベース開発が不可欠です。
特に、プラント設計と並行して制御設計を行うMILの活用、実機ECUを使用したHILによる検証は有効な手法です。
しかし、MIL/HILを活用したMBDで手戻りを防ぐためには、実機挙動を忠実に再現できる高精度なプラントモデルが必要です。
MILでの制御設計やHILでの検証に対応した高精度なプラントモデルが、JMAG-RTモデルです。
JMAG-RTモデルは、磁気飽和や空間高調波の考慮だけでなく、断線などの異常系検証にも対応し、実機で起こる現象を高精度に再現します。
本ポスターでは、JMAG-RTモデルの特徴や対応するMIL/HIL環境を紹介します。
また、JMAG-RTモデルを使用した事例を通じて、高精度なプラントモデルの価値を説明します。

モータ設計では、電流の高調波成分が損失や加振力などに影響するため正確な評価が重要ですが、電磁気設計の初期段階では計算コストの懸念から高調波を含まない理想波形が用いられ、制御の影響が十分に反映されないことがあります。
JMAGでは、設計変数を入力するだけで制御回路を含めたモータ挙動の解析が可能であり、設計初期から制御の影響を考慮した検討が現実的になっています。
本ポスターでは、高調波成分を含む電流波形を初期設計から考慮した場合と、従来の理想波形を用いた場合を比較し、設計手法の有効性を評価します。実電流波形を前提とした設計により、低損失・低発熱が実現でき、材料選定や冷却系の簡素化によるコスト削減も期待されます。さらに、試作段階での損失超過や熱暴走、熱減磁といった設計の手戻りリスク低減の可能性についても検証します。これらの観点から、高調波成分を考慮することによる具体的なメリットを多角的に紹介します。

モデルベースでの電動化システムの設計を手戻りなく、かつ、設計品質を高めながら進めるためには、プラント設計と並行して行うシステムレベルの設計において、初期段階から磁気のみならず熱や騒音・振動も含めた検討を行うことが求められます。
JMAG-RTはこうしたモデルベース開発におけるシステムレベルの設計に適したプラントモデル（JMAG-RTモデル）を提供しており、熱マネジメントに活用できる熱等価回路モデルや回路自動生成にも対応しています。
本ポスターでは、システム設計者を対象として、システム設計に用いられるJMAG-RTモデルの特徴と制約、ワークフローなどを活用事例とともに紹介します。活用事例として、熱マネジメントについては冷却性能評価、NVH解析についてはティースに働くラジアル力評価を取り上げ、設計初期から熱や騒音・振動の考慮を行う必要性についてご説明します。

DC-DCコンバータに用いられるチョッパインダクタについて、損失増加の観点から、インダクタの小型化と高周波化は相反する要求となるため広帯域にわたるトレードオフ設計が必要となります。
JMAGでは、変位電流を考慮した電磁界解析を行うことで低周波から高周波までの広い周波数帯域における評価をシームレスに行うことが可能です。
本ポスターでは積層型および螺旋型のチョッパインダクタを例に、インピーダンスや損失の周波数特性を得るためのモデル化について示します。

フィルタインダクタは自己共振周波数（SRF）よりも低い周波数領域で利用されるため、設計段階でSRFを正確に把握することが不可欠です。
加えて、ローパスフィルタ（LPF）としての利用やノイズ対策用としての利用など、目的に応じて求められるQ値も異なります。
このような高周波特性を正確に評価する上で、JMAGは「変位電流」を考慮した電磁界解析を行えるという強みがあります。
これにより、インダクタの寄生容量の影響が顕著になる高周波領域まで、低周波からシームレスに特性を評価することが可能です。
本ポスターでは、このフィルタインダクタを具体的なモデル例として取り上げ、インピーダンスや損失といった周波数特性を得るためのモデル化を説明します。

コンバータ用トランスの設計においては、その小型化および高周波化が結合係数の低下や損失の増加を招く可能性があります。
そのため、変位電流を考慮した電磁界解析を行い、広い周波数帯域における評価を行う必要があります。
本ポスターでは、LLC共振型コンバータ用トランスを例に、そのインピーダンスや結合係数の周波数特性を得るためのモデル化について説明します。

超電導機器の設計において、クエンチや構造破壊といった重大なリスクを回避するためには、シミュレーションによる温度および応力の評価・検討が重要です。
しかしながら、超電導解析では、温度や磁場の異方性に依存する材料の非線形性、および複雑な形状モデリングに伴う計算負荷の増大が課題となります。
JMAGでは、磁界・熱・構造の連成解析に対応しており、これにより超電導機器における温度や応力の評価を実現します。
さらに、材料モデリングの強化、非線形計算の収束性改善、超電導コイル・ケーブルのモデリング機能の開発を進めており、実応用に即した解析ソリューションを提供しています。
本ポスターでは、回転機およびコイルやケーブルの解析事例を通じて、JMAGの超電導解析機能を紹介します。

超電導技術は、医療・輸送・エネルギーなど多様な分野において、装置の小型化、高磁場化、低損失化を可能にする技術として注目されています。
しかし、実用化に向けては、クエンチ（超電導状態の崩壊）や応力集中による構造破壊といった課題が存在するため、事前の解析によるリスク評価が不可欠です。
低温超電導材は温度マージンが小さく、わずかな温度上昇でもクエンチを引き起こす可能性があるため、熱的安定性の評価が重要です。
一方、高温超電導材は機械的応力に対する感度が高く、構造健全性の確保が設計上の重要な検討事項となります。
本ポスターでは、低温超電導材と高温超電導材それぞれについて、超電導コイルを対象としたマルチフィジックス解析事例を紹介します。

誘導加熱コイルの開発では加熱対象の部品に応じて適切なコイル設計が必要となります。
このような加熱コイルを短期間で開発するためにシミュレーションを活用した設計が行われております。
誘導加熱現象を模擬するためには、材料の温度依存性を考慮した上で渦電流分布を正確にとらえることができるメッシュ分割が必要になります。
また加熱対象の変形を抑制する加熱後の冷却工程も含めた検討も重要となります。
本ポスターでは、誘導加熱現象を正確にシミュレーションするための適切なメッシュ生成の考え方と、冷却工程まで考慮した誘導加熱計算事例と設定方法について解説致します。

JMAGは電気機器の自動設計実現に向けて開発を進めています。
我々が考える自動設計は、広域設計探査から始まり、多面評価を含めた最適化で設計案を絞り込み、仮想試作を行います。
この自動設計の各フェーズでの計算速度や使いやすさが、JMAG Ver.25.0の機能強化により向上します。
ユーザー形状に対する自動拘束機能の強化、形状ライブラリと設計シナリオの充実により、煩雑な事前準備をスキップしてすぐに設計探査を行えます。
JMAG-Expressのユーザーインターフェースを改良し、多面評価がより簡便に行えるようになります。
形状破綻判定と離散最適化が可能な代理モデルの援用により、高速に最適化を行えます。
また、ヒステリシス損失計算のための対称ループ生成機能の拡充、異方性を持つ超電導材料特性のサポートなど、材料モデリング機能を強化します。
本セミナーでは、JMAG Ver.25.0で開発した機能が自動設計の各フェーズにどのように貢献するかを紹介します。

モータ含め電気機器設計者の主な役割は、要件を満たすように各寸法を決定することです。
より良い寸法セットを決定するためには、形状を成立させつつ各寸法をできるだけ大きく変更できることが望まれます。
そのために必要な形状拘束の設定は普段図面を描く場合とは異なり、寸法変更のためのスキルが求められます。
JMAGに搭載されている形状自動拘束を使用することで、だれでも容易にそのような拘束を設定できます。
形状拘束後は、JMAG-Expressと組み合わせることでパラメトリック解析、最適化までシームレスにつながります。
本セミナーでは実例と通して、形状自動拘束の使用方法とパラメトリック解析、最適化まで行うためのワークフローを解説します。

高効率モータの設計では、磁気性能だけでなく、温度、応力、絶縁、振動といった多面的な要件を同時に満たすことが求められます。
本セミナーでは、JMAGを活用した永久磁石モータの解析事例を通じて、熱・振動解析を含む同時多面評価による設計最適化手法をご紹介します。
従来の磁気設計中心のアプローチから一歩進み、手戻りのリスクを低減しながら、性能・信頼性・コストのバランスを取る設計ワークフローの実践的な考え方を解説します。

モータ設計ツールとしてJMAG-Expressの開発、改良を進めており、この１年でパフォーマンスや視認性などを大幅に強化しました。
具体的な改善項目として、ロータおよびステータ選択時の拡大表示、設計テーブルの項目の整理、電流トルク特性(I-T特性)や位相電圧特性(β-V特性)のグラフ追加、最適化設定時における寸法ハイライト、従属寸法変数の応答値利用などに対応しています。
これにより、使いやすさに加えて多面評価や最適化までスムーズに行えるツールとなっています。
本セミナーでは最新のJMAG-Expressについて改善ポイントを解説し、磁気と熱の多面評価最適化を行った事例について紹介します。

自動車部品等の表面硬化に用いられる熱処理方法として誘導加熱による方法が知られています。
誘導加熱コイルの開発では加熱対象の部品に応じて適切なコイルを設計する必要があります。
このような加熱コイルを短期間で開発するためにシミュレーションを活用した設計が行われております。
本セミナーでは、誘導加熱現象を正確にシミュレーションするためのモデリングの方法と、要求を満足する誘導加熱コイルの仕様を得るために最適化計算を活用した設計探査事例をご紹介します。

高出力密度化に伴い、モータ設計における温度評価は不可欠なものとなっています。
熱解析では冷却や部品間の接触などのモデリングは重要ですが、そのモデリングの方法が分からないというモータ設計者も多いのではないでしょうか。
これらを表現するために、JMAGでは簡単な設定で利用可能な熱回路素子や接触熱抵抗条件を提供してきました。
今年は新たに、産業用モータ向けに流れ回路を利用したベンチレーションを扱えるようになりました。
また、駆動用モータのモード走行を通じた温度評価を行うための機能も追加しています。
本セミナーでは、モータ設計者が熱解析を行う際に活用できる簡単・便利な機能をご紹介します。

電磁界解析を扱う技術者にとって、解析結果を理解し、他者に根拠をもって説明する力は不可欠です。
磁界解析によって得られる電気機器の特性を読み解くには、電磁気学の理解が欠かせません。
しかし、知識をどこで身につければよいか分からない、あるいは一度習得した内容を再確認したいと考える方も多いのではないでしょうか。
本セミナーでは、電磁界解析の結果を評価・説明するために必要な電磁気学の基礎と、それが解析結果にどのように現れるかを解説します。

磁石や電磁鋼板を用いた電気機器の解析結果が、実測と合わないというご経験はありませんか？
磁界解析の精度を向上するためには、材料の物理現象を捉えるモデリングが不可欠です。
たとえば磁石の場合、熱や反磁界による不可逆減磁が発生することがあります。
着磁状態が特定の着磁パターンでは表現できない場合、着磁解析が必要です。
可変磁石を用いた電気機器では、運転中の脱磁・着磁を表現できるモデリングが必要です。
またPWMインバータ制御では、モータのコイル電流にキャリア成分が重畳します。
キャリア周波数は数kHz以上であり、多くの高調波成分が鉄損特性データの測定範囲外となります。
この場合、プレイモデルによる損失評価が有効です。
本セミナーでは、解析目的ごとに磁石および電磁鋼板をどのようにモデリングすればよいか、具体例を挙げて解説します。

機器設計では、要件の高度化と設計期間の短縮が同時に求められる中、設計初期での設計案評価の重要性が高まっています。
従来の設計では、限られた候補機種を個別に最適化する手法が一般的でしたが、要件を確実に満たす設計案を見出すためには、設計空間を広く取り、その中から比較・評価して絞り込むことが求められます。
このような広い設計空間の探査・評価を支えるのが、JMAGのDesign Explorerです。
蓄積された異なる機種の設計データを一つのデータベースにまとめ、フィルタリングや比較・分析を行うことで、多面的な視点から設計案を評価できます。
本セミナーでは、シミュレーションデータベースを活用したDesign Explorerの使い方ついて、デモを交えてご紹介します。

近年では、電気機器の小型化および高出力化が進展しており、より高度な性能や品質が求められるようになっています。
中でも薄型形状で高出力を実現できるアキシャルフラックスモータが注目を集めています。
設計案の取得方法としては最適化計算が広く用いられており、人手では到達できなかった設計案を得ることが可能になってきました。
一方で、入力データとなる形状、設計変数、メッシュ、評価項目の準備には手間がかかるという課題もあります。
しかし、JMAG-Expressは形状および評価内容をテンプレートとして備えており、これらの工数を大幅に削減することが可能です。
さらに、評価内容は磁気特性だけではなく、熱特性も含んでいるため多面的な評価が可能となり、後工程の手戻りも削減できます。
本セミナーでは、JMAG-Expressを活用したアキシャルフラックスモータの最適化計算についての事例をご紹介します。

従来の設計ノウハウに固執せずに斬新な電気機器の形状を探索する手段としてトポロジー最適化が近年注目されており、モーターや誘導加熱などで採用が進んでいます。一方、実際の機器設計では巻数や電流値、磁石の配向方向など実数値で扱うべきパラメーターも存在します。トポロジーと同時にこれらのパラメーターを考慮した最適化(＝ハイブリッド最適化)を行うことで探索の範囲が広がり更なるパレートプロントの前進につながります。
本セミナーでは以下のハイブリッド最適化の事例をご紹介します。
・SPMモーターの磁石形状をトポロジー、磁石配向をパラメーターとして扱った事例
・誘導加熱のコイル形状をトポロジー、電流値と周波数をパラメーターとして扱った事例
・電源リアクトルのコア形状をトポロジー、巻数やコイル領域の寸法をパラメーターとして扱った事例

大規模最適化によって電気機器設計を革新するために、JMAGは機能開発を進めています。
最適化の前処理として複雑形状モデルに対して完全拘束を行い多様な初期形状を自動生成することができる、自動拘束とレンジファインダーを搭載しています。
実設計においては磁気特性以外に熱、強度、絶縁も考慮した多面評価が必要ですが、複雑な設定なしに多面評価できるシナリオを備えており、ユーザーが自由にカスタムすることも可能です。
大規模最適化においては計算時間が大きな課題となりますが、高い効率の分散実行により高速化を実現しています。
最適化計算中のデータで学習した代理モデルを活用したオンライン最適化によりさらなる時間短縮が図れます。
ポスト処理においても、新しい結果分析フレームワークであるDesign Explorerを搭載しました。これにより100万ケース規模の分析をPCで行うことができます。
本セミナーでは、大規模最適化の課題を解決するこれらのJMAGソリューションについて解説いたします。

最適化計算をはじめとする多ケース計算では、ジョブの同時実行数を増やすことが計算時間の短縮に有効です。
実現するハードウェア環境としては多ノードのクラスタ構成が一般的でしたが、近年のPCではコア数が増えて、1台でもジョブの同時実行による計算速度向上効果を享受できるようになってきました。
JMAGもWindowsマシンを複数接続し、多ケース計算を分散して同時実行する機能や16ジョブ同時実行、32ジョブ同時実行用の新ライセンスを提供しています。2D単体スタディの多ケース計算では、16または32ジョブ同時実行でそれぞれ6～14倍、10～25倍の速度向上が期待できます。
お手元のPCで小規模な分散計算環境の構築が、ハード、ソフト、および費用面で手軽にできるようになっていますので、ぜひお試しください。
本セミナーでは、Windowsマシンを複数接続して分散同時実行する機能に加えて、マシンのパフォーマンスを最大化するためのJMAG機能（ファイル出力制御、ライセンス管理など）について詳細に説明いたしますので、多ケース計算を実施される際にはぜひご活用ください。

近年、電動化システムへの要求の高度化や開発スケジュールの短縮に伴って、実機開発と並行してシステム設計や検証を進めるモデルベース開発（MBD）の重要性が高まっています。
JMAG-RTは、JMAGの高精度なFEAで得られた機器特性からプラントモデル（JMAG-RTモデル）を作成し、MIL/HIL環境で実機挙動を忠実に再現した高速シミュレーションを実現します。
本セミナーでは、これからJMAG-RT をご利用いただく方を対象として、JMAG-RTモデルの特徴と制約、ワークフロー、モデル生成の計算環境、利用できるMIL/HIL環境など、導入に必要な知識を分かりやすくご紹介します。
また、オープン巻線におけるインバータ切替えの制御設計や、モータECUの故障検知など、モータシステム開発の各工程における活用事例を通じて、JMAG-RT の適用効果やご利用にかかるコストについてもご説明します。

EVパワートレインに代表されるモータ搭載機器の低騒音化・低振動化への要求はますます高まっています。
NVの評価・対策を磁気設計の初期から並行で実施することは、設計期間全体の短縮やコストの低減に非常に有効です。そのためには磁気設計のソフトウェアで素早くNVの評価・対策を検討できる環境が必要です。
JMAGではモータの磁界解析を行いながら、その電磁力を加振力とするシステムの振動を同時に評価することができます。
また、電磁力・磁束密度の時間高調波・空間高調波成分の評価や、機器の寸法や入力・駆動条件を設計変数として共振の回避などを目的とする最適化も行うことができます。
本セミナーでは磁気設計者を対象にこれらのNV設計向けソリューションをご紹介します。

各種回転機の効率マップを得るための専用スタディ、効率マップスタディを使うことで、モータタイプ間の性能比較や、最適化による設計案の絞り込みが可能です。
さらに、計算する動作点の調整や、高調波損失・部品温度の考慮といった豊富な設定オプションを活用することで、お客様が求める精度に応じたマップを得ることができます。
計算精度は計算速度とトレードオフの関係にありますが、計算速度を重視して得た効率マップの様々な回転機モデルでの精度確認結果を示します。
最後に、皆様からご要望の多い機能改善に対する取り組みについても、ご紹介します。

ドローンやヒューマノイド、産業用ロボットアームなど、近年のロボットには出力や制御性において高い磁気的性能が求められています。
その性能を事前に正確に把握することは、ロボット用モータの設計では極めて重要であり、その性能予測ツールとしてJMAGが活用されています。
本セミナーでは、ロボット用モータの代表と言えるサーボモータ、ステッピングモータ、コアレスモータおよび球面モータを例として、磁気回路設計でのJMAGの活用事例を紹介します。
一方で、ロボット用モータには常に小型高出力化が求められており、それに伴って熱や振動も新たな課題となっています。
磁気的性能を満たしつつ熱や振動の課題を同時に解決するためには、磁気回路設計と同時に熱や振動も評価しなければいけません。
ロボット用モータにおいて、JMAGを活用して磁気と熱、振動を多面的に評価した一例も紹介します。

概要：
モータ設計において熱解析は必須項目になっています。
モータシステム内の熱の現象は極めて複雑なため、効果的な解析のためには精度とコストのバランスがとれた適切なモデリングが求められます。
JMAGでは熱モデリング技術の開発を進めており、熱接触モデル、冷却モデルなどが増強されつつあります。
本ワークショップでは、熱コンポーネントモデルの解説と、それらを使ったモータシステムの解析事例を通してモデリングのポイントを示します。また、課題についても述べ、今後の開発の方向性を議論したいとおもいます。

内容：
・JMAGの熱モデリングの考え方
・熱コンポーネントモデル
・解析事例と分析
・今後の課題

概要：
鉄損解析に残された大きな課題、異常渦電流損失のモデリングについて議論します。
異常渦電流損失は周波数が上がるにつれて鉄損に占める割合が高くなり、今後の機器設計において高精度な予測が求められています。
JSOLでは精度はもとより、適用範囲のより広いモデリングの開発を進めています。検討しているモデリング手法について、考え方、実測との比較などを示し、これまでの成果と今後の課題について説明します。
鉄損解析、材料測定に取り組んでいる方々のご参加をお待ちしてしています。

内容：
・鉄損解析の課題
・異常渦電流損失
・モデリングの考え方
・実測との比較
・今後の課題

概要：
JMAGが30年振りに超電導解析機能の開発を再開しました。
超電導材料が持つ複雑かつ強い非線形性に対する収束性を大幅に強化しました。
また、今日の超電導解析では、その対象は超電導材料だけではなく、それを取り囲むシステム全体に広がっています。JMAGはこれまでに培った大規模解析とマルチフィジックス解析能力を超電導解析につぎ込み、これまでは難しかった複雑な超電導機器の解析を可能にしています。
JMAGの超電導解析機能の解説と解析事例を示し、これからの開発テーマについて議論をしたいと思います。

内容：
・JMAGの超電導解析機能概要
・超電導特性の扱いと収束特性
・計算パフォーマンス（大規模、並列）
・マルチフィジックス解析
・解析事例
・開発計画

概要：
日々、あらゆるものがAIによって進化しています。JMAGも例外ではありません。機械学習、LLMを積極的に取り入れ、解析性能と使いやすさの向上を図っています。
本ワークショップでは、JMAGがこれからどのようにAIを取り込んで行くべきか、または、取り込まれていくべきか、についてユーザの皆さんと議論したいと思います。
AIを使ったサポートシステム、スクリプト自動生成に向けたAPI整備など、JSOLが現在取り組んでいるプロジェクトの一端についても紹介します。

内容：
・JMAGにおけるAI
・サポートシステム
・スクリプト自動生成
・AI利用の可能性

概要：
SiC、GaNなどの出現によってシステムの駆動周波数が上昇し、インダクタ、トランスなどの磁気デバイスの設計にも浮遊容量など高周波現象を考慮する必要が出てきました。
JMAGも高周波解析のための機能を強化と解析ノウハウの蓄積を進めています。
本ワークショップでは、変位電流を考慮した高周波FEAの解説、事例の紹介、従来の等価回路手法との関係について説明します。

内容：
・高周波化に伴う課題（浮遊容量、EMI）
・高周波FEA
・インダクタ、トランスの解析
・等価回路解析との関係

概要：
日々、あらゆるものがAIによって進化しています。JMAGも例外ではありません。機械学習、LLMを積極的に取り入れ、解析性能と使いやすさの向上を図っています。
本ワークショップでは、JMAGがこれからどのようにAIを取り込んで行くべきか、または、取り込まれていくべきか、についてユーザの皆さんと議論したいと思います。
AIを使ったサポートシステム、スクリプト自動生成に向けたAPI整備など、JSOLが現在取り組んでいるプロジェクトの一端についても紹介します。

内容：
・JMAGにおけるAI
・サポートシステム
・スクリプト自動生成
・AI利用の可能性

概要：
SiC、GaNなどの出現によってシステムの駆動周波数が上昇し、インダクタ、トランスなどの磁気デバイスの設計にも浮遊容量など高周波現象を考慮する必要が出てきました。
JMAGも高周波解析のための機能を強化と解析ノウハウの蓄積を進めています。
本ワークショップでは、変位電流を考慮した高周波FEAの解説、事例の紹介、従来の等価回路手法との関係について説明します。

内容：
・高周波化に伴う課題（浮遊容量、EMI）
・高周波FEA
・インダクタ、トランスの解析
・等価回路解析との関係

概要：
多目的最適化は強力な設計ツールですが、その計算量が導入、展開の障壁になってきました。この状況が機械学習による代理モデルの利用によって大きく変わろうとしています。
代理モデルは魅力的な技術ですが、電気機器最適化分野での特性は十分に明らかになっていませんでした。
JSOLでは数年間にわたりHPCを駆使して特性を調べてきました。その結果について解説し、今後の課題について議論したいと思います。

内容：
・代理モデルを使った最適化
・オフライン法
・オンライン法