イベントのご紹介

出展社 特別セッション JMAG開発者によるポスター展示 学生向けJMAGオリエンテーション

出展社

信越化学工業株式会社
株式会社ダイドー電子
日立金属株式会社
Electric Motor Education & Research Foundation
新日本製鐵株式会社
住友金属工業株式会社
CHINA STEEL CORPORATION
TDK株式会社
株式会社ディー・エム・ティー
株式会社 東陽テクニカ
横河電機株式会社
ディエスピーテクノロジ株式会社
Mywayプラス株式会社
住商情報システム株式会社
横河レンタ・リース株式会社
有限会社モーションシステムテック

12月2日時点、申込み順

※記載されている製品およびサービスの名称は、それぞれの所有者の商標または登録商標です。

特別セッション

IPMモータの発見と発展~成熟機器におけるイノベーション~

今年のJMAGユーザー会は例年の基調講演を拡大し1日目に“IPMモータの発見と発展;(副題:成熟機器におけるイノベーション)”というテーマで特別セッションを企画いたしました。近年エアコンやハイブリッドカーなどの省エネ機器のキーコンポーネントとして急速な発展を遂げているIPMモータに焦点をあて、成熟機種であったPMモータをどのような視点で捉え、そして、考えることで世の中を変えるようなモータに進化して行ったかを、それぞれのフェーズにおいて重要な役割を果たした講演者の方々にお話をいただく予定です。

講演

Interior PM Synchronous Machines: Historical Perspectives, Current Status,
and Future Directions

ウィスコンシン大学 教授 Thomas M. Jahns氏

最初に基調講演としてお話いただくのはウィスコンシン大学のThomas Jahns教授です。Jahns教授が1986年に著した論文(注1)はリラクタンストルクを利用することで広い動作範囲を持つというIPMモータの本質を示したものとして、モータ分野に非常に大きなインパクトを与えました。その後の多くの研究がその論文を基点としていることは改めて述べるまでもありません。
Jahns教授はMITで学位を取得された後、GE社の研究所でモータの開発に従事されました。先の論文もこのメーカ勤務時代に書かれたものです。その後、現在のウィスコンシン大学に移られてからもモータドライブの研究で第一線を走り当該分野に非常に大きな寄与をされています。
その功績から2005年にはIEEEのニコラ・テスラ賞も受賞されています。

注1 Interior Permanent-Magnet Synchronous Motors for Adjustable-Speed Drives(IEEE TRANSACTIONS ON INDUSTRY APPLICATIONS, VOL. IA-22, NO. 4, JULY/AUGUST 1986)


IPMモータの製品開発と市場展開
安川モートル株式会社 技術部 部長 出光 利明氏

続いて安川モートルの出光氏から、日本でいち早くIPMモータの製品化に取り組んだご経験についてご講演いただきます。数ある回転機の中から当時まだ実用という意味ではアイディアレベルであったIPMに着目した背景や、上の論文に示された可能性をいかにして実用化に結び付けたのかなど、製品化におけるチャレンジについて興味深いお話が伺えると思います。


トヨタハイブリッド自動車用モータの開発経緯と課題
トヨタ自動車株式会社 HV先行開発部 グループマネージャー 竹原 明秀氏

IPMモータの有用性を国内外に印象付けたのはトヨタのハイブリッド自動車“プリウス”であることは多くの人が認めるところではないでしょうか。今回はトヨタ自動車の竹原氏にハイブリッド自動車用モータの開発の開発経緯と最近の開発における解析技術の利用状況についてご講演いただきます。それまでにない全く新しいアプリケーションシステムの開発の中でIPMモータが大きく進化していく過程が垣間見えるかもしれません。


IPMモータの損失解析と形状最適化
千葉工業大学 電気電子情報工学科 教授 山崎 克巳氏

最後に、千葉工業大学教授の山崎先生にシミュレーション技術のIPMモータ開発への寄与について実例を交えて解説いただきます。IPMモータはコアの磁気飽和を高度に利用しており、広い動作域で高い効率が求められるために、その設計開発には有限要素法解析が必須になっています。国内外のこの分野で大きな寄与されている山崎先生によるシミュレーション技術から見たIPMの解説はきっと多くの方の参考になるはずです。

成熟機器におけるイノベーション

副題の“成熟機器におけるイノベーション”は、一見確立したかに見える、例えば、モータやトランスなど成熟機器の開発アプローチにメスを入れ、さらなる進化を目指すもので、JMAGの最重要テーマとして取り組んでいるものです。実際、温暖化対策をはじめ現在の世の中のニーズに応える最も正直な方法は、それら成熟機器を“別の新しい何か“で置き換えることではなく、成熟機器を徹底的に、または、新しい視点から見直すことで、その性能や開発プロセスを少しでも改善することではないでしょうか。
このテーマに関しては2007年の基調講演で田淵電機の阪部氏よりトランス設計についてその複雑さと今後の課題についてお話をいただきました。また、昨年は日立製作所の井出様から長い歴史を持つ大型回転機の設計開発において今日も最先端のシミュレーション技術を駆使して性能向上に取り組まれている様子をお話いただきました。

今回の企画意図は必ずしもIPMモータに関する技術の解説ではありません。成熟機器であるモータの、多くの人の予想を超える進化、すなわちイノベーションの物語は、モータに限らず多くの成熟機器の設計開発にとって勇気を与えてくれるものだと思います。

当日のユーザー会は本特別セッションに続き、ユーザー事例、新しい製品や技術の紹介が満載です。
皆様のご参加を心からお待ち申し上げます。

株式会社 JSOL エンジニアリング本部 山田 隆

JMAG開発者によるポスター展示

毎年、好評をいただいております、ポスター展を今年も開催いたします。
今年はJMAGが掲げる開発コンセプトに関して意見交換をさせてください。

JMAGの次期バージョンであるVersion11(V11)は、バーチャルテストベンチ(VTB)という開発コンセプトを加え企画しております。
ユーザー会にご来場いただいた皆さまには、このV11の設計案をいち早くご覧いただくとともに、JMAGがより良いソフトウェアとなるよう、皆さまにレビューいただきたいと存じます。

本題に入る前に、これまでのJMAGの開発コンセプトについて振り返ります。

従来のJMAGは汎用電磁界解析ソフトウェアというコンセプトのもとで、電磁界解析を中心に熱、構造、電界やそれらを組み合わせた連成解析機能の追加、改良を進めてきました。JMAGを適用いただく領域が広がると共に、詳細度を増すと共にそれを実現する手段を提供してまいりました。
ただ一方で、具体的な評価対象や課題を前に、非常に多くの機能、解析領域をどう組み合わせれば目的に足る評価、検証が行えるのかは、ときとして使い手のノウハウによるところもありました。

V11では、電気機器に代表される評価対象と評価項目の視点に立ち、上記のノウハウに当たる、徹底的に評価、分析するための手順と手段を提供することを考えています。

例えば、IPMモータの巻線温度が評価項目として指定されると、その評価に必要な、駆動条件などの条件セットに始まり、発熱の要因となる損失計算といった手段、またその損失に影響を及ぼすような応力などのサブ手段など一連の手順が与えられ、それらを求めたい精度に応じて取捨選択しながら検討を進めることが可能になります。

モータ、トランス、誘導加熱機器といった具体的なアプリケーション、評価項目をもとにVTBの設計案をポスターとして提示いたします。
当日はそれを元にレビューおよび技術的なディスカッションを行わせていただければ幸いです。

JMAGユーザー会開催までの間、随時、詳細な情報を公開してまいりたいと思います。

Q&A

Q1. V11からはアプリケーション視点での使い方になるとのことですが、V10までの機能視点での使い方は出来ないのですか?
A1. いいえ、ご安心下さい。V11でもV10までのような使い方も出来ます。


Q2. V11ではソルバーやメッシュに関する機能追加は行われないのでしょうか?
A2. もちろん行います。アプリケーションに特化した機能追加、改良とともに、全解析に関連するソルバーの高速化やメッシュの精度、速度向上に関しましても引き続き進めております。

ポスタータイトル

ソルバー | メッシュ | モータ | トランス | 誘導加熱 | 共通

ソルバー
17 渦電流と非線形材料を含む解析の時間短縮に有効なJMAGソルバーの設定
18 JMAG並列ソルバーの性能が発揮される環境とは
19 磁石表面の磁束密度実測値を併用した解析を行う
メッシュ
7 メッシュ生成手法の使い分け
8 高精度コギングトルク計算のためのメッシュ生成
9 微小形状変更に効果的な簡易メッシュ修正
10 計算時間の削減に効果的なデフィーチャー機能のご紹介
11 回転機解析の実用化に向けて~アダプティブ機能の高速化~
モータ
12 磁石型モータにおける磁石やコイルの寄与度評価
13 モータの発熱の評価
16 リニアモータの応答性
20 永久磁石電動機振動の実測と解析の比較
21 永久磁石電動機損失の実測と解析の比較
22 誘導モータの磁界解析方法
23 PMモータの磁界解析方法
トランス
1 トランスの巻線冷却評価用モデリング
2 トランス騒音に対する磁歪の影響を検討する
3 トランスの突入電流現象モデリング方法
4 巻線の絶縁破壊評価方法
5 トランス特性解析のためのモデリング方法
誘導加熱
14 誘導加熱時の漏洩磁界の評価
15 誘導加熱解析のモデル化と精度のトレードオフ
25 比較的簡便な誘導加熱解析
共通
24 JMAGのパラメトリック機能を用いた設計検討

学生向けJMAGオリエンテーション

JMAGユーザー会中、学生の皆様向けにオリエンテーションを開催いたします。
電磁界解析技術が実際の商品に応用されている様子や、企業の技術者の方々と直に接する機会をご提供いたします。奮ってご参加ください。

学生向け特別セミナー

セミナーは両日とも午後に開催を予定しております。
下記セミナーを受講いただけます。(どちらのセミナーも受講可能です。)

・電磁界解析入門セミナー
弊社技術者が、電磁気学、磁性材料、磁気回路法、有限要素法の基礎知識をご紹介します。

・電気自動車用PMモータ開発への電磁界解析利用技術紹介セミナー
弊社技術者が、電磁界解析を実際の製品に、具体的には電気自動車用PMモータを例に、どう適用するのか等の利用技術をご紹介します。

講演

JMAGユーザー会期間中の講演をご聴講いただけます。
各界の第一線でご活躍中の学識者、技術者の皆様をお招きし、最新のトピックスやCAE活用などに関するご講演ならびに、JMAGを使用した事例発表を多数予定しております。

ポスターセッション

弊社技術者がポスター内容の説明を含めご案内いたします。
電磁界解析関連の技術的なポスター、解析初心者の方向けポスターなど数十枚ご用意しております。

プログラム

12月10日(木):ユーザー会(1日目)

9:15 受付
企画趣旨の説明、参加者自己紹介
10:00 講演聴講
11:35 昼食 / ポスターセッション
13:15 講演聴講
15:00 電磁界解析入門セミナー / ポスターセッション
16:20 講演聴講

12月11日(金):ユーザー会(2日目)

9:15 待ち合わせ / 質問受付時間
10:00 講演聴講
11:30 昼食 / ポスターセッション
13:10 講演聴講
16:45 電気自動車用PMモータ開発への電磁界解析利用技術紹介セミナー
ポスターセッション

※交通費、宿泊費の支給はございません。予めご了承ください。
※プログラムは変更になる場合がございます。予めご了承ください。
※記載されている製品およびサービスの名称は、それぞれの所有者の商標または登録商標です。