試行錯誤という言葉があります。失敗を重ねながら目的へ迫っていくプロセスです。
試行錯誤というのは面倒ですし、大変ですし、少々勇気がいるので遠ざけてしまいがちです。実際、多くのものはこれまでのやり方でそこそこの改善はできてしまうので、大きな苦労を背負い込むことはないのかもしれません。ただ、ブレークスルーとは距離を置いてしまうことになります。大きな飛躍は期待できません。
私たちはJMAGによって試行錯誤を身近なものにしたいと考えています。今までのやり方から少し距離を置き、シミュレーションの力を使って徹底的に可能性を調べ上げ性能を追求する、それを日常のものにし、成熟機器の設計にイノベーションを起こしたいと考えています。
そのために、JMAGの精度も速度をさらに向上させます。
シミュレーション精度を次のレベルに引き上げるために、新しい材料モデリングと柔軟なマルチフィジックス機能の開発に取り組んでいます。速度向上は、並列ソルバだけでなく、コンピュータ上での処理手続きの最適化、アルゴリズムの見直しなど基本に立ち戻り、幅広い解析対象、モデル規模に有効な改良を進めています。その精度と速度の上に機械学習など新しい技術を加えて最適化、すなわちコンピュータによる試行錯誤、の守備範囲を拡げていきます。
当日はJMAGの将来の姿を示すとともに、現在の開発状況についてデモを交えながら示し、参加者の皆さんと議論をしたいと思います。

SiCデバイスを用いた高効率なモータ駆動用回路として、デュアルインバータに着目している。デュアルインバータをモータ含め高効率に駆動するためには、２つのインバータを同期させて制御することが必要であり、その制御はシングルインバータと比べて複雑化する。そこで今回、デュアルインバータの制御開発工数低減のために立ち上げた、JMAG-RTモデルを搭載したデュアルインバータHILSを紹介する。

昨今三菱電機では、駆動制御機器の開発プロセスにおいて、HILS(Hardware In the Loop Simulation)が必要不可欠なものとなってきている。駆動制御機器の評価工程は年々複雑化してきており、さらなる評価効率化が求められている。
本講演では、センサレスサーボの評価を例に、JMAG-RTを活用したHILSの有効性と活用事例について紹介させていただく。

機器の設計・解析において、磁性材料データベースの正確性は必須条件であり、特に1.5Tを超える高磁束密度領域までの正確な磁気特性は重要である。電磁鋼板の交流磁気特性測定は磁束密度波形を正弦波にフィードバック制御して測定するため、高磁束密度領域では、磁気特性の非線形性から測定時間が増大する。
弊社では波形フィードバック制御をソフトウェアからFPGAを使用したハードウェア制御とすることで、測定時間を約1/50に高速化した磁束密度波形制御装置を開発し、波形の歪み率、振幅率の低減化による正確な磁気特性測定を実現した。

高効率な電気機器設計を行うためには、鉄損を低減する仕様を求める必要がある。
PWM/FB制御する電気機器は高調波鉄損が発生する。一方従来の設計手法では、例えばモータの場合正弦波通電を仮定する。
そのため直接高調波鉄損が考慮できず、高調波鉄損を低減する設計ができない。
そこで設計段階で制御連携を行う。これにより高調波鉄損を考慮し、高調波磁束を低減するロータ構造や巻線仕様を検討することができる。
本セミナーでは、モータ設計を例にFEAと制御回路との連携解析を行い、制御連携有無による鉄損への影響を確認し制御連携解析の有効性を示す。

電気機器の高性能化の要求は高まっており、開発期間もタイトであり、開発工期の短縮も求められています。
ここではシミュレーションによる損失評価について考えます。
精度良く損失を予測するというのがわかりやすい価値ですが、シミュレーションによる損失評価の価値は分析評価と考えます。
一方、一般的にシミュレーションは理想的な状態で実施しており、その場合実測との差異は生じます。
それに対して実測相当の精度が得られるモデリング方法の確立は期待されてきており、詳細な損失モデリングも検討されてきました。具体的には、プレイモデルによるヒステリシス損失計算、コイル素線をモデル化しての交流銅損、加工歪等のビルディングファクタの考慮です。
本セミナーでは、分析という観点からシミュレーションによる損失評価、損失モデリングについて説明します。

電気機器の設計は機器単体の評価のみならず、他の機器との相互作用も含めたシステム全体の評価が必要となる。
考慮すべき物理現象も電気回路、磁気回路、制御回路にとどまらず、温度や機械的な特性（強度・振動）も含まれる。
JMAG-Designerではマルチドメインのシステムシミュレーションプラットフォームとして、統合スタディをリリースし、開発を続けている。
統合スタディではJMAG-RTモデル(1D)とFEAモデル(2Dや3D)のように、異なる次元のモデルを組み合わせたシミュレーションも可能となる。
　本セミナーではモータを例に統合スタディのコンセプト、現状可能なシミュレーションの事例及び今後の展望について解説する。

適用範囲の広い損失計算手法としてプレイモデルと1D法を組み合わせたP1D法が導入されている。
特に高調波が重畳したり、測定範囲外の高周波の鉄損を推定するのに有用な手法である。
その効果は知られてきているものの、一方で解析には対称ループが必要であるなど敷居が高いと感じられている。
本セミナーではP1D法によって鉄損を評価するために必要なワークフローおよび注意点を提示する。
本セミナーによりP１D法に取り組むきっかけとなると幸いである。

モータの設計開発におけるフロントローディングにより、基本設計段階でも高い性能予測が求められる。
モータの基本設計では概念設計とは異なり、N-T特性や効率マップだけでなくトルクリップルや減磁、コイルや磁石の温度などの事前評価も必要となる。
そこで、JMAG-Expressの使いやすさはそのままに、JMAG-Designerをバックボーンとする高い計算精度、分析機能を提供する新たなJMAG-Expressを開発した。
本セミナーでは、新しいJMAG-Expressで評価できるモータの基本特性を紹介すると共に、基本設計の結果をJMAG-Designerに送ることで冷却を加味したモータの温度解析や最適化といったモータのコンポーネント詳細設計まで可能となることを示す。

電気機器は多くの性能要求を満足する仕様を短時間で設計する必要がある。
この多数の性能要求を満足する設計案を求める手段として多目的最適化計算を挙げることができる。
本セミナーでは始めに多目的最適化適用例としてモータと誘導加熱コイルの計算事例を紹介する。
次にモータ設計に着目し、従来より課題となっている形状破綻問題を回避する試みや、構造解析との連携での接触のモデリングについても事例を踏まえて紹介する。
また、最適化計算におけるモデル精度と計算量の関係についても示す。

ポンプは、多種多様な機器に搭載されております。
近年、住居空間に近接される場面が増加しており、振動による騒音は課題のひとつとなっている。ステータコアで発生する電磁力と偏心させたロータの回転運動電磁力を磁場解析で導出。導出した電磁力を構造解析と連成し、ポンプ振動解析の手法確立を検討する。

トヨタではバスケットボールロボットを開発しており、2020年に北海道で開催されたBリーグオールスターゲームの３ポイントコンテストに出場した。
https://www.youtube.com/watch?v=dx61hv0i_Jc&t=33s
バスケットボールロボットでは投球する瞬間に非常に大きな出力が必要となるため、モータにも瞬間的な大出力が求められる。
今回、JMAG-Designer Ver.20.0を用いて最適設計を行ったので、ロボット用の瞬時大出力モータの概要とともに、得られた最適設計案について説明する。

農業機械/建設機械分野においても電動化が進められており、動力源であるモータからの振動騒音の顕著化が予見される中、モータの振動応答を設計段階で予測できるモデル構築は有益と考える。振動特性の予測には、電磁界解析を援用した起振力計算と、構造系の適切なモデル化による伝達系計算が必要になる。筆者らは、JMAGを用いて本モデル開発と妥当性評価に取り組んでおり、本講演ではその事例を紹介する。

近年、変圧器の低騒音化が求められている。騒音の主な要因として、鉄心の磁歪力と電磁力による振動が挙げられる。そこで、この電磁振動を予測するために、電磁界-構造連成解析を行う。
本発表では、積層鉄心を用いた原理検証機の解析事例について紹介する。まず、連成解析手法について説明する。次に、実測と解析について述べる。解析に関して、周波数応答解析と過渡応答解析の比較、磁気ヒステリシスの影響について説明する。

電磁アクチュエータの開発において複数の特性を最大化するため、従来よりmodeFRONTIER(JMAG+多目的最適化)を活用しているが、幾度も要求仕様(搭載スペース等)が変更となるような状況下では多大な計算コストがかかるという課題があった。
本講演では、先ずmodeFRONTIERおよびJMAGで計算した結果を機械学習に取り込むことで設計パラメータと特性の関係を予測モデルとして構築しておき、この予測モデルを用いて設計パラメータの多目的最適化(遺伝的アルゴリズム)を組み合わせ、大幅に計算コストを低減した事例について紹介する。

近年、自動車の二酸化炭素排出規制への対応のため、ハイブリッド車や電気自動車などの次世代クリーンカーの導入が加速している。その駆動源となるモータには高効率化・高出力化が求められ、永久磁石埋込型同期モータ方式(IPMSM)が広く採用されている筆者らは電動車駆動用モータの磁気回路のさらなる進化として、IPMSMの高性能化に関する研究開発を行っている。
本稿では、IPMSMの設計に必要となるモータ特性の算出や分析方法について述べるとともに、実機の出力特性を高精度に予測するための、鉄損計算の方法について検討したので報告する。

The multi-objective optimization of electrical machines is an increasingly important topic within the design process due to the typically large number of objectives and constraints given by requirements. The design process developed by IAV deals with the efficient solution of these large-scale optimization problems based on a specific DOE approach coupled with Kriging surrogate models using JMAG and MATLAB.
The presentation aims at providing an overview on typical optimization topics in the E-machine design process and introduces the methods currently in use. In addition, some JMAG-specific features that are used within the workflow are highlighted and discussed.

High performance motors are designed with both peak and continuous performance as the highest priority. To achieve this, accurate loss calculation is required especially for continuous performance. The presentation describes loss calculation of main motor components using JMAG Designer with high emphasis on the hysteresis play model used for iron loss calculations. Measured material properties coupled with recorded PWM current signals, provide a high accuracy level in loss calculations.

Modern electric motors for automotive EV applications have to match a number of requirements with high efficiency and low cost still being the most important. Apart from the general design task, the engineer has to handle many additional challenges for specific problems and issues. When it comes to accuracy comparison against test bench validations every detail can make a difference. The limiting accuracies of state-of-the-art 2D simulations do not always meet the expected precision for performance predictions and auxiliary effects.
In this contribution we will present modern approaches and design flows to face the most demanding FEA simulation tasks. The efficient deployment of JMAG Designer will be demonstrated in typical phases of modern electric motor design.
The additional use of 3D design tasks will show a significant improvement compared to conventional 2D approaches and increase accuracy of the performance prediction as well as approve analytical equations and rule-of-thumb models in some exercises that cannot be fully achieved with FEA alone.

近年、様々な分野で機械学習の利用が進んでおり、CAEにおいても膨大な計算時間の短縮手段の一つとして機械学習から得られる数理モデル（代理モデル）が利用され始めている。
JMAG-Designer Ver.20.2より多数のFEAの結果から代理モデルを生成することが可能となっており、代理モデルにより形状や電流といった入力に対するトルクや損失といった応答値を瞬時に得ることができる。
その特性を活かし、JMAGでは最適化計算における膨大な多ケース解析で代理モデルを援用することにより総計算時間を短縮する取り組みを行っている。
本セミナーでは、取り組みの一例として、代理モデルとFEAの両方を利用するハイブリット型の最適化計算において、得られる最適化結果の精度を保ちつつ計算時間を短縮した事例を紹介する。

ソレノイド（電磁弁、インジェクタ）は一見構造は単純だが、非線形性が強く、渦電流、残留磁化などが複雑に影響するためFEAによる設計が効果的である。また応答性を評価するにはソレノイド単体ではなく、御/回路/流体負荷/機構等システム全体を考慮する必要がある。ここでは、渦電流、残留磁化など応答性に及ぼす影響を考慮したシステムレベルシミュレーションの事例を紹介する。
また、デザイン変更による応答性向上を目指し、最適化を活用した設計案導出の事例を紹介する。

電気機器の初期設計時は繰り返しの計算となるため、JMAG Ver.21.0では小規模多ケース計算のパフォーマンスについても高速化を図っている。
コンポーネントレベルのシミュレーションは信頼性を高めるためにより実駆動時に近い状態での評価が求められており、
マルチフィジックスや制御を考慮しつつ磁気回路設計を行えるように機能を強化している。
汎用機能として接触や非線形材料を考慮した構造解析で反復計算の収束性を改善し、モータに関しては熱回路構築、制御モデル構築機能でモデリングを支援する。
モデルベースの試作・性能評価時の精度を向上させるためには詳細なモデルを扱う必要があり、大規模モデルに対するソルバーおよびGUIのパフォーマンスを向上した。
本セミナーでは、JMAG Ver.21.0の新機能について実例を用いて解説する。

JMAGは毎バージョン多くの新機能が実装しておりますが、汎用ソフトウェアであることもあり、伝えたいユーザに新機能が伝えられていないこともございます。
本セミナーでは誘導加熱解析から見た高精度化、高速化する新機能をご紹介します。
具体的には、熱膨張等による変形や接触を考慮する機能、分散や並列化による高速化機能、最適化計算の改良等をご紹介いたします。

The worldwide vehicle fleet is undergoing a shift in technology, motivated by a recognition of the importance of reducing greenhouse gas (GHG) emissions from the global vehicle fleet. As part of this transition, battery electric vehicles (BEVs) and hybrid electric vehicles (FHEVs and PHEVs), which combine battery and high-efficiency internal combustion powertrain technology, are being advanced. Much of the current focus in BEV development centers on improving battery capacity to increase vehicle range, but the performance of the traction motors is also crucial. Many automakers employ permanent magnet motors in their vehicle designs, and this requires detailed investigation of cooling strategies to guarantee both the magnets and the windings remain in a safe operating range. To accurately assess performance, motor designers require heat transfer data as the electrical and magnetic material properties are dependent on temperature. In many situations, assumed heat transfer coefficients are applied based on analytical theory, but these values may be strongly dependent on coolant flow conditions. In this work we use JMAG to provide electromagnetic loss data and CONVERGE to perform conjugate heat transfer simulations of motors utilizing an array of cooling methodologies and compare solid temperatures to experimental data under steady state and transient conditions. Agreement is within 5-10 K for all cases.

高周波熱処理には、火災リスクが低い・作業環境が暑くならない・CO2排出量を削減できる等の利点がある。そのため、高周波熱処理技術開発に取り組み、適用拡大を進めている。効率良く技術開発を進めるためにJMAGの誘導加熱解析を利用しているが、さらに開発を加速させるためには解析時間短縮が重要となってくる。
今回、AMD製CPUを採用することにより解析時間短縮を実現できたため、そのハードウェア選定について紹介する。また、100万要素未満の中規模モデルにおける要素数と並列計算速度の関係を調査し、解析業務効率を改善した事例について紹介する。

大きなD/L比と高い極対数を持つアキシャルギャップ型永久磁石同期モータは、その高いトルク密度から、インホイール・トラクション・モータ駆動への適用が期待されている。
本講演では、自動搬送車両向け18スロット/20極構成の三相分数スロット巻線方式両面固定子型アキシャルギャップ型永久磁石同期モータのJMAGを活用した設計と実機での効率マップ比較を紹介する。

本発表では、JMAGを用いたガス給湯器のガス量調整に用いられる比例電磁弁の解析について説明する。比例電磁弁に要求されるプランジャ(コア)位置に依らない安定した電磁力特性、低電流・小型化を、解析を用いて行った検討について述べる。また、性能の安定に大きく影響するヒステリシスを解析によってとらえ、電磁弁の開発にフィードバックする取り組みについて説明する。

パラメータを振った多ケース解析により、最適なモータ形状を探索することは一般的に行われている。
しかし、モータのパラメータが増加することにより計算時間が大幅に増加してしまう。
本講演では、ダイキン工業のODM(Outor rotor DC Motor)を検討対象として、PSLによる解析時間の短縮効果に関して事例を紹介させていただく。

誘導電動機の始動特性（始動電流、始動トルク）は規格JECに規定された対数比例法によって算定される。しかし、実測値とは乖離が見られる。設計現場では過去の実測データを元にした算定法を用いているが、さらなる精度の改善が必要である。都度実測をする方法もあるが、生産台数が多く現実的には困難である。そこで本稿ではJMAGを用いて誘導電動機の始動特性を解析し、改良評価法を検討した。

自動車やロボットに利用される鉄鋼部品は、必要な強度を得るために表面改質処理が施され、中でもガス浸炭は最も一般的な熱処理である。今後、カーボンニュートラル社会に適合するために、当社ではより環境にやさしい熱処理方法の提案として誘導加熱を用いた「超高速浸炭処理」を開発した。
これまで、JMAGを活用した誘導加熱コイルの設計や熱処理条件の検討について取組み、昨年のユーザー会では「誘導加熱における大規模計算の必要性」について紹介したが、課題として、更なる大型処理品への適用や、解析モデルを拡張した熱処理装置のより広範囲にわたる高精度なシミュレーションに対応する解析環境の構築が挙げられる。
そこで当社では、昨年度より本格的にJMAGにおけるクラウドの活用を進めてきた。本講演では、クラウド活用による高並列計算の実現とその効果について紹介する。

整流現象は直流電動機特有の現象であり、直流電動機の設計において性能限界を決める重要な項目の一つである。
しかし、整流現象をシミュレーションするには、ブラシと整流子の接触状態のモデル化や火花電圧の評価、ブラシ材質の影響評価など複雑である。
今回、整流現象のショミュレーションにJMAGを適用し、無火花整流帯の評価・直流電動機設計へのフィードバックの可能性について報告する。

自動車の駆動用モータのように幅広い動作域で利用されるモータの特性の評価には効率マップが有用である。
モータの高効率化検討および開発期間の短縮のためには、解析で駆動状態を正確にモデリングし、実機相当の効率マップが描ける必要がある。
高効率が求められるモータには制御方法として最大効率制御が適用されることが多い。各動作点での電流ベクトルを精度良く決定するためには3次元モデルで制御回路を連成しパラメトリックにFEAを実施することができればよいが計算時間の観点から容易ではない。
本セミナーでは、設計段階での効率マップ評価の高精度化の必要性と計算高速化について説明する。

JMAGの自動メッシュ生成機能には多くの機能が用意されています。解析対象のモデルに応じて最適なメッシュ生成手法、運動の考慮方法を選択することで、計算精度が高く、より短時間で計算できるメッシュを生成することができます。
本セミナーでは、メッシュ生成手法、および、運動の考慮方法を適切に選択できるように初心者向けにそれら機能の使い分けについて解説します。
またJMAG-Designer Ver.21.0では要素サイズの自動決定機能の改良を行います。その改良内容についても紹介します。

静止器の代表的な評価項目としてインダクタンスや損失があります。
それらを高精度に評価するためには、素線の配置、磁気特性のマイナーループ、熱膨張による応力の考慮が必要です。
コアやコイルの形状や配置により特性が変わるため、それらパラメータを変更することで設計案を探査する必要があります。
本セミナーでは高精度評価のためのモデリング方法についてトランスとリアクトルを使用して解説します。
大域的設計探査のためのモデリング方法についてワイヤレス給電装置を使用して示します。

モータが出せる性能は温度で制約されるため、温度条件や条件を達成するために必要な冷却方式を無視して設計することはできない。
設計の初期段階では広範囲に多数のデザインを探索するため、熱的な要件の検討も短時間で行われる必要がある。ここではモータの中の熱の流れを等価回路（熱回路）で表現することで短時間で温度を算出し、熱の流れを可視化できることを示す。次期バージョンで提供予定の熱回路機能および検証結果を紹介する。

電磁機器設計に求められる要件は日々高度化している。
厳しい設計要求を満たすには、FEAを使用した最適化が有効である。
パラメータ最適化では寸法パラメータを設計変数として事前に定義する必要があり、この時点で要件を満たせるかどうかが決まってしまう。
トポロジー最適化では寸法パラメータを設計変数として定義する必要がないことので、より大域的に設計空間を探索することが可能である。
しかしトポロジー最適化単体では磁石の着磁方向や電流ベクトルなどの実数パラメータが固定値として最適化されるため、最適解に対して別途パラメータを最適化する必要があり、これらを同時に最適化できることが求められている。
一方で、探索範囲の広いトポロジー最適化は計算規模が増加する傾向にあることが知られている。
本セミナーでは、トポロジー最適化およびトポロジー最適化とパラメータ最適化の同時実行の事例を示すとともに、HPCを活用することにより現実的な時間で最適解を得られることを示す。

これまでのモータの熱設計では、熱回路網に代表される古典的解析方法からGUIを備えたCAEソフトウェアの活用まで状況に応じて使い分けられてきました。
この状況による使い分けはだんだん高精度にはなるものの、多くの計算時間を必要とする傾向があります。しかし昨今、熱設計においてもROM化に代表されるような高精度かつ計算速度を上げるような要求が高まっています。本発表ではSimcenterのシミュレーション技術の中から、そのような要求に応えられるものを提案致します。

株式会社アスターでは独自製法による新コイル（アスターコイル）を開発した。このコイルは従来にない形状で高占積率を達成し、アスターコイルを使用したモータの市場要求が高まった。この要求に対応するため、株式会社アスターはモータの自社開発を2020年9月にスタートさせた。
ここでは短期間での開発要求にこたえるべくJMAGを有効活用し、製品化につなげた事例を紹介する。また、近年採用事例が多い角線で問題になっているコイル渦電流損による局部加熱に対しても独自のアプローチによって解決した事例を併せて紹介する。

高付加価値なモータシステムを実現するために、扁平な形状がモータに要求されることがある。そこで、扁平形状においても高いトルク密度を実現できるアキシャルギャップモータが注目を浴びている。一方で、近年はモータの出力密度に対する要求も高まっている。出力密度を向上するためにはモータ内の熱分布を把握することが重要となる。そこで本公演では、JMAGを活用した熱解析によってアキシャルギャップモータの温度特性を明らかにし、実験結果と比較することでその精度を検証した。また、一般的に使用されることが多いラジアルギャップモータと、アキシャルギャップモータの双方の縦横寸法比(アスペクト比)が熱特性に及ぼす影響について比較した事例も示す。

This presentation demonstrates the electrical machine design process using both the parametric and topology optimization methods for e-mobility application. The parametric optimization is used toward meeting performance requirements while keeping the product sustainability and efficiency targets, however, topology optimization is mainly employed to address NVH aspects of the designed electrical machine. The design process takes into account also control aspects required for more system optimization of the vehicle propulsion system. The considered case study for topology optimization is carried out on the rotor barrier design of the investigated traction motor with the aim of reducing the specific problematic tooth force orders, while keeping the other harmonic orders within the limit.
The design output of the topology optimization shows a significant reduction in the noise with minor impact on the traction motor performance, in the range of one percent.

近年、ワイドバンドギャップ半導体デバイスなどの新技術によりスイッチング回路の高速化に関する研究開発が進められている。高周波化はインダクタンスLやキャパシタンスCなどの受動素子の小型化につながるため、小規模サイズでの回路構成が可能となるメリットがある。一方で、半導体デバイスのスイッチング損失増大、磁性部品のヒステリシス損失増大などの問題がこれまで挙げられてきた。本発表ではこれらの他にも重要な検討事項となる配線の近接効果や表皮効果に着目しJMAGを中心とした検討を実施したので、MHzスイッチング回路実現へ向けた指針として示す。

PMモータの材料コストのうち磁石が占める割合は大きく、低コスト化には磁石量の削減が有効である。磁石近傍のコア形状を最適化し、耐減磁性能を向上させることで磁石を薄肉化できるが、そのような最適化は従来手法では比較的難しい。そこで、JMAGトポロジー最適化手法を用いて耐減磁性能の向上に有効なコア形状の導出を試みたので、その結果について報告する。

自動車業界のトレンドは省エネ、環境への負荷低減といった方向に向かっており、自動車の電動化が進んでいる。自動車は低速走行、高速走行、坂道走行、急加速など走行時の状況で必要な回転速度やトルクが変化するため、幅広い動作領域での特性の算出が必要になる。さらに、出力、効率、トルクリプルなど、各種特性が背反の関係にあるものが多く、手動で最適化をすることが困難である。
本講演では、レンジファインダーやPSLの活用によって、最適化計算をトラクションモータ設計に適用した事例を紹介する。

With rising speed demands in e-motor development, optimization is a fundamental part of the state-of-the-art development process. This trend leads to shorter design sample phases in which the first prototype must fit the customer requirements.
In this presentation a proven development approach based on multi objective, multi physical optimization is explained. Starting from a suitable motor concept the iterative engineering process displays the evolution to the final design. In addition to the simulation data, the results are verified by inhouse test bench data.
With the displayed verified approach, it is possible to meet future e-motor development demands today.

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JMAGは、解析技術者が成長するための企画や学習資料を提供しています。
JMAGの習熟度に応じたセミナーの開催はもちろん、操作方法や解析事例などの資料を公開することで、技術者が自発的にレベルアップするための支援を行っています。
本セミナーでは、より良い解析技術者になるための道筋を考え、そのためのセミナーや資料を紹介します。

設計業務においては、設計案を立案し、解析モデルの構築と解析パラメータの設定、結果評価のサイクルを早く回すことが求められます。
従来、解析モデルの構築では、項目ごとに設定箇所が異なるため、設定が煩雑になったり設定漏れが発生していました。
JMAG-Designerでは条件設定をテンプレートファイルとして保存、共有することが可能で、設定の手数やミスを減らすことができます。
解析パラメータ一覧機能では、解析パラメータの設定を1画面で行うことが可能で、設定の度にダイアログやパネルを開くことなく、最小限の手数で設定を行うことができます。
ダッシュボード機能では、ヒストリグラフやコンタープロット、複数モデルの結果を1画面で表示することができ、設計案の妥当性検証や複数設計案の比較といった結果評価を容易にします。
本セミナーでは、解析テンプレートと解析パラメータ一覧/ダッシュボード機能を用いて、設計サイクルを早く回すための機能をデモを交えてご紹介します。

モータをはじめとする電気機器の設計では、電磁振動の評価と対策が不可欠である。
電磁力計算において、理想的な正弦波のみではなく、PWM成分や偏心、振れまわりなどの影響を考慮する機能がサポートされ、それらを考慮した電磁振動評価の取り組みが広がり始めている。
本セミナーではモータはじめ電気機器を例にとり、PWM成分や振れまわりなどの影響を考慮した電磁振動の評価事例を紹介する。

JMAG-RTモデルとは、制御回路シミュレーションに利用できる高精度なプラントモデルです。
JMAG-RTモデルではPMモータ、誘導機、ソレノイドなどの多種多様なモデルがありますが、これらのモデルは回路トポロジや運動部位の数が固定である制約があります。
一方で、こういった制約に囚われないプラントモデルへのニーズも高まっています。
このニーズに応えるべく、任意の回路トポロジをカバーするJMAG-RT任意モデルを開発し、機能強化を続けています。
本セミナーでは、JMAG-RTモデルの復習からはじめ、JMAG-RT任意モデルのしくみ、作成方法をデモを交えて説明します。
また、適用事例としては3相変圧器、SRモータ、レゾルバの制御シミュレーションをご紹介をいたします。

JMAGを使うと、高精度なモータドライブシステムのバーチャル制御検証が実機実装以前の段階(V字サイクル左側)で行えます。
具体的には、JMAGでは空間高調波のみならずPWMキャリヤ周波数による高調波鉄損、AC損を反映したモータプラントモデルを作成できます。
つまり、電流制御系パラメータチューニングの事前検証を、広範な動作域に渡る複数の動作点において、電流の高調波成分や材料の磁気飽和特性、PWM信号に由来した損失を反映した状態で行うことが可能となります。
これにより、JMAGの提供するフレームワークを使用することで、実モータドライブシステムにおいて最大効率を実現する指示電流ベクトルをより正しく事前に同定でき、精度の良いバーチャル制御検証結果を得ることが可能となります。

計算アルゴリズムの進化や計算環境の発展により、シミュレーションの果たすべき役割が、設計援用のための利用から、設計の主体としての利用に変わってきています。
設計、検証プロセス一貫してモデルを使用することで、実測では把握できない、例えば損失の要因、箇所を明確にすることができ適切に対策できるようになります。
本セミナーでは、シミュレーションベース設計の利点について試作、実測ベースの方法と対比することで説明します。
設計、検証プロセスで使用するモデルが満たすべき要件についても整理し、解説します。
複数の性能要件を同時に満足するEV向け駆動用モータを設計、開発した事例について紹介します。