ポスターを観ながら、技術についてゆっくりと考える場をご提供します。
解析の考え方を理解したい方、JMAG-Designerの開発方針を知りたい方にお勧めです。
技術交流や情報交換の場として活用してください。
近年、機械学習に関する研究開発が進み、メニーコアの計算機環境も準備しやすくなったことから、CAEにおいても機械学習の利用が増えつつあります。
機械学習では、既存の結果を「学習データ」としてコンピュータが学習することで応答値を予測するモデルを作成します。この応答値の予測は有限要素解析(FEA)と比較して高速に行われるため、大量のFEAが行われる最適化計算に機械学習モデルを利用することで、FEAの計算コストを大幅に削減することができます。ここで、最適化計算において利用する機械学習モデルの予測精度は非常に重要になってきます。
そこで本ポスターでは、使用する学習データや機械学習アルゴリズムが予測精度に影響することを示し、機械学習を効果的に使うための設定およびその効果についてご紹介します。
大量の解析パラメータと条件の設定、解析実行、結果の確認に苦労されたことはありませんか。
特に、磁気特性だけでなく熱や強度なども含めた多面的な評価を行う場合には手順が煩雑になりがちです。
本ポスターではこれらの課題を解決する新しいExpressの機能と使い方を紹介します。
本機能を用いることで、例えば機器特性の確認に必要な解析モデルの自動構築、設計パラメータを変更した再解析、一画面での結果一覧などが簡単にできるようになります。
すでに本機能をお使いのお客様も、ぜひ、ご利用になった感想をお聞かせください。お待ちしております。
モータの要件が厳しくなってくると概念設計で経験式などを元にした机上検討のみでは精度のよい設計案探索をすることは困難です。
近年のシミュレーション技術の進歩により、概念設計段階からシミュレーションを積極的に活用することで、広い設計空間の中から候補となる設計案を網羅的に抽出することができるようになってきています。
本ポスターでは、シミュレーションを活用した磁気設計と熱設計を手軽に実施できるJMAG-Designer Ver.22.0の新しいモードについてご紹介します。
さらに熱設計と磁気設計を同時に評価できる拡張性、構造強度や絶縁破壊をも視野に入れた今後の将来性を示します。
JSOLは、JMAG使用時に困りごとが起きたときには迅速に適切な解決方法を提供します。そのために、さまざまなサポートコンテンツを用意しています。
JMAGのWEBサイトで公開しているFAQやドキュメントは、営業時間外であっても検索するだけですぐに疑問に対する回答や操作方法、解析事例などを確認できます。ユーザーサポート窓口は、JSOLのエンジニアとやり取りしながら結果の解釈なども含めた困りごとをどう解決するかご相談いただけます。これらを上手く利用することで、より早く問題を解決することができます。
ここでは、どのようなときにどの手段を利用して困りごとの解決を目指すのかを案内します。
JSOLは、設計者がレベルアップするための企画や学習資料を提供しています。
JMAGの習熟度に応じたセミナーの開催はもちろん、操作方法や解析事例などの資料を公開することで、設計者が自発的にレベルアップするための支援を行っています。さらに、自身のアプリケーションが計算できるようになり、解析精度向上や作業時間の短縮も行うことができるようになります。
本ポスターでは、設計者のJMAG活用レベルが上がる過程を示し、レベルを上げるためにおすすめのセミナーや資料とその活用方法を紹介します。また実製品の解析に応用しやすくするため、Ver.22.0でセルフラーニングシステムの改善を始めており、その具体的な改善内容についてもご紹介します。
近年のCAEでは、最適化やAIの活用による多ケース同時実行や、大規模モデルの高並列分散メモリ型並列計算(MPP)により、 大規模な計算リソースであるHPC環境(クラウドを含む)が必要となる機会が増えています。
一方で、最適化や大規模モデルの計算に興味を持ちながらも、HPC環境に関する知識やノウハウが無く、IT部門やベンダーにHPC環境構築の依頼をする事に高いハードルを感じていらっしゃいませんか?
本ポスターでは、JMAGのためのHPC環境を構成するハードウェアおよびシステムについて、用語も含めて丁寧にご説明します。 計算目的に適したHPC環境に関する基本的事項だけでなく、これまでに弊社で蓄積してきたノウハウや大規模モデルと最適化の計算環境構築例についてもご紹介します。
電気機器の詳細設計を行う段階では、詳細形状のモデリングが必要になってきます。例えば、渦電流損失やAC銅損を精度よく求めようとすると、積層鋼板やコイルエンドを含む素線のモデル化が重要です。のようなケースでは要素数が非常に多くなり、解析に時間を要します。MPPやSMPによる高並列計算は、解析時間を短縮するために非常に有効な手段です。
近年、JMAGでは大規模モデルに対して高並列計算によるパフォーマンス向上を図ってきました。本ポスターでは、最近のパフォーマンス向上の成果、解析事例ならびに高並列計算を行う際の留意点をご紹介します。
本ポスターでは、2022年にJMAGに実装された新機能について幅広く取り上げご説明します。
概念設計においてシミュレーションを使った設計探査を可能にするため熱解析・電界解析の2次元ソルバをサポートしました。 大規模寸法最適化で問題となる形状破綻を寸法範囲自動設定で解決しました。大規模詳細モデルに対して磁界解析だけでなく構造解析の高速化、熱連成においても高並列化に対応しました。
その他にも制御や効率マップ、材料モデリングなど様々な新機能を搭載しています。これらに関する新機能を知るとともに、ぜひ貴重なご意見・ご要望を寄せてください。
JMAG構造解析の重要な機能に、固有モード解析と接触解析があります。
電磁力がモータと共振することで大きな振動や音が発生するため、固有モード解析によって固有振動数や固有モードを把握しておくことが大切です。従来はこの固有モード解析に時間がかかるという課題があったため、構造解析ソルバを改善し、解析速度を大幅に向上させました。
また、強度評価には接触解析による応力分布の計算が欠かせません。しかし接触解析においても収束性や精度の面で課題がありました。この課題に対処するために新たな手法を取り入れ、V21.0からは実用的な時間で解を得られるように改善しました。
本ポスターでは、改良された固有モード解析の速度向上と、新たに実装された接触解析の手法を紹介します。
効率マップ(速度優先)では3相正弦波電流を仮定して効率マップを描いていますが、本来のPWM電流の高調波成分が鉄損、銅損に与える影響までは考慮できていませんので、実測の効率マップに比べて効率が過大評価となってしまいます。一方でJMAGの効率マップ(精度優先)は解析モデルをユーザーが自由に編集できるため、期待する計算精度に応じて回路自体を変更することができます。
本ポスターでは、実測に近しい効率マップをシミュレーションで得るために、効率マップ(精度優先)で制御回路を考慮する流れについて紹介します。JMAGでは短時間で効率マップの描画が可能な効率マップ(速度優先)の結果を参照することで、少ない手数で制御回路を考慮した効率マップ(速度優先)の解析を行うことができます。より厳密に各動作点での電流ベクトルを定義したい場合には、JMAG-RTモデルを利用する手段もあります。さらに、一般的な3相PWM電流ベクトル制御の他に、2相変調や3次高調波制御、空間ベクトル制御など様々な制御方式が選択できるようになりましたので、それぞれの制御方式の内容と効率マップに与える影響についても示します。
電気機器は多くの性能要求を満足する仕様を短時間で設計する必要があります。
これを実現するためには広い設計空間を十分設計探査することが求められます。
この設計探査を行う手段として、多変数および多目的最適化計算による設計探査方法を挙げることができます。この最適化計算は設計変数の数が多い程、最適化中に形状破綻が発生し易い傾向があります。形状破綻が発生すると最適化が進捗せず、良設計案が把握できなくなるという課題が生じます。
良設計案を把握するためにはこの課題を解決することが必須となります。
本ポスターセッションでは、多数の設計変数を持つモータを例に課題となっている形状破綻を回避し最適化計算を行う試みをご紹介します。
併せて、広い設計空間から効率よく良設計案を見出す方法として機械学習を併用した設計探査事例についてもご紹介します。(事例(1)、(2))
トポロジー最適化は斬新な設計アイデアを生み出すための有効な機能で、適切なパラメータ設定により処理時間を極力抑えながら期待する結果を得ることが可能です。そのため、設定パラメータの意味や効果を理解することが重要です。
本ポスターでは、トポロジー最適化で設定するパラメータについて解説します。特にトポロジー最適化の設計変数(ガウス基底)の数や配置、集団サイズ/子個体数が得られる結果に与える感度について事例を示し、適切なパラメータ設定を考えるための手順を示します。さらに、得られたトポロジーを局所的に変更することで変化する結果から、トポロジーのメカニズムを考察する手順についても示します。
高速化には機械学習を援用した手法が有効なため、その設定方法や実行方法についても詳説します。また、造形しやすいトポロジーを得る手段としてパラメトリック最適化の援用も可能で、その手順についても詳説します。
磁界解析から得られる機器特性の精度についてお困りではありませんか。
解析対象によっては、軟磁性体の非線形性や磁石の不可逆減磁といった基本的な磁化特性だけでは十分な精度が得られない場合があります。そのような場合は、更に詳細な軟磁性体や磁石の磁化特性を考慮する必要があります。
JMAGでは既に詳細な磁化特性を扱うための機能を有しています。例えば、ヒステリシス性を考慮した電磁弁の応答性やモータのヒステリシス損失を評価することができます。また、2次元異方性を考慮したトランスのインダクタンスの評価、多段階着磁した磁石を使用したメモリモータの増減磁を含む解析も可能です。本ポスターでは、これらの事例を通して、目的に応じた磁化特性を使用する必要性をご説明します。
JMAG-RTでは、制御回路シミュレーションで利用可能な、有限要素解析をベースとした3相永久磁石同期モータなどの高精度プラントモデルを作成します。
作成したプラントモデルは制御アルゴリズムの検討だけでなく、モデルベース開発のV字サイクルの各工程に利用することができます。
概念設計ではシステムシミュレーションにおけるシステム成立性の評価、詳細設計では有限要素法を用いた詳細解析における早期定常化に活用することが可能です。また、JMAG-RTでは、AC銅損を考慮するための機能などの開発も進んでいます。
本ポスターではこれらを合わせてご紹介します。
多目的ファイル出力ツールの主な機能として、バイナリ形式のJMAGの結果ファイルから特定のデータを抽出し、CSV形式などの取り扱いやすい形式のファイルに出力する機能があります。これを活用することでJMAG-Designerと他社CAEソフトウェアとの連携が可能になります。
本機能を利用するシーンとして、効率マップ上の多数の動作点に対するJMAGの損失解析の結果を他社CAEソフトウェアで利用し、その結果を元に温度マップを描いて評価する、ということが挙げられます。その際、従来は動作点ごとに損失解析の結果ファイルを指定してツールを実行する必要がありましたが、これは非常に手間がかかる作業でした。
Ver.21.1以降では、このような大量ケースを簡単な操作で一括して取り扱えるようになりましたので、紹介いたします。
絶縁破壊や静電容量を電界解析で評価する際、2次元あるいは軸対称解析で十分な精度が得られる場合があります。これまでJMAGの電界解析は3次元のみの対応であり、そのような場合でも3次元モデルを作成する必要があったため手間がかかるという課題がありました。Ver.22.0で2次元および軸対称電界解析に対応したことにより、モデル作成の手間は大幅に軽減されます。さらに2次元解析は3次元解析に比べて計算時間も非常に短いというメリットもあります。本ポスターでは、コア近傍の並行導体の2次元解析や、ワイヤレス給電のコイル間の静電容量の軸対称解析の事例をご紹介します。
リアクトルの代表的な評価項目としてインダクタンスや鉄損があります。
リアクトルは、交流電流に直流電流が重畳した状態で使用されることがありますが、この直流重畳状態でインダクタンスや鉄損を精度良く評価するためには、マイナーループを正確に捉える必要がありますJMAGは、このマイナーループをモデリングする機能を有しています。
本ポスターでは、磁界解析内で直接マイナーループを扱うことが可能なプレイモデルに焦点をあて、プレイモデルの機能および入力データの生成ツールを紹介します。 加えてリアクトルの直流重畳特性を例にプレイモデルのメリットを紹介します。
モータ設計において重要な観点として、磁気特性と温度特性が挙げられます。
JMAGの磁界解析で得られた損失をシームレスに熱解析に受け渡すことで、磁気特性と温度特性の両方を高精度かつ同時に検討できます。
一方で従来のJMAGを活用したモータ設計において、熱伝達係数や接触熱抵抗の設定、熱回路の作成が難しいと感じておられた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
新しいJMAGでは熱解析の機能が強化されており、従来難しかった設定、熱回路の作成などが簡単に行えるようになっています。
本セミナーでは、JMAGにおける熱解析の考え方および、便利機能を紹介いたします。
高精度な誘導加熱解析のためには、材料の熱特性や境界条件の適切なモデリングが重要となります。
例えば、モータの積層コアの場合、面内方向と積層方向で熱の伝わりやすさの違いを表現するために、比熱や熱伝導率に異方性を与えます。また、非加熱体の冷却手段として自然空冷や液冷などがありますが、熱伝達境界の熱伝達係数の値を変えることで冷却手段の違いを表現します。
本ポスターでは、最近問い合わせが増えています以下の2つの解析事例について紹介します。
1)冷却工程も含めた高周波焼き入れコイルの最適化計算
2)モータコアの誘導加熱を活用したコイル樹脂の熱硬化の評価
1)では積層構造のモータコアのモデリング方法について、2)では冷却工程を熱伝達係数で表現する時の考え方について説明します。
極数・スロット数を変える概念設計では、コイルの数が変わるためモデル毎に巻線設定を変更する必要があります。
「巻線エディタ」なら、パラメータ入力し1スロット選ぶだけで、モデル毎に変更する手間は不要です。また、詳細設計でコイルエンド部のインダクタンスや交流損失を考慮するには、溶接や任意の巻き方など実機に近い詳細なコイル形状が求められます。 「コイルテンプレート」では、複雑なコイル形状をパラメータだけで簡単に作成できます。
本資料では、コイルモデリングの手間を削減できる機能をご紹介します。
解析精度と解析時間の要求を両立するメッシュを作ることは経験を要する作業です。
自動設計を見据えて、ユーザーが特別な設定を行わなくても自動的に解析対象に合わせた適切な要素サイズ設定を行う機能開発を進めています。
特に、本年度リリースしたJMAG-Designer Ver.21.1からは2Dモデルだけでなく3Dモデルへも対応し、より多くのアプリケーションに活用いただけるようになりました。
モーター、変圧器、誘導加熱等の解析事例を取り上げて、新しい自動設定機能、旧機能、手動設定それぞれで作成したメッシュの精度比較結果をご紹介いたします。
キャパシタによる共振を利用した磁界共鳴型ワイヤレス給電装置は給電可能距離の長さなどから、電動化社会における給電装置の候補として着目されています。
ワイヤレス給電装置は当初ヨークを持たないタイプが多かったが、漏れ磁束を減らすために磁性コアを持つものも増えてきており、コアの設計が開発の課題として加わりました。
本ポスターではワイヤレス給電装置の結合係数や送電効率の導出法および、ワイヤレス給電装置のコア形状を最適化した事例を紹介します。
誘導加熱による焼入れは、表面硬化の方法として優れるだけではなく、CO2排出量削減の観点からも期待される手法であり、今後更に普及が見込まれています。しかし、加熱対象のワーク形状によっては、均一加熱や電源の制約などを満たすコイル形状を設計することが難しい場合があります。
JMAGには、トポロジー最適化やパラメータ最適化の機能が標準的に備えられており、様々な制約や要求を満たす加熱コイル形状の設計探索の自動化が可能です。
本ポスターでは、誘導加熱コイルを対象としてJMAGの各種最適化機能を用いて形状探索を行った事例を示し、得られる結果の違いについて考察します。また、計算時間短縮のためにAI/機械学習から得られる代理モデルを利用する事例も示し、代理モデルを利用しない場合と計算時間や得られる結果を比較します。
誘導電動機はレアアースレスで無負荷鉄損がないなどの点などから電動駆動用途モータとして再着目されています。
JMAGではこれまで誘導電動機の基本特性から制御の解析まで可能でしたが、今回改めて上記解析の流れを示す中で誘導電動機の解析のポイント、誘導電動機に関する新機能を紹介します。
これまで永久磁石モータを解析され、これから誘導電動機の解析にトライする方はぜひご覧ください。
リニアモータは高加減速性や高い位置決め精度を実現できるため、搬送装置や工作機械などに使われています。速度や位置決め精度を決める重要なファクタとして推力がありますが、高い加減速性や位置決め精度を担保するために、推力リップルを低減する要求があります。
推力リップルはコギング力のほか、モータの長さが有限であることによる端効果により発生します。リップル低減のために磁石にスキューを設けたり、固定子端部のティースの形状を工夫するなどの検討が行われますが、磁石のスキューを正確に扱うには3次元解析が必要です。
JMAG-Designerでは、3次元モデルの検討を並列計算により現実的な時間で行うことができます。
本ポスターでは、永久磁石型のリニアモータの推力リップルの低減解析の例を示します。
流体の流入出量を調整するソレノイドバルブには、弁体の高速な応答性が要求されます。
弁体の応答性は、残留磁化や渦電流といった磁気的な現象に加え、流路に働く流体力など磁気以外の現象の影響も受けます。 また弁体の位置や速度は制御回路によりコントロールされるため、応答性評価には、ソレノイドバルブ単体ではなく制御回路と組み合わせた検討も必要です。
本ポスターでは、磁気、流体の影響を考慮したソレノイドバルブの解析方法と、制御回路との連成方法についてご紹介します。
アキシャルギャップ型モータは薄型としても高トルクを得られることから、スペースが限られる車載用モータとしての利用が進んでいます。駆動用モータは動作点が広いため、効率マップを評価する必要があります。有限要素法を用いた磁界解析では、鉄損や非線形磁化特性の影響を考慮して効率マップを描くことができ、異なる設計案のモータ特性の比較を容易に行うことができます。
本ポスターでは、体格違いのアキシャルギャップ型モータの効率マップを作成し、各動作点の効率および損失の内訳を分析した事例を紹介します。
永久磁石モータは高出力密度という優れた特性を持っています。一方で磁石の磁束量が固定のため、高速回転では鉄損の増加や弱め磁束電流による効率の低下を招きます。それに対し可変磁束機構を持つ新しいタイプのモータが種々提案されています。これらのモータでは磁束量やインダクタンスなどの機器定数が動作域によって大きく変動するため等価回路ベースのモデリングは難しく、有限要素法解析が必須です。
本ポスターでは可変磁束磁石を使ったメモリモータや直流重畳量で磁束をコントロールするモータなどの特性算出にJMAGを活用した例を紹介します。
モータ解析の手間や時間の都合から,正弦波電源を入力とした制御を考慮しない解析がまだ多いのが現状です.制御を考慮しない解析で設計したモータでは、試作後にPWM損が異常に高いなどの思わぬ結果に遭遇し、モータの基本設計まで戻らなくてはならない恐れがあります。そのため、実機の駆動状態を表現した制御と連成させた解析が必要です。
制御シミュレーションソフトとの直接連成や、JMAGの回路エディタ上で制御回路を組むことはこれまでも可能でしたが、モータ設計者と制御設計者が分けられている場合など、制御の知見がないモータ設計者が自身で回路を組めない問題がありました。
上記課題を解決するためにJMAGでは、Ld,Lqなどのモータパラメータを入力するだけで手軽に制御を考慮できるような各種制御テンプレートを用意しております。
本ポスターでは、制御テンプレートの説明とその使い方について紹介いたします。
軟磁性体のヒステリシス性を考慮することで残留磁化やマイナーループによる損失を考慮した解析が可能になります。
JMAGでは軟磁性体のヒステリシス性を考慮した解析を行うための機能としてプレイモデルを提供しています。プレイモデルを使用する際には材料データとして対称ヒステリシスループ群を用意する必要があり、材料データに入力した対称ヒステリシスループ群の本数が多いほど振幅の小さいマイナーループを捉えることができます。一方で実測では測定できるループ群の本数に限界があります。
測定したループ群が交差していることもあります。このような場合を想定し、プレイモデルにより細かなマイナーループを捉えるための多数本の対称ヒステリシスループ群を生成する方法を示します。
電磁鋼板は、方向性電磁鋼板と無方向性電磁鋼板に大別されます。
方向性電磁鋼板は面内に磁気異方性を有しており、ギャップのないトランスのように磁路内で鋼板の磁気抵抗が多くを占める場合は、磁界解析において磁気異方性を考慮することが必須です。
また、無方向性電磁鋼板であっても厳密には磁気異方性を有しています。その磁気異方性によって対称性が崩れ、想定しないコギングトルクが現れることがあります。
これら方向性・無方向性電磁鋼板が持つ磁気異方性はいずれもJMAGで扱うことができます。本ポスターでは、JMAGで二次元磁気異方性を考慮する方法および必要な磁気特性データについて紹介します。
磁性材料で発生する鉄損はヒステリシス損失、古典的渦電流損失、ならびに異常渦電流損失に大別される。
機器の振る舞いや損失を高精度に予測計算したい場合には、各々の損失を詳細に考慮することが必要となる。
ヒステリシス損失ならびに古典的渦電流損失については詳細な計算を行うためのモデリング法が既に知られている一方で、異常渦電流損失については単一の汎用的手法が未だ存在せず、おのおのの手法の信頼性は解析の対象により異なる。
本ポスターでは、はじめに現在JMAGが提供している異常渦電流損のモデリング機能を紹介する。
次にこのモデリング機能が適用可能な範囲と残る課題を明らかにし、課題に対する最新の取り組みを紹介する。
JMAG-RTでは、有限要素解析をベースとして制御回路シミュレーションで利用可能な高精度プラントモデルを作成します。対応しているモデルタイプには、3相永久磁石同期モータやリニアソレノイドなどアプリケーションに特化したものがあります。これらは設定が必要なものに絞られていて使いやすい一方、コイルの相数や回路パターンが固定されているなど、汎用性に欠けるところがあります。そこで、様々なアプリケーションを汎用的に扱うために、モデルタイプ「任意モデル」を提供しています。
任意モデルでは、コイル、抵抗、コンデンサ、電源素子を自由に配置した回路や回転・並進運動を扱うことが可能です。そのため、既存のモデルタイプに当てはまらないアプリケーションに加え、既存のモデルタイプであっても回路パターンが異なるアプリケーションを扱うことができます。
本ポスターでは任意モデルの利用方法・制限を説明し、これらの事例をご紹介します。
効率マップは現在、モータ・発電機の性能を評価するためのツールとして広く用いられています。効率マップを生成するにあたって、従来は磁界解析時に大幅な単純化と近似をしていたため、詳細な設計ツールとして使用するのに十分な精度がありませんでした。従来は正弦波電流を仮定しており、交流損失、ヒステリシスマイナーループ、製造上の要因、PWM制御の影響は考慮していませんでしたが、JMAGはこれらを克服し詳細な設計ツールとして使える精度優先効率マップ機能を提案しており、高い精度が得られることを検証済みです[W-MO-114]。
ただし、わずか1%の効率の誤差でさえ、損失換算では約10%の誤差となり、無視できないものであることには注意すべきです。効率マップ生成にあたっては、磁界解析の詳細度だけでなく、マップを作成するための動作点の選び方が損失の計算値に大きな影響を与える可能性があります。したがって、詳細な設計ツールに必要な精度を維持するために、これら動作点の選び方には注意が必要です。
本ポスターでは、この注意点の下で、精度優先効率マップが計算コストを抑えつつ高精度な効率マップを得ることができる機能になっていることを説明し、さらなる精度向上に向けた議論をします。
鉄損計算において、電磁鋼板の持つ鉄損密度特性を元にした従来の計算手法では、直流重畳や測定範囲外の周波数で誤差が生じるという問題があります。
そのためJMAGではプレイモデルや1D法という新しい鉄損計算手法を導入し、この手法がスタンダードになりつつあります。
しかしながら新手法には、プレイモデルのための実測による対称ヒステリシスループ群の準備が大変である、解析に時間がかかるといった課題がありました。
これらを改善する取り組みとして、JMAGでは対称ヒステリシスループ群の補間ツール開発や、計算処理の高速化、並列計算機能の導入を行いました。
本ポスターでは、従来法と新手法の特徴について説明した上で、これら新機能・計算速度向上成果についてご紹介します。
最適化計算等で使用されるHPCシステムでは、共有ファイルシステムを使用するため、同時実行ジョブ数の増加に伴いパフォーマンスが劣化します。この問題を改善するため、中間ファイルを取り除くことによる高速化を計画しています。
また、JMAG-Designerからのフォアグラウンド実行のような小規模な計算ジョブについても、結果ファイルの非同期書き出しや中間ファイルの除去により、計算開始操作から結果確認できるようになるまでの時間を短縮できるよう取り組んでいます。
本ポスターではこのような、HPCシステムを用いた計算のスケーラビリティ改善と、ローカル実行されることの多い小規模な計算ジョブのパフォーマンス改善の取り組みについて、ご紹介します。
駆動用モータの省スペース化実現に向け、レゾルバをよりモータの近くに配置することが求められています。
しかし、レゾルバとモータが近すぎるとモータからの漏れ磁束が検出コイルに鎖交し、検出精度が悪化させます。
そのため、レゾルバの位置、コア形状、シールドの有無など、事前にシミュレーションで対策を検討することが重要になります。
本ポスターではモータとレゾルバをFEAでモデル化した状態でレゾルバ位置を変更したシミュレーションを行い、レゾルバ検出コイルの鎖交磁束を評価し、対策を検討した事例を紹介します。
最適化計算や効率マップ作成、RTモデル作成のためには非常に多くのケース数を計算する必要があり、計算時間がかかります。
JMAGではHPC環境を使用した複数ケースの分散同時実行によって解析時間を大幅に短縮する機能を提供していますが、準備すべき計算環境や計算実行方法がわからずに断念されている方はいらっしゃいませんか?
本ポスターでは、多ケース分散同時実行を実現するために検討すべきことを示し、計算実行方法についてシステムへのアクセス方法も含め基本的事項から解説します。
最近の機能追加により計算実行がより容易になっていますので、すでに多ケース計算のご経験がある方も是非ご覧ください。
モータ設計の自動化の検討において、寸法諸元や・巻線・駆動条件などの最適化を、シミュレーションを用いてどのように行うかが課題になります。シミュレーションを設計自動化システムに組み込む方法として、スクリプトの利用があります。
従来のJMAG-Designerのコマンドラインでスクリプトファイルを指定して自動実行する方法に加え、V22.0からはPython環境を持つスクリプトエディタやアプリケーションから直接、JMAG-Designerを制御することができるようになりました。これによりシステムの構成の自由度が高まり、複数のアプリケーションとの連携も可能になります。
このポスターでは、JMAG-Designerをシステムに組み込むためのスクリプトの活用法を紹介します。
巻線界磁モータはこれまで産業用用途で用いられてきたが界磁電流を変えることによる優れた可変磁束特性より、 昨今広い駆動範囲が要求される電動駆動用途モータとして着目されています。
本ポスターではJMAGで設計した巻線界磁モータの効率マップを評価し、同体格の永久磁石モータと比較して特徴の違いを示します。
また、現状のJMAGの機能でできる範囲とできない範囲を示します。ぜひバージョンアップへのリクエストを寄せてください。
JMAG標準搭載のSOLIDWORKS連携機能(JMAG-Communicator)がV22から利用が出来なくなります。
代替機能となるSOLIDWORKS Direct(有償)を利用することで、今までと同様にSOLIDWORKSとJMAGを連携しながら解析が行えることを具体的なユースケースを例にご説明します。
JMAGオープンインターフェースは、JMAGが提案するJMAGと別のCAEソフトウェアをつなげるための方法です。CSVファイルなど一般的かつ直観的にわかりやすいファイルを介して連携する仕組みとなるため、迷わず他のCAEソフトウェアと連携することができます。そのファイルも多目的ファイル出力ツールが連携先のCAEソフトウェアのメッシュや解析タイプに応じて自動的に変換してくれるため、連携解析におけるユーザーの作業負担やファイル変換に伴う解析誤差の増加を軽減することができます。
本ポスターでは、JMAGオープンインターフェースを概説し、想定するユースケースや具体的な事例を示します。
高精度な効率マップの生成、最適化計算、制御検証に用いる高精度プラントモデル(JMAG-RT)のファイル作成を行う場合、FEAによる多数ケースの解析が必要です。1ケースの解析時間は短くても全ケースの解析時間の合計は非常に長くなります。
したがって、クラウドなどHPC計算環境を利用した多ケースの分散同時実行によって解析時間の短縮を図る必要があります。JMAGでは、このような多ケースの分散同時実行のパフォーマンス向上を図ってきました。
本ポスターでは、最近のパフォーマンス向上の成果を事例を通してご紹介します。併せて、思ったようにパフォーマンスが出ないときの確認ポイント、今後のさらなる速度向上見通しをご紹介します。