JMAGをご活用いただいている学生の皆様のポスター発表を企画しました。
この機会に、各教育機関でどのような研究がされているのか、JMAGがどのように活用されているのかを知ってみませんか?
各日ポスター会場で、発表される学生の皆様とのディスカッションもぜひお楽しみください。
申し込み順
JMAG-DesignerとOpen CVによる製造性考慮型トポロジー最適化
長岡技術科学大学 / 立命館大学 電気電子情報工学分野 / 理工学部 機械工学科 先進モータシステム研究室
大塚 遼之介 氏
自動車駆動用高速・高出力密度準コアレスSPMSMにおける巻線損失解析
名古屋工業大学 大学院工学研究科 博士前期課程工学専攻創造プログラム 次世代モータドライブ&パワーエレクトロニクス研究室(小坂・松盛・高橋研究室)
佐久間 彩加 氏
複雑形状誘導加熱コイルのJMAGによる三次元電磁界−熱連成解析と実機による非線形B-H特性の温度依存性の評価
近畿大学 大学院 総合理工学研究科 エレクトロニクス系工学専攻 CAE-AI研究室
久保田 智貴 氏
永久磁石同期モータのトルクを向上する技術として、固定子のティース中央にスリットを挿入する構造が研究されている。固定子スリットの先行研究では電機子磁束の観点からトルク向上原理が説明されているが、トルクの発生原理にかかわる機械電気エネルギー変換の観点からは説明されていない。本研究では、機械電気エネルギー変換に着目し、固定子スリットを有するモータのトルク向上原理を調査する。解析の結果、磁束密度の低次高調波がトルクに寄与することを示す。

近年、ロボットの関節やEV、家電製品には薄型モータが求められている。そこで、広く普及しているラジアルモータよりも、薄型形状で効率がよいと期待されているアキシャルギャップモータに着目した。先行研究では可変界磁性能を付与することで出力領域を拡大したが、トルクリプルの大きさにより振動や騒音が課題となった。本研究では分数スロット構造を導入しトルクリプルを低減することが可能なのか3次元解析を用いて検討、評価した結果、電流密度を一定にした場合に先行研究よりも平均トルクが2.24倍、トルクリプルが91%小さくなることをシミュレーション上で確認したため、その詳細について報告する。

直入れ2極誘導機はインバータが不要であり、安価でロバスト性が高いため産業用途として多く用いられている。しかし、分布巻の適用によるコイルエンド高さの影響により、大型化やコイルエンド部の銅損による効率低下が問題になる。そこで、多スロット、かつ高巻線係数の構造を有する磁束変調を利用した直入れ2極集中巻誘導機を提案した。しかし、無負荷にもかかわらず、すべりが0.9程度で回転するという現象が発生した。本発表では、このメカニズムを明らかにするとともに、無負荷でのすべりをゼロ付近にするためにロータにスキューを施したので、その効果を3次元有限要素解析で検証する。
本研究では、JMAGと画像処理ライブラリである OpenCV を活用し、IPMモータの製造性を考慮したトポロジー最適化手法を提案する。従来のトポロジー最適化では、製造不可能な形状が生成されてしまうという課題があった。そこで本手法では、OpenCV を用いて最適化された材料分布を画像として抽出し、目的関数内で「分離したコア」、「薄肉ブリッジ」、および「製造不可能な微細構造」に対してペナルティを課す幾何学的評価を行う。さらに、製造性を満たす個体を初期集団として用いることで収束を加速させるWarm Starting CMA-ESを導入する。IPMモータを用いた数値解析の結果、提案手法は優れた磁気性能を維持しつつ、製造性の高い形状を生成できることが確認された。さらに、最適化結果を形状修正せずにワイヤ放電加工機を用いた試作おこなった。結果、従来手法では磁気性能が低下したのに対し、提案手法ではその変動を10%以内に抑えることに成功した。

スポーク型IPMモータは高トルク密度化に有効である一方、ロータ内に漏れ磁束が発生し、磁石磁束を十分に活用できないことが課題である。本研究では、ブリッジ部を非磁性の樹脂ユニットに置き換えることで漏れ磁束経路を物理的に遮断し、磁石量を削減するロータ構造を提案する。内周側のみを樹脂締結したType Aと、内外周の両方を樹脂締結したType Bについて数値解析を行った結果、従来構造と同等のトルク特性を維持しながら、磁石量をそれぞれ19.2%、27.4%削減できることを確認した。さらに試作機を製作し、電流―トルク特性、回転数―トルク特性を測定した結果、解析結果と一致し、提案構造の実現可能性を確認した。

モータの設計ではしばしば多目的最適化が要求される。有効な解探索法として、NSGA-IIなどが従来より用いられているが、目的関数が多くなるほど探索効率が低下する。本課題を解決する方法として、主成分分析を用いた解空間の次元圧縮が考えられるが、同手法には事前に構築した膨な解析データが必要となる。そこで、本研究では、生成AIを用いてユーザに不足する設計知見を補足し、熟練した設計者の観点から効率的な評価関数を定義することを試みる。

可変磁力メモリモータ(VMFM)は、可変永久磁石の磁化状態を変化させることで、運転範囲を拡大できる。しかし、磁化状態の変更には、定格電機子電流の数倍に相当するパルス電流が必要となる。本研究では、固定子に配置した磁化巻線を用いることで、VMFMの各パワー半導体素子に流れる磁化電流を低減する手法を提案する。さらに、提案手法の有効性を検証するため、実機による磁化実験を実施した。その結果、製作性を維持しながら、パワー半導体素子の小型化およびコスト削減が可能であることを示す。

永久磁石に使用されるレアアースの削減と、モータの高効率・高出力化を両立することは極めて重要である。本研究では、レアアースを使用せずに高出力を実現するとともに、永久磁石の磁化状態を可変とすることで、広い速度範囲で高い出力性能を発揮する新しい永久磁石補助形リラクタンスモータを提案する。さらに、提案モータは短絡故障時に永久磁石の磁化状態が変化することで、短絡電流を自然に抑制し、大幅に低減できる特長を有する。解析の結果、永久磁石の磁化状態を適切に制御することで、低速域では高トルク、高速域では高出力を実現できることを確認した。また、短絡故障時には永久磁石の減磁によって短絡電流が定格電流の42%まで自然に低減することを明らかにした。これにより、短絡故障時に発生する過大な引きずりトルクの抑制が期待できる。

モータの出力密度(kW/kg)の向上には、高速回転化が有効である。しかし、超高速回転化に伴い出力密度が増加すると、同時に損失密度も増加する。過度な温度上昇を防ぐためには、モータ全体の損失密度を冷却可能な値に抑制する必要がある。本発表では、80 kr/min、80 kWの超高速ベアリングレスモータを対象に、損失密度制約下(1,000 W/L)において出力密度10 kW/kgの実現を目指す。さらに、巻線材料およびモータ・支持巻線の配置が、AC銅損に及ぼす影響を明らかにする。

自動車駆動用モータでは、小型・高出力密度化のため高速化が求められている。一方、高速・高周波駆動では、巻線に生じる損失の増加が課題で、特に本研究で対象とする準コアレスモータではその対策が必要不可欠である。本発表では、JMAG-Designerを用いた巻線損失の分離評価手法と、巻線転位による循環電流損失低減効果について報告する。巻線損失を直流銅損、巻線渦電流損失および並列素線間に生じる循環電流損失に分離し、それぞれを評価する解析手法を構築した。36本の並列素線からなるアルミニウム巻線について、素線間の誘起電圧差を考慮した回路モデルを用いて循環電流損失を算出した。また、巻線に180°転位を適用した場合について解析を行い、転位を行っていない場合と比較した。その結果、180°転位によって循環電流損失を91.3%低減できることを確認した。

誘導加熱(IH)では部品の形状ごとに専用のコイルが必要であり、多品種・複雑形状の部品ほど、コイル設計の負担が大きい。近年、金属3Dプリンタの実用化により、被加熱物に合わせた複雑形状コイルが製作可能になった。こうしたコイルには巻線の折り返し部やリード部があり、電流経路が軸対称ではないため、三次元の実形状で加熱特性を予測する必要がある。
本発表では、複雑形状コイルを実形状のまま三次元でモデル化し、ワークの非線形B-H特性を考慮してJMAGで電磁界と熱の連成解析を行う。しかし、鋼製ワークのB-H特性は温度とともに変化し、キュリー点付近では磁性をほぼ失う。その温度依存性のモデルは明確でない。そこで、誘導加熱装置を構築してワーク温度を測定し、解析と比べながら、B-H特性の温度依存性が加熱特性に与える影響を評価する。これにより、試作前の解析でB-H特性の温度依存性をどこまで考慮すべきかを明らかにする。

近年、環境規制の強化を背景に、世界的に電気自動車(EV)の普及が加速している。それに伴い、車載用モータ駆動システムには、限られた搭載スペースにおいて高出力密度化を実現することが強く求められている。現在、モータと電力変換器を同一ハウジング内に集約する構造的な機電一体化が推進されており、パワートレインにおいては減速機を統合した「e-Axle」の開発がされている。一方で、アカデミック分野では、モータと電力変換器を高度に融合させる機能的な機電一体化に向けた研究も進められている。そこで本発表では、電機子コイルをプリント基板(PCB)上にパターン形成したPCBコイルとドライブ回路を同一基板上に構成したアキシャルフラックス構造のPCBモータを提案および試作し、動作検証を行った結果を報告する。

近年、モビリティの電動化によりモータと駆動回路の小型軽量化が急務となっている。本研究ではモータコイルへプリント基板(PCB)を活用した機電一体化に着目し、モータとインバータの機能的統合を進めている。コンポーネントの極近接配置に伴い、漏洩磁束が回路に及ぼす影響の可視化と対策が不可欠である。本発表ではラジアルフラックス形PMSMを対象に、コイルエンドのPCB化と実機でのNT特性比較によるパターン設計の検証結果を報告する。さらに統合に向けた環状インバータ基板に対し、3D-FEMで漏洩磁束による渦電流分布と渦電流損を見積もり、スリット挿入で損失低減を図った設計プロセスを紹介する。

近年、AI需要の急拡大や円安の影響によりハードウェアの調達コストが増大しており、CAE分野では計算基盤の費用対効果と運用の柔軟性を両立することが課題となっている。本研究では、産学連携枠(Plan 3等)を備え、低コストかつ柔軟に仮想計算環境を構築できる計算基盤「mdx」に着目し、JMAG並列計算の実行環境としての有効性を検証する。比較対象には、研究室が保有する52物理コア・メモリ192 GBのオンプレミスサーバ(Dell Precision 7920)を用いる。両環境で同一の解析モデルを計算し、コア数の増加に伴う並列効率と計算時間の短縮効果を定量的に評価する。本報告では、両環境の計算効率を比較した結果を示し、大学と企業が共同で利用できる計算基盤としてのmdxの活用意義を論じる。さらに、構築した並列計算環境を大量のサンプリング計算に適用し、サロゲートモデルを用いた高速な形状・制御最適化へ展開する今後の構想についても述べる。

電磁界解析は、モデル作成から求解、結果の取り出しまで多くの手順を要する。筆者らは、大規模言語モデル(LLM)を用いたエージェントと解析ソフトウェアをModel Context Protocol(MCP)で接続し、解析に活用する環境を開発している。LLMの活用形態には、LLMをAIチューターとして利用者が学びながら解析を進める運用、解析をLLMに任せて設計を進める自律駆動、DLL作成による拡張機能の開発の3つがある。いずれの場合も、LLMに操作知識をいかに提供するかが課題となる。本発表では、JMAGをMCPでLLMエージェントに接続した環境と、学生によるその運用事例を紹介する。この環境のMCPサーバは、JMAGの作業手順の知識を提供するSkillsと、JMAGの解析結果を検査するLintをラッピングし、これらをLLMから利用できるようにする。

電気機械に対して要求される性能を満たすためには、有限要素法(Finite Element Method, FEM)を用いた最適化が有用である一方、多ケースの計算が必要であり最適化の総計算コストは極めて大きくなる。この課題に対して代理モデル援用最適化が提案されている。これは通常FEMのみで行う最適化に対して、代理モデルによる計算を挿入しFEM計算の量を削減することで計算コストが低減可能な手法である。
本研究では洋上風力発電用の大型磁束変調型磁気ギヤを対象に代理モデル援用最適化を行い、代理モデルを適用する世代数やそれに伴う計算コストの変化について比較検討を行った。

有限要素法(FEM)の解析結果から生成した代理モデルを最適設計に援用する手法は、最適化に要する時間を短縮することができる。しかし、計算コストの削減と解の精度維持はトレードオフの関係にある。本稿では、遺伝的アルゴリズム(GA)を用いた最適化において、代理モデルに置き換える世代数を種々変更し、それぞれの結果を比較・検討したので報告する。
高温超電導(high-temperature superconductor)を利用した小型核融合炉の開発が世界的に激化している。直流もしくは準静的な状態での運転が見込まれる集合導体/コイル開発は非常に優れた進展を見せている。一方、トカマク型炉におけるCSコイルなどではパルス電流や外部磁場の掃引によって、非常に大きな誘導・遮蔽電流が生じて結果的に大きな損失が生じる。本研究では、JMAGを用いて積層型HTS集合導体の三次元有限要素解析を通じ、集合導体内部の電磁現象および損失を明らかにする。解析結果の詳細については当日報告する。

モビリティ駆動用の主機電動機は、集中巻の採用および多極化・薄型化によって、出力密度の向上を図る。他方、それに伴ってコイルの端部効果は顕著となり、漏れインダクタンスやハウジング渦電流などの影響を与える。本発表は、集中巻SynRMのハウジングにおける渦電流を対象とした、3-D FEAによる検討事例を紹介する。

本研究では、高効率・小型化を目指した単相フラックスリバーサルモータ(FRM)の設計・最適化を行う。FRMはトルクリプルが大きく、永久磁石の渦電流損失が支配的であるという課題を有する。そこで、極弧角およびクロスポール形状を検討し、トルクリプルと永久磁石の渦電流損失の低減を図った。さらに、AI agentを活用してステータヨーク厚みの最適寸法を探索した。
近年、モータの高出力密度化に伴い、ステータの効率的な冷却が求められている。油滴下冷却の熱解析では、油の濡れ面積や熱伝達係数を適切に設定する必要があるが、実際の油滴下時におけるこれらの値を把握することは容易ではない。
本研究では、ステータ油滴下冷却の熱解析モデル構築に向けて、アルミ円柱を用いた熱伝達係数推定手法の基礎検討を行う。まず、JMAGを用いてアルミ円柱の加熱過程を解析し、定常状態に至るまでの温度変化を評価する。次に、アルミ円柱への油滴下冷却実験を通じて、油の濡れ面積、入口・出口温度および円柱表面温度を取得し、エネルギー収支とニュートンの冷却則に基づいて平均有効熱伝達係数を推定する。
これらの検討を通じて、実験結果に基づく熱伝達係数の推定方法を整理し、将来的なステータ油滴下冷却の熱解析への適用を目指す。
お申し込み
JMAGユーザー会にまだ参加されていない方でも安心してご参加いただけるコンテンツを豊富に用意しました。ユーザー事例発表はすべて、今回限りの貴重なご講演です。オンラインでの配信はございません。
皆さまのご参加をお待ちしております。
