日本ナショナルインスツルメンツ株式会社（本社：東京都港区、代表取締役：池田亮太、以下日本NI）と株式会社JSOL（本社：東京都中央区、代表取締役社長：小名木正也、以下JSOL）は、本日、両社が協力して開発した「Motor-HILS」を日本NIより提供開始することを発表します。

本システムを利用することで、モーター開発・設計、モーター制御器開発に従事するエンジニアは、高価なモータリング設備を所有していなくても、モデルを使用したシミュレータ（SILS/HILS）を使用し、高精度な制御コントローラやパワーユニットの解析、検証を行うことが可能となります。

モデルベース開発においては、開発上流の制御設計工程で使用されるプラントモデルの精度をいかに高められるかが大きな課題となっています。特に、高トルクで高速回転するモーターを制御するコントローラを開発するには、磁気飽和や空間高調波などモーター個々の非線形特性を考慮する必要があり、従来の保存則に依存する電圧方程式、物理方程式ベースモデルだけでは精度に限界があります。

JSOLのJMAG（電磁界解析ソフトウェア）は、有限要素法（FEM）を用いたモデリングツールで、モーター個々の形状依存性や、材料の非線形性（鉄心の磁気飽和、温度依存）を考慮することが可能です。今回、JSOLが開発したJMAG-RT（*）を使用して、JMAGの詳細モデルをNIのリアルタイムシミュレータと統合することで、モデル精度と計算時間を高い次元で両立させた、低コストなMotor-HILSが実現できました。これにより、従来の電圧方程式ベースのシミュレータに比べ、より実機に近い応答が実現します。
* JMAG-RT ・・・SILS/HILSのシミュレータ用に有限要素モデルから、リアルタイム実行可能なビヘイビアモデルを生成するJMAGの機能群

【対象】

業界：　自動車、家電、重工、建設など
職種：　モーター開発・設計、モーター制御器開発に従事するエンジニア

【主な仕様】

• 高機能FPGA使用: 1μsec前後のモデル計算速度を実現
• 精度に応じて次の2種類のモーターモデルが使用可能
  • Ld/Lqモデル
  • 空間高調波モデル
• Motor-HILインタフェースボード
  • PWM:　100MHz、6Ch
  • 電流センサ3相:　40MHz、3Ch
  • レゾルバキャリア:　40MHz、1Ch
  • レゾルバ信号:　40MHz、2Ch

【販売チャネル】

本システムは、以下の日本NIアライアンスパートナーを通じて提供されます。

• 株式会社計測技研
• 株式会社マックシステムズ

【価格】

5,000,000円～

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