第1回 なぜ、高速な計算エンジンが必要なのか

強力なシミュレーションエンジン

近年、電磁機器の設計開発では多くの人がCAEツールを使っており、要求も多様化してきています。JMAGは、技術開発や機能改良などを通してユーザーの声に応えます。
このテクニカルレポートでは、JMAGの技術開発にスコープをあて、取り組んでいる内容をご紹介していきます。第1号である今回は、JMAGのシミュレーションエンジンの要である計算エンジンについて、”なぜ、高速な計算エンジンが必要なのか”を考えていきたいと思います。

計算機の発達に伴い、ここ数十年でCAEの役割は大きく変化してきました。三次元解析が一般的に行われるようになり、扱う要素数は増加し続けています(図1参照)。それに伴い、計算エンジンの高速化自体、重要な技術になりました。


図1 要素数の変遷

また、冒頭でも述べたように、CAEツールに対するユーザーのニーズが多様化してきています。あくまでもCAEツールはユーザーの解析業務をサポートするものであり、「とにかく簡単に使えるようにしてほしい」、「効率よく多くの計算をしたい」という声はよく聞きます。さらに、毎日使う人達は「もっと詳細な分析をしたい」と思っているでしょう。そのために機能開発はもちろん、高速な計算エンジンの開発も必須課題だと私たちは考えています。

より簡単に

ユーザーがCAEツールを身近に感じられるように、私たちは多くの機能を提供しています。
例えば、設計時に作成したCADモデルを解析にも利用したい場合。JMAGでは、CADシステムとの連携機能により、CADで作られた精密なモデル形状を簡単に利用することができます。ただし、複雑なモデル形状を正確にモデル化するには膨大な要素数が必要なことも認めざるを得ません。
また、メッシュ生成のノウハウを知らなくても適切なメッシュが生成できるように、自動的メッシュ機能を持っています。モデル形状を認識しながら、モデル内部はもちろんギャップなどの空間にも品質の高いメッシュを生成することができます。一方、自動メッシュでは必要最小限の要素数に抑えることが難しいため、手動でメッシュをコントロールする解析経験者がいることも事実です。

効率よく多くの計算を

「多くのパラメータを検証して、設計案の信頼性を高めたい」。多くの設計者が考えていることでしょう。JMAGはパラメトリック計算機能を用意しています。パラメトリック機能を使えば、設計案全てを自動処理することができ、効率よく多くの計算ができます。

詳細に分析を

磁束密度分布などの分布量はCAEツールだからこそ見えるものです。設計者がこのような内部の物理現象を”正確に”捉えたい、と期待するのは当然のことでしょう。JMAGは、形状の他にも材料特性や熱、構造など幅広い物理現象を表現するためのモデリング方法を提供し、ニーズに応えています。

上で述べたように、ユーザーの様々なニーズに応えるためには、要素数や計算ケース数、解析規模の増加と向き合っていかなければいけません。そのために、私たちは高速な計算エンジンを開発し続けます。

次号、この背景と取り組み内容について、具体例を通して詳細をご紹介していきます。

[JMAG Newsletter 2009年4月号より]

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