数値電磁界解析技術の展望

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岐阜大学 河瀬 順洋

概要

電磁アクテュエータは、各種の電気機器に広く用いられている。機器の特性に合わせたアクチュエータの設計において、これまでは、定常状態の吸引力あるいはトルク特性の解析的検討にとどまり、動作特性については、試作品による実験的検討しか行われていなかった。最近では、電気機器の小型化、高速化の要求から、アクチュエータの動作特性まで解析的に求め、限界まで追求した最適設計するための手法が強く望まれてきている。しかし、可動部の運動方程式までも考慮して非線形解析するのは容易でないため、今まであまり検討されていない。
我々は二次元場(1)-(5)だけでなく、一位三次元場においても,電圧が与えられた有限要素法仰を用いて励砿電流を未知数として扱い、かつ、鉄心に流れる渦電流と磁化特性の非線形を考慮した磁界解析と、電磁力で駆動される可動部の運動方程式を組み合わせて、アクチュエータの動的挙動を解析的に求める手法(7)-(12)を開発した。
本報告では、アクチユエータの過渡動作特性の数値解析法の詳細を述べる。すなわち,非線形磁界解析のために必要な基礎方程式と電圧が与えられた有限要素法について述べ、電磁力をマクスウェルの応力法を用いて解析する手法を述べるとともに、可動部が動き始めてからの運動方程式の数値計算法および有限要素分割図の自動修正法について述ペる。
最後に、本手法の二次元場での応用として、プランジャ形電磁石tりおよび回転機(5)、ならびに一位三次元場での応用として、脚形電磁石(9)およびヒンジ形電磁石(8)を解析し、実験との比較検討を行い、本手法の有用性を明らかにする。

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