JMAGとMatlab/Simulinkの達成解析

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日本精工株式会社 陳 慧

概要

ブラシレスDCモータの転流による電流変動とトルクリップルの問題はこのモータの特有な問題として注目されている。その問題を解決するため我々は現在、電磁界解析(JMAG)による磁石の着磁波形と磁気回路の解析手法、及びMatlab/Simulinkによる駆動制御系の解析手法を別々に使用する事で対応しており、統合的な解析環境はまだ無い。電磁界解析単独で、駆動回路の特性、特に、還流ダイオードの考慮と電流制御の効果の反映することは難しく、それを考慮するにはユーザ側でソフトの開発が必要になる。我々はMatlab/Simulinkを使用して駆動制御系の単独解析を行う際に、電磁界解析の結果(モータ無負荷時の逆起電圧波形とモータインピーダンス)をそータの近似モデルとして用いて、駆動回路と電流制御の解析を行っている。しかし、電機子反作用等の影響による逆起電圧の歪み等モデル化し難い部分は考慮できない。従って、モータ駆動制御系のシステムとしての評価と最適化はできないのが現状である。
本報告で紹介するJMAGとMatlab/Simulinkの連成解析によって、モータの駆動制御系のシステムの評価と最適化をこの統合的な解析環境に実現することができる。今回、時間と技術の開示の制約で簡単なブラシレスDCモータの駆動制御系の連成解析例を紹介する。JMAGで構成したモータモデルをMatalb/Simulinkで構成した駆動制御系モデル(インバータ回路、電流検出含み)に組み込み、電流制御系のパラメータ設計により転流時の電流変動とトルク変動の低減効果を示す。今後、この統合的な解析環境を新規開発の事前システム検討、又は、開発中のシステムの評価と最適化に活用するために、連成解析の条件設定のGUI化とモデルの組み込み自動化を望んでいる。

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