16 – HB型ステッピングモータの基本特性解析

アプリケーションノート・モデルデータ

概要

HB型ステッピングモータはロボットの関節や工作機械の回転テーブルなど、位置出し精度が必要な機器のアクチュエータとして使用されます。回転子は積厚方向に着磁した磁石を歯車状突極を持つ二枚のロータコアで挟み込んだ構造をしており、ステータコアのティース先端も歯車状になっています。回転分解能は回転子の歯数と駆動コイルの相数から決まるため、角度分解能を高めるため歯数は50や100などの大きな数で設計されます。ステッピングモータの重要な特性は出力ではなく制御性や無励磁状態の保持トルクであるディテントトルクや励磁状態の保持トルクであるスティフネストルクとなります。
ステッピングモータの磁気回路は二枚のロータコアの片側がN極、もう一方がS極とし、歯車状の突極を1/2ピッチずらすことで多極磁石を実現するため、固定子を介して3次元的に流れます。また、ステータ、ロータ共にギャップ部の形状が複雑なこともあり、精度良く事前検討を進めるためには、有限要素法による三次元の電磁界解析を行う必要があります。
ここでは、HB型ステッピングモータの基本特性であるディテントトルク特性とスティフネストルク特性を求めます。

ディテントトルク特性

ディテントトルク特性を図1、0.45(deg)回転時の断面における磁束密度分布を図2、0.45(deg)回転時の断面におけるギャップ部の磁束密度分布を図3に示します。
磁束密度分布より、無励磁の状態においてもロータおよびステータの各歯の磁束密度が高く飽和状態となっていることがわかります。これより、歯の先端部近傍に漏れ磁束が生じ、ディテントトルク特性に大きく影響してくると考えることができます。

スティフネストルク特性

1相励磁時のスティフネストルク特性を図4、2相励磁時のスティフネストルク特性を図5、1相励磁時の断面におけるギャップ部の磁束密度分布を図6、2相励磁時の断面におけるギャップ部の磁束密度分布を図7に示します。
ディテントトルク特性と同様に、各歯の磁束密度が高く飽和状態となっていることがわかります。この飽和により生じる漏れ磁束が、スティフネストルク特性に大きく影響してくると考えることができます。

(参考文献:河瀬順洋・山口忠・増田達哉・百目鬼英雄・小堀勝:
「三次元有限要素法によるハイブリッド形ステッピングモータのトルク特性解析」,電気学会論文誌D, Vol.123(2003), No.4)

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