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概要
コアレスモータは文字通り回転子がコイルのみで鉄心は使わない形式です。このため、回転部に鉄損を生じるコアがなく、慣性モーメントも小さい特徴があります。また、特性が線形なため制御性も高く、トルクリップルが小さいのですが、大きなトルクを出す用途には向いていません。従って、高回転、高応答性が要求される小型の精密機器用に良く用いられます。ロータはコイルのみなために成形が難しく、コイルの捻り角度により構造を実現しつつ、トルクを出すことが設計では重要となります。また、小型機器に使われるため、部品の詳細形状が性能に影響を与えるため、精密にモデル化する必要があります。
これらの評価を行うためには、コイルの捻り方を三次元で正確に考慮できる必要があり、磁気回路に生じる詳細な電磁力の分布を評価できる、有限要素法を利用した電磁界解析が必要となります。
ここでは、コアレスモータの通電時のトルク波形を評価します。
これらの評価を行うためには、コイルの捻り方を三次元で正確に考慮できる必要があり、磁気回路に生じる詳細な電磁力の分布を評価できる、有限要素法を利用した電磁界解析が必要となります。
ここでは、コアレスモータの通電時のトルク波形を評価します。
トルク波形/電流波形
トルク波形および電流波形を図1、図2に示します。図1に示すように、ロータに鉄心を用いないため滑らかな回転が得られます。また、このモータの平均トルクが0.022(mN・m)であることが分かります。本解析で得られたトルク波形にはリップルが発生していますが、これはブラシと整流子の接触状態の変化によるものであることが、図2のコイル通電波形より分かります。
電流密度分布/ローレンツ力密度分布
回転角度360(deg)におけるコイルの電流密度分布を図3、ローレンツ力密度分布を図4に示します。図3に示すように、回転角度360(deg)時には、コイル2には電流が流れず、コイル1、コイル3に電流が流れています。また、それぞれの電流の向きが反対方向であることがわかります。図4の枠内において、コイル3は回転方向の力が発生しているのに対し、コイル1は回転方向と反対向きの力が生じています。これは、各相コイルが受ける磁界の向きは同じで電流の向きだけが異なるためです。