[JAC066] インジェクタの動作時間解析

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概要

エンジンに使用されるソレノイド式インジェクタは、電磁石の磁力によりプランジャが移動することで弁が開き、燃料を噴射します。エンジン用のインジェクタは流量のばらつきを抑え燃費を向上させるなどの目的で、印加電圧に対する高い応答性が求められます。
ソレノイド式インジェクタの場合、応答性を下げる要因として、通電により発生する磁束が時間変化することによる渦電流があげられます。渦電流は磁束の変化を妨げる方向に発生しますので、通電開始時からの吸引力の立ち上がりが遅くなり、応答性が下がります。JMAGでは過渡応答解析を実施することで、渦電流の影響を考慮してインジェクタの応答性を求めることができます。渦電流が発生している箇所を特定することで、応答性を向上させるのにはどうしたらよいか、検討することができます。
ここでは、ソレノイド式インジェクタに直流電圧を印加し、渦電流の影響を考慮した上で応答特性を求めています。

応答特性

時刻に対するプランジャの応答特性を図1に示します。プランジャ移動量は開弁方向を正とし、移動量0.1(mm)で弁が全開になります。
図1より、渦電流を考慮した場合としていない場合でプランジャの応答性が異なっていることが分かります。渦電流を考慮した場合の方が応答性が下がっています。

吸引力特性

時刻に対するプランジャの吸引力特性を図2に示します。
図2より、渦電流を考慮した場合は、渦電流を考慮していない場合と比較して吸引力が低下していることが分かります。渦電流を高所した場合、吸引力の低下により、応答性が遅くなっていると言えます。

電流特性

時刻に対する電流の応答特性を図3に示します。
図3より、渦電流を考慮した場合は0.003(s)で弁が開いていることが分かります。一方、渦電流を考慮していない場合は0.0025(s)で弁が開いていることが分かります。コイルに流れる電流からも渦電流を考慮すると応答性が遅れることが確認できます。
また、渦電流を考慮した場合は渦電流を考慮していない場合と比較して、吸引力が低下しているのにコイルに流れる電流は多くなっています。

電流密度分布

通電開始時刻の1(ms)時、プランジャ移動開始時刻の2.3(ms)時、プランジャフルストローク時刻の4.2(ms)時の電流密度分布を図4に示します。プランジャの移動方向が弁の開く方向です。コイルに通電することにより、コア、ヨーク、プランジャに渦電流が発生します。通電開始時は、磁束が急激に流れるため渦電流が各部品の表面に集中しますが、電源が直流であるため、時間経過とともに渦電流は部品内部にも流れるようになります。この渦電流が応答性を下げる要因となります。

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