79 – 配向磁界を考慮した着磁解析

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概要

永久磁石を有する機器において、磁石の着磁状態は機器の特性に大きく影響します。磁石の製造過程は配向工程と着磁工程に分かれます。配向工程では、磁性粉を成形する段階で配向器を用いて磁化の成長方向を整えた後、一度消磁します。次に着磁工程では、着磁器で求められる磁化状態に着磁します。
磁石の着磁状態を厳密に評価するためには、配向過程及び着磁過程それぞれについて考慮する必要があります。したがって、成形金型や着磁器、着磁電流などの挙動を手計算で求め、着磁状態を検討するのは非常に困難になります。有限要素法を用いた磁界解析シミュレーションであれば、材料特性や装置の形状、与える電流などから配向磁界および着磁磁界を算出し、それらに基づいた磁石内部の磁化状態を用いて解析することが出来ます。
ここでは、配向過程および着磁過程を考慮した磁石の表面磁束密度分布を求めます。

配向磁界分布、着磁磁界分布

配向磁界分布を図1、着磁磁界分布を図2に示します。図1より、配向磁界分布はほぼラジアル配向となっていることが分かります。この配向方向に対し、図2に示す着磁磁界を適用することにより磁石内部の磁化状態が決まります。

磁石内部の磁化分布/ 磁石の表面磁束密度分布

図1に示した配向磁界を考慮して着磁を行った磁石Aと、理想的なラジアル配向を施して着磁を行った磁石Bの磁石内部の磁化分布を図3、磁石を空気中に置いた状態の表面から0.5(mm)の距離における磁束密度分布を図4に示します。
図3より、磁石Aの方が磁石Bに比べ磁石端部において磁化が大きいことが分かります。これは、図1に示す磁石Aの磁石端部における配向方向が磁石Bのそれに比べ、図2に示す着磁磁界分布に近いためです。図4より、極中心において磁石Aよりも磁石Bのほうが表面磁束密度が高くなっていることが分かります。これは、図1に示す磁石Aの極中心における配向方向が磁石Bのそれに比べ、図2に示す着磁磁界の方向と異なるためです。また、図3の結果から分かるように磁石端部において表面磁束密度分布が大きく異なります。
このように、磁石の着磁状態を厳密に評価するには、配向磁界及び着磁磁界を考慮する必要があります。

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