埋込磁石構造PMモータの解析事例

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ダイキン工業株式会社 山際 昭雄

概要

近年、電力使用量のピークが問題となる中で、エアコン消費電力への省エネ要求が高まっている。エアコンの省電力化には圧縮機への永久磁石モータの適用が有効である。そこで、従来の表面磁石構造PMモータ(以下、SPMモータ)に代えて、回転子内部に希土類永久磁石を埋め込む構造の採用と電流ベクトルの適切な制御を行うことにより、永久磁石により発生するトルクに加えてリラクタンストルクも効果的に利用できるようになった。さらに弱め磁束制御も実現でき、インバータの電圧を上げることなく高速運転にも対応できる利点も生じ、低速から高速まで高効率なPMモータの開発に成功し、製品の省エネ効果の改善に大きく貢献している。
本稿では埋込磁石構造PMモータ(以下、1PMモータ)を開発するにあたって最も問題となる負荷時の磁気飽和について述べるとともに、1PMモータの動作原理を磁場解析結果を用いて考察した結果を報告する。

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