[JAC107] フライバック型コンバータの電流電圧特性解析

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概要

フライバック型コンバータなどのDC-DCコンバータは、スイッチ動作により1次・2次巻線の電流をコントロールし、ダイオードとコンデンサを利用して負荷側に電力を伝送します。用途に応じて電流電圧特性を満足する必要がありますが、これらは磁気飽和や表皮効果の影響を受けます。電流電圧特性を精度よく評価するためには、表皮効果や近接効果、コアギャップからの漏れ磁束の影響を厳密に考慮することがポイントとなります。特に、高いスイッチング周波数において、スイッチ周期によって巻線内に生じる交流抵抗を抑え、損失の低いコンバータを設計するには、精確な交流抵抗の評価が必要となります。
磁気飽和や交流抵抗の精確な解析には、有限要素法を用いた磁界解析が有効です。スイッチングを行う外部回路と磁界解析を連成することで、コンバータの電流電圧特性を求めることができます。
ここでは、電圧印加時における、1次巻線、2次巻線の電流波形および各時刻でのコア磁束密度分布、巻線内電流密度分布、ジュール損失密度分布を求めています。

電流波形、磁束密度分布

定常状態における一サイクルの時間で取得した1次電流および2次電流波形を図1、そのときの各時刻における磁束密度分布を図2に示します。スイッチがONとなり1次側に電圧が印加されている間、1次電流が増加していくことが確認できます。スイッチがOFFとなる12.5(μs)で、1次側の電流が0となり、2次側に電流が流れることが確認できます。電流が流れることにより蓄積されるコアの磁気エネルギーは、図2磁束密度分布から推定できます。2次側に切り替わった、13(μs)にて、コアの磁束密度が最大をとり、徐々に放出され磁束密度が低下していくことが確認できます。

電圧特性

定常状態における一サイクルの時間で取得した1次側コイル端子電圧および負荷側電圧波形を図3に示します。スイッチがONの間、入力電圧70(V)がコイルに印加されていることが確認されます。負荷側電圧は21(V)の一定値となっており、巻線比通りに降圧されていることが確認されます。

ジュール損失密度分布

2次巻線通電時のジュール損失密度分布を図4に示します。図4より、2次巻線内のジュール損失が巻線の外側に偏っていることが確認できます。これは、巻線内の電流変化による表皮効果とコアギャップからの漏れ磁束の影響によるものと考えられます。

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