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概要
モータのトルク変動は振動や騒音の原因となるため低減が求められおり、工作機械やパワーステアリングに用いられるモータでは特に低減に対する要求が高くなります。無通電時に生じるトルク変動であるコギングトルクはギャップに生じる電磁力がロータの回転に伴って変化するために生じるので、トルク変動の低減策としては回転に伴い電磁力が変化しないように、磁石やステータのギャップ形状を工夫したり、ステータやロータにスキューを施すことが行われています。スキューを施す場合、コギングトルクの低減との引き換えにスラスト方向に力を生じたり、積層方向に鎖交する磁束による渦電流を生じるデメリットがあります。
したがって、スキューを施したモータを精度よく評価するためには、磁気回路法による検討や二次元磁界解析ではなく、詳細な三次元的な形状を考慮することが出来る、有限要素法を用いた電磁界解析シミュレーションが必要になります。
ここでは、段スキュー付きSPMモータの磁界解析を行い、各部の磁束密度分布およびコギングトルクを評価します。
したがって、スキューを施したモータを精度よく評価するためには、磁気回路法による検討や二次元磁界解析ではなく、詳細な三次元的な形状を考慮することが出来る、有限要素法を用いた電磁界解析シミュレーションが必要になります。
ここでは、段スキュー付きSPMモータの磁界解析を行い、各部の磁束密度分布およびコギングトルクを評価します。
磁束密度分布
ロータが60(deg)回転した時点の磁束密度分布を図1に、ギャップ中の磁束密度波形を周波数分析した結果を図2に示します。なお、周波数成分の上限は1440(Hz)としています。
図1より、段スキューを施すことで磁気回路が変わることがわかります。図2より、コギングトルクの基本周波数である360(Hz)の成分が全体に占める割合は、段スキューなしが13(%)、段スキューありが4(%)であり、コギングトルクの低減が予想されます。
コギングトルク波形
モデルA、モデルBにおけるコギングトルク波形を図3に示します。段スキューを施すことによって、コギングトルクのピーク値で約半分に低減していることが確認できます。