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概要
ギアは動力を伝達するために用いられます。その際にギア比に応じて速度やトルクが変換されます。従来用いられた歯車などを使った機械式のギアは、歯車の噛み合いによる騒音の発生、潤滑油を必要とするためメンテナンス性などに課題がありました。これらの課題を解決するためのギアとして磁気ギアがあります。磁気ギアは永久磁石などの磁気によってカップリングし、動力を非接触で伝達することが出来ますので、騒音やメンテナンスのコストを下げることができます。
伝達トルクの大きさを重視する場合、磁気ギアに使われる永久磁石にはエネルギー積の高い希土類焼結磁石が選択されます。しかし、希土類焼結磁石は銅などの金属ほどではありませんが高い電気伝導率を持つため、永久磁石に渦電流が生じ、磁気ギアの伝達効率を低下させる要因となります。永久磁石の渦電流はギャップの磁束密度変動で生じますが、磁気ギアはポールピースを用いるという原理上、ギャップの磁束密度分布は様々な高調波成分を含むため、渦電流を正確に見積もるためには磁界解析が有用です。
ここでは内側ロータ、外側ロータに永久磁石を用い、間にポールピースを配した磁束変調型磁気ギアの伝達トルクと伝達効率を磁界解析で求めます。また、回転速度によって伝達トルクや伝達効率がどのように影響を受けるか調べます。
伝達トルクの大きさを重視する場合、磁気ギアに使われる永久磁石にはエネルギー積の高い希土類焼結磁石が選択されます。しかし、希土類焼結磁石は銅などの金属ほどではありませんが高い電気伝導率を持つため、永久磁石に渦電流が生じ、磁気ギアの伝達効率を低下させる要因となります。永久磁石の渦電流はギャップの磁束密度変動で生じますが、磁気ギアはポールピースを用いるという原理上、ギャップの磁束密度分布は様々な高調波成分を含むため、渦電流を正確に見積もるためには磁界解析が有用です。
ここでは内側ロータ、外側ロータに永久磁石を用い、間にポールピースを配した磁束変調型磁気ギアの伝達トルクと伝達効率を磁界解析で求めます。また、回転速度によって伝達トルクや伝達効率がどのように影響を受けるか調べます。
トルク、伝達効率
内側ロータおよび外側ロータに働くトルク波形の一例として内側ロータ回転数2100(rpm)の場合の結果を図1に示します。内側ロータ、外側ロータともトルクが負になっていますが、内側ロータは回転方向としては正方向である反時計回りに強制回転させていますので、回転させるためにはトルクに相当する外力が必要であることを示しています。それに対し外側ロータは回転方向としては負方向である時計回りに回転させていますので、トルクが負ということは内側ロータを回す動力が外側ロータを回転させる動力として伝達していることを示しています。
表1に内側ロータから外側ロータへの伝達効率を示します。トルク比と同様、回転速度の増加とともに効率が低下することが分かります。
ジュール損失
磁石に発生するジュール損失(渦電流)密度分布の一例として内側ロータ回転数2100(rpm)の場合の結果を図3に示します。ただし、コンター図は内側ロータが48(deg)から90(deg)回転する間の平均値を示しています。図を見ると内側磁石では表面、外側磁石では側面側でジュール損失が高くなっていることが分かります。
磁束密度分布、磁束線
磁束密度分布、磁束線の例として、内側ロータ回転数2100(rpm)の場合の結果(最終ステップ)を図4に示します。ただし、1/1(360deg)分に拡張して表示しています。ポールピースでの磁気飽和が激しいことが分かります。