[JAC024] スキュー付きSPMモータのコギングトルク解析

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概要

スキュー付きSPMモータのコギングトルク解析
モータのトルク変動は振動や騒音の原因となるために低減が求められおり、工作機械やパワーステアリングに用いられるモータでは特に低減に対する要求が高くなります。無通電時に生じるトルク変動であるコギングトルクはギャップに生じる電磁力がロータの回転に伴って変化するために生じるので、トルク変動の低減策としては回転に伴い電磁力が変化しないように、磁石やステータのギャップ形状を工夫したり、ステータやロータにスキューを施すことが行われています。スキューを施す場合、コギングトルクの低減との引き換えにスラスト方向に力を生じたり、積層方向に鎖交する磁束による渦電流を生じるデメリットがあります。
したがって、スキューを施したモータを精度よく評価するためには、磁気回路法による検討や二次元磁界解析ではなく、詳細な三次元的な形状を考慮することが出来る、有限要素法を用いた電磁界解析シミュレーションが必要になります。
ここでは、ステータコアにスキューを施したSPMモータの磁界解析を行い、コギングトルクを評価します。

磁束密度分布

ステータコアの磁束密度分布を図1、ギャップ中の磁束密度波形を図2示します。磁束密度波形は、図1に示すような軸方向に対して一直線上にとった3点の磁束密度波形を平均化しています。図1より、スキューを施すことにより磁気回路が変わることがわかります。また、スキューを施すことで、3点の磁束密度波形の位相がずれます。そのため、図2に示すように平均化した磁束密度波形の変動が小さくなり、コギングトルクの低減が予想されます。

図1 磁束密度分布
図2 ギャップ中の磁束密度波形

コギングトルク

図3 コギングトルク波形
ステータコアのスキューなしの場合とスキューありの場合におけるコギングトルク波形を図3に示します。スキューを施すことにより、コギングトルクのピーク値で約6割低減していることが確認できます。

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