TECHNO-FRONTIER 2015

2015年5月20日(水)~22日(金)に幕張メッセで開催されます、
TECHNO-FRONTIER 2015 第33回モータ技術展に出展します。

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主な見どころ

  • JMAG損失解析勉強会(事前予約制)
  • JMAG-Designer新機能紹介
    • 最適化/多ケース解析機能
    • 材料モデルの拡充
    • 他のCAEソフトウェアの連携強化
  • 形状モデリング機能改善
  • 自動化システムへの取り組み
  • JMAG-HPC取り組み
  • 加工劣化時の電磁鋼板の磁気特性、損失特性の測定と測定データの活用法
  • モータ設計教科書とモータ設計事例
  • 技術相談会

山田の雑日記

出展にあたり
2015年4月30日
山田 隆

モータ技術展まで1ヶ月を切りました。

私の周りでも準備が急ピッチで進められています。
今年のブースでは今まで以上に、ユーザーの方々をはじめ来場者の皆さんとJMAGまたは電磁界解析について、ゆっくりとお話をさせていただきたいと思います。

私たちからは6月にリリースされる新しいバージョンについて紹介させていただきたいと思います。
皆さんは普段お困りの事やご質問などがあれば是非この機会にお持ちよりください。
サポートエンジニアや開発者がお応えします。

間近といっても世の中は連休中ですので、しばらくの間はリラックスモードで、私の周辺の準備状況を少々の無駄話を交えてお伝えしたと思います。
お付き合いください。

今年のモータ技術展は久々に幕張メッセで行われます。
私には懐かしい場所です。JMAGを初めてモータ技術展に出展したのは1994年、当時は幕張メッセでした。バブルの狂宴が終わり、今から振り替えれば、その時から日本経済は長い長い低迷期に突入したわけですが(*1)、その間、皆様のご支援でJMAGにとっては成長の時代になりました。

1994年のモータ技術展はまさにそのスタートでした。JMAGの再興を図るべく前年から開発を始めていた新しいJMAG-Works(JMAG-Studioの前の製品です。JMAG-Studioを知らない?…忘れてください)のお披露目の場でした。
エッジエレメントとICCGを搭載し1万要素を超える大規模!(*2)3次元問題を数分で解ける高速性と熱連成解析機能によって誘導加熱問題が扱えることが大きな”売り”でした。
その2つの特長とモータの解析とどう結びつくのか今もって謎ですが、意気揚々とJMAGチーム総勢2名で大阪から幕張(*3)に向かいました。

パンフレットも説明パネルもなく、小さなブースの机にワークステーション1台だけの出展でした。モータの事例もなく、あまりに怪しい出展に思わず近づいてしまった人達に、相手が誰であれ実行可能な唯一のデモストーリを使って思いのたけを滔々としゃべっていた気がします。
お付き合いいただいた方、ありがとうございました。
反省しきりですが、それでも、磁界解析に興味を持っていただけた方々は予想以上に多く、「これは行ける!」と感じたことを覚えています。

原点回帰というわけでもありませんが、今年のJMAGブースはシンプルです。広々としたスペースに机が2つ(*4)あるだけです。例年のようなプレゼンもありません。

机の上に乗せられたPCでは新バージョンをいち早く体験いただけます。
もちろん、JMAGは初めてという方にも楽しく体験いただけるストーリも準備しています。
わからないことがあれば、近くのJMAGスタッフ(背中に大きく”JMAG”と書かれています(*5))に気軽にお尋ねください。
近づいてほしくなければ、ちょっとだけ”近づくなオーラ”を出しておいてください。あたたかく見守ります。

新しいバージョンもいいけど、今困ってることがあるんだけど、という方も大歓迎です。机の上でJMAGスタッフが総力を挙げてその難問を受けて立ちます。
開発者に直接説教をしてやるからそこに直れ、という方もお待ちしております。開発者が机をまな板に見立ててお説を頂戴いたします。
その他、机の上では損失解析勉強会やモータ設計教科書のお披露目もあるみたいです。お楽しみに。

ユーザーの方はJMAG何それ?と言っている同僚の方と一緒にご来場ください。
ブースを出るときには立派なJMAGer(*6)になっていることでしょう。

2つ机では数々のドラマが繰り広げられるはずです。皆さんもそのドラマに参加してください。


  1. ちょっと調べたら1994年の株価の日経平均は1万9千円台でした。本日時点で19,670円ですからやっと戻ってきた感じです。日本経済がんばれ!
  2. その当時は実用的には数千要素が限度で、1万要素は実務的には月に行くような大きな壁でした。
  3. その頃は幕張にはホテルがあまりなく近隣の稲毛海岸に泊まりました。駅前のミスタードーナツでディナーとブレックファーストです。
  4. ただ、パンフレットもありますし、デモストーリも豊富に取り揃えていますのでご安心を。
  5. 刺青ではありません。ポロシャツまたはジャンバーです。
  6. JMAGを愛して止まない人たちの総称
お気に入り 最新機能
2015年5月1日
山田 隆

いよいよ明日からは連休のコア日程に入りますね。こんな記事読んでる場合じゃない、という方、焦ってはいけません。心に余裕を持ちましょう。

今日は、新しいバージョンについて、少しだけお話をさせてください。

新バージョンJMAG-Designer Ver.14.1、私も使ってみました(当たり前です)。開発項目は膨大なリクエストリストから厳選されているので、いずれも重要なのですが、私も人の子、お気に入りはあります。
その中からいくつか紹介させてください。

まず、新しい最適化。これは素晴らしい。機能も使い勝手も格段に向上しています。

機能的には従来のものがパラメータの最終的な追い込みを目的としており、大域的な最適化には対応していなかったのに対し新バージョンはアルゴリズムとしてGAを導入し、大域的な最適化が可能になっています。

そして使い勝手。
これはもう本当に簡単の一言。最適化と聞くと設計変数や自動化の設定が面倒との印象をお持ちの方がいるかもしれませんが、そういう方にこそ、今回の最適化機能を触っていただきたいと思います。

これまでにJMAGのパラメトリック解析を使ったことのある人であれば、それ以上に覚えることはあまりありません。最適化のタイプを選んで、実行ボタンをポチッと押せば、最適化が始まります。しばらく待つとJMAGが設計空間をあちらこちら探索して最適解を探してきてくれます。

確かに計算量は多いのであっという間ということはありませんが、大域的に試行錯誤を繰り返しているので得られた結果に安心感があります。

今まで、1つのモデルを計算するのと同じ感覚で1つの最適化問題を実行することができます。ここは言葉では十分にお伝えするのは難しいので、ぜひ、ブースにお越しいただき、その感覚を味わっていただきたいと思います。

シミュレーションを使った自動最適化は設計者から考える機会を奪うので導入に慎重にならざるを得ない、という声も聞きます。確かにそういう面もあり、それについては教育を含めたソフト面の充実を図ることは必要だと思います。

一方で私は、自動最適化が必ずしも考える機会を奪うものでもないと思います。なぜ、そのケースが最適なのか、または最適ではないのかが検討できれば創造性を大きく養うことになると思います。

JMAGでは従来の解析ワークフローに最適化がシームレスに組み込まれているため、最適化の結果を見ながら各設計試行ポイントの電磁界分布などに簡単にアクセスでき、比較分析することができます。

正直なところ、私も自動最適化には少々疑問を持っていたのですが、ここまで緊密に解析と連携され簡単に実施できることを身を以て体験すると認識を改めざるを得ません。

最適化のエンジンとしてJMAGが提供するGAの他に、MATLABの最適化ツールボックスを利用することもできます。また、インターフェースは公開しますのでご自身の最適化エンジンがあればそれをJMAGに組み込むことも可能です。

最適化は私たちにとって経験の浅い分野です。皆さんの声を聞きながら学んで行きたいと思います。
ブースで新しい最適化機能に触れ、その感想と共に皆さんが考える最適化についてお聞かせください。

もう一つの私のお気に入りは形状エディタの改善です。こちらはかなり地味です。
細かい改善をいくつか行いましたが、地味な中でも派手目系なのがツールバー上のボタンの整理でしょうか。

今までコマンドが作られる度にボタンを追加し、2行が3行に、3行が4行にと、いつか画面の全てを埋め尽くすのではないかと思われていたボタンたち。それは極端としても、確かに、トランプの神経衰弱になりかけていました。ユーザー会でいただいたフィードバックでもかなりのポイントを稼いでいた改善点でした。今回の改良では、実施中の操作に必要なボタンだけを表示するようにして、その数を大きく削減しました。

その他、右クリックメニューや各種パネルのメニュー構成を整理し、使用ルールに一貫性を持たせるなど細かい使い勝手をいくつか改善しています。

これも言葉で伝えるのは難しいので、ぜひとも会場で体験してください。
まだまだ直さなくてならないところは多いと思いますし、直すのならこうして欲しかったなど、皆さんの生の声を聞かせていただければ幸いです。

新しいJMAG-Designer Ver.14.1。
私のお気に入りはもう少しあって、新機能はもっとあるのですが、与えられたスペースを超過してしまいました。最適化で語り過ぎました。もっと言いたかったんですが、それはまたどこかで。
皆さんもお休みの準備をしないといけませんしね。

楽しい連休をお過ごしください。

ヨーロッパの展示会
2015年5月5日
山田 隆

連休真っ只中で恐らく誰もこのコラムをリアルタイムで読むことはないだろうと思いつつ、それでも、誰か一人くらいこのページに迷い混んでしまう可能性にかけて筆をとりました。書いている私も健気ですが、読んでいるあなたも素晴らしい!あなたが日本を支えているんです。誰かご褒美を・・・!

さてさて、皆さんは連休をいかがお過ごしでしょうか?
誰も聞かないので自分から言いますが、私は長野に帰省しております。今年の長野はいつになく賑わっています。長野と言えば善光寺、その善光寺の7年に1回の御開帳が開かれているんです。私も行って参りました。ただ、その話をするためにこのタイミングでコラムを更新しているわけではありません。皆さんに今お届けしたいことがあります。

日本はゴールデンウィークですが、当然、それは日本だけの話です。ドイツ・ベルリンではTECHNO-FRONTIER展(以下TF展)に勝るとも劣らない規模の展示会、Coil Winding, Insulations & Electrical Manufacturing Exhibition((以下CW展)が5月5日~7日の日程で開催されています。そして、そこに我らがJMAGが出展しています。

実はCW展への出展も今年でもう9回目。
最初の頃は、立ち寄る人も多くなく、まさにアウェイ感一杯で寂しい思いをしていましたが、最近では”使っているよ”とか”話には聞いているよ”とか言いながら我が物顔で土足で踏み込んで来ていただける方も増え、ホームになりつつあります。
実際、ヨーロッパでのJMAGの知名度はここ数年で大幅に向上しています。これも日本での実績に支えられてのことと皆様の日々のご愛顧に感謝いたします。

現在のようにグローバル化が進んだ、特に技術の世界では、地域毎の差というのはほとんどないのですが、敢えて私見を述べれば、シミュレーションへの取り組み方として、ヨーロッパの方が原理的、日本の方が実際的であるような気がします。もちろん、同じ地域内でも会社によって差が大きいので一括りでまとめるのは適当ではないとは思いますが、敢えて、まとめればそのような印象になります。それの優劣、結果への影響などについては何もコメントできませんが、違いは感じます。文化背景が異なるわけですから当然と言えば当然ですが。この辺りについても、いつかどこかでお話ができればと思います。

さて、日本からはブースデザインと出展プロデュースを担当している古林さんが現地で最後の仕上げとアテンドをしています。古林特派員も今年で7回目のアテンドとなり、目をつぶっても成田からベルリンの会場まで行けるほどになっているとのこと。また、定宿から会場へ途上に、本人が世界最高と絶賛するケバブ屋を発見しそこに通い詰めているとのこと。
では早速、そんな古林特派員に現地の様子を伝えてもらいましょう。(”やま”:山田、”ふる”:古林)

やま:今年もCW展のスタートはどうでしょうか?

ふる:昨晩ベルリン市内の鉄道ストライキがあるとニュースがはいったため、午前中の集客に不安がありましたが、順調な滑り出しです。でも、アメリカと比べると欧州の朝はおそく、9:00開始ですが、10:00くらいから来場者が増えます。

やま:そちらはにぎわってますか?

ふる:午前中に限っていえばTF展と同じくらいですよ。

やま:ドイツ・ベルリンでの開催ですが、来場者はほとんどドイツからですか?それともヨーロッパ全域からでしょうか?

ふる:ドイツから6割 残りは、スペインや北欧などドイツ以外の欧州、少しだけ中近東からです。2年前くらいまではインドからの往訪も多かったのですが、CW展が多くの国で開催されるようになってからは、欧州メインです。

やま:JMAGはどのようなブースでしょうか?

ふる:昨年に引き続き、幅3m×高さ4mの壁4枚によるJMAGの塔をたてます。
大型ディスプレイを使ったプレゼンテーションもなく、ただただ、壁をみながら話しをするスタイルです。JMAGスタッフは、美術館の学芸員のごとく、壁1枚1枚をまわりながら説明をします。

鋼板が幾重にも重なった3次元の損失計算結果をみて、どうやって計算したのかと聞かれたりもしました。
JMAGスタッフが一所懸命計算してくれた甲斐あって、目をひく解析事例を大きなキャンバスに描けたことがこの賑わいの勝因ともいえます。

やま:JMAGブースへの関心はどうでしょう?

ふる:CW展は実物展示が多い展示会です。まわりのブースもショーケースに並べたり、どうやって運び込んだのかわからないくらい大きなトランスを飾ったりしています。その中で、壁だけがどん とたっているのは違和感を感じるのでしょう。シミュレーションソフトウェアには興味のない方々も一度は立ち止まってくれます。

やま:そちらでのJMAGの知名度は?

ふる:当初に比べて、JMAGをきちんと発音できる人が格段に増えました。(ジーマグと呼ばれていましたが、今では、ジェイマグと呼んでくれます)
電磁界シミュレーションをされている方は、かなりの割合で、JMAGのことをご存じです。聞くとソフトウェア選定で一度は名前があがるようになってきているようです。これは今日一番のうれしいニュースでした。まだまだ2Dが主流ですが、3Dへ移行を検討されている方が増え、そこでJMAGの名前があがっているようですよ。

やま:そちらでの技術キーワード(興味)は?

ふる:トランスでは、漂遊損が圧倒的です。モータでは、熱解析について質問が多いように感じます。そして、欧州ならではなのか、最適化がついているのか、結構な割合で質問がありました。もちろんYesです。

やま:会場全体を見てまわりましたか?何か面白い出展ありましたか?

ふる:以前に比べておとなしくなりました。少し前まではペイント技術を誇るために、ほぼ裸の女性にペイントするなど驚きの展示をする企業もいましたが、そういったものは皆無です。欧米企業のブースでは、大型ディスプレイを設置する企業も減り、ひたすら、食事をしながら会話をするスタイルに絞られてきました。

やま:日本の展示会との違いはなんですか?

ふる:先にも書きましたとおり、とにかくブース内でレストランを設けるところが圧倒的に多いことです。商談を目的としている展示会ならではです。
そのためか、技術者のアテンドが少なく、セールスが圧倒的に多いです。

やま:おいしいものは食べましたか?やはり、ケバブですか?

ふる:残念ながらお気に入りのケバブ屋さんは、改装工事によりクローズとなってしまいました。
いろいろなドイツ料理を食べましたが、トルコ料理のケバブを除けば、ここでは丸いパンに細長い焼きソーセージが一番おいしく感じます。

やま:日本の皆さんに一言。

ふる:欧州の特徴からかJMAGブースに限らず、とにかくどこも会話を楽しんでます。話すことで理解を深めようとする方がとても多いです。今年、TF展でも会話を楽しむことをチャレンジします。ぜひ、TF展にお越しの際はJMAGブースに立ち寄ってください。欧州仕込みの会話テクニック?ご披露させていただきます。(笑)

やま:古林さん、ありがとうございました。残りの日程頑張ってください。私は連休をしっかり楽しみます。

ふる:はい。欧州のJMAGサポートエンジニアのディディエが、ランチに行かないワタクシを食べないで待ってくれてます。まずは、昼食をきちんととって、午後に備えます!(既に15:00)

以上、ベルリンの古林特派員からでした。

古林さんは6日に現地を発って7日にはTFの準備に復帰するとのこと。ご苦労様です。実は5月はJMAGにとって大忙しの1か月なのです。このドイツのイベントにつづいて、インドでのセミナー、その次の週には韓国のセミナー、そして、その翌週は米国、そしてそして5月末は再びドイツに戻ってユーザー会です。

おっと、飛ばしましたが、5月20~22日はもちろん日本の幕張でTF展です。世界中の空気を吸ってきたJMAGのメンバーが皆さんをお迎えします。
追記:

古林のスーツケースの中身
ちょっと重たい。。。

ストで最寄駅がつかえないため
帰りはタクシー待ちが建物の内側まで

欧州のJMAGスタッフ (Powersys)と古林
Inside JMAG-Express(最終回)
2015年5月7日
山田 隆
カレンダーの上では連休も終わり、今日からお仕事という人も多いと思います。はい、私もオフィスに戻ってまいりました。今朝の東京晴海の天気はお休み中とは変わり、曇天で少し雨がぱらついていますが、仕事を再始動するにあたり思考を巡らせるには良い天気かもしれません。

TF展では、JMAGはモータ技術展というエリアに出展します。ということで、今日はJMAGのモータ設計ツールJMAG-Expressに触れたいと思います。

JMAG-Expressの自慢はその簡便さです。その簡便さを支えている重要な特性の1つが高速性です。お使いいただいた方ならご存知だと思いますが、評価ボタンをおしてから特性カーブを得るまでの時間は通常のPCなら1秒以内です。非常に高速ですが、内部の処理は、実は通常のJMAGによるFEMと変わりません。

形状と条件を定義した後、ボタンを押す度に、メッシュを切ってソルバーによる計算、その後、基本量の抽出と特性計算を行います。要素数などは抑えていますが、特性計算をするには十分な分割になっています。実際、20年程前は通常のFEAでも、かなり少ない要素数でモータの解析をしており、それを実務に利用していましたので、それと比べても遜色はありません。

一般的にモータの特性を高速に得るためには、磁気回路法が用いられるます。バークヨークの磁気抵抗はこれ、ティースはこれ、と部品ごとに磁気抵抗を割り当てた磁気回路網をつくり、コイルや磁石を起磁力として磁束量を計算します。これは非常に賢い方法なのですが、精度を上げるためには部品を細かく分割して、それぞれに磁気抵抗を割り当てなくてはいけません。これも大変ですが、一番実用上困るのは、分割を細かくしたり、モータのトポロジーが変わった時には磁気回路網を都度手で変更しなくてはならないことです。

一方、お気づきの方もいると思いますが、磁気抵抗の数を増やしていくと、そのモデルの姿はまるでFEAのモデルのようになっていきます。逆に言えば、FEAのメッシュを粗くしていくと磁気回路法のモデルに似てきます。メッシュが粗いのはけしからん、という人もいて、確かにFEA的にはけしからんのですが、磁界回路法としてみれば上出来で、多くの場合、過剰です。さらにFEMメリットは、メッシュが自動に切れれば、形状・トポロジーによらず、モデルが完成することです。人に手間は一切煩わせません。

後は、通常、最低でも数分かかる処理を1秒以内におしこめることです。これにはPCにも頑張ってもらっていますが、私たちも頑張っていろいろと工夫をしています。

特性を得るためには電流振幅や位相を変えた複数の計算が必要になりますが、これはマルチコアを使った分散処理をしています。また、プログラムモジュール間のデータ転送時間も最小化するように新しい技術を使っています。これらによってボタンを押してから1秒後に特性グラフを描かせることを実現しています。

DXF読み込み最近の改良では、パラメトリック計算機能やグラフ・テーブルのカスタマイズ機能などが追加されています。
次のバージョンではDXFファイルの読み込みが大幅に強化されて、CADで描いたモータ形状をDXF形式で書き出し、それをJMAG-Expressで読めこめば、かなり少ない手間でモータ特性が評価できるようになります。これはイチオシだと、担当者が横で騒いでいます。

そういえば、JMAG-Expressを使ったモータ設計教科書も準備中です。現在、いくつかのメーカの教育担当の方々にレビューをお願いしていますが、改善すべき点も多々ある一方で、お褒めの言葉もいただいています。今回TF展でお披露目をしたいと思います。皆さんのご批判をお待ちしております。

TF展のJMAGブースで新しいJMAG-Expressを見て触ってください。

さて、TF展の当日、会場で皆さんを直接お迎えするメンバーによる準備日記が今日から始まるようです。是非そちらをご覧ください。前座を務めさせていただいた私のコラムはこれでおしまいです。近いうちに、次世代のセミナーに向けて損失解析について何か発信したいと考えています。その時はまたよろしくお願いいたします。

当日は私たちJMAGスタッフが皆様をお出迎えします。

準備日記

開催概要

会期 2015年5月20日(水)~22日(金)
会場 幕張メッセ
ブース モータ技術展:7C-211
主催 一般社団法人 日本能率協会
参加費 無料(事前登録者、招待状持参者の場合)
お申し込みは下記オフィシャルサイトから。
URL https://jma-tf.com/real/ 

展示内容

今年のJMAGブースを紹介します。

横6m×縦3mの壁一面に新聞記事調で機能の情報を盛り込んで紹介します。
JMAG-Designer、JMAG-Expressをお試しいただけるコーナーを用意しました。
実際に操作して新機能の良さを体感してください。
加えて、JMAGの取り組みと題し、ユーザビリティ向上のための機能改善やR&Dの活動内容を紹介します。
また、個別に技術相談もお受けします。

皆様に一つでも多くの最新情報を持ち帰っていただけるよう、新機能だけでなく既存機能の情報も用意して
お待ちしております。
お気軽にJMAGブースにお立ち寄りください。

■ JMAG損失解析勉強会(要事前予約)
JMAGブースにて、モータ向け鉄損計算オプションの使い分けをテーマにした
JMAG損失解析勉強会を開催します。JMAGではこれまでの鉄損評価手法に加えて新しい評価手法を導入しています。
目的ごとに適した鉄損計算オプションの使い分けについて解説します。ご興味のある方は、事務局までお問い合わせください。
定員に達し次第、お申込みを締め切らせていただきます。

日程 第1回:5月20日(水)10:30-11:00
第2回:5月22日(金)16:30-17:00
会場 JMAGブース:7C-211
定員 各回5名
対象者 JMAG正規ユーザー様(JMAGをご契約中のお客様)

JMAG-Designerの新機能 | JMAGの取り組み紹介 | モータ設計ツール JMAG-Express | 技術相談会

JMAG-Designerの新機能

2015年6月にJMAG-Designer Ver.14.1をリリースいたします。
ここTECHNO-FRONTIER モータ技術展のブースが、最も早く新機能の情報を入手できる場所になります。

当日は以下のような機能を記事やデモンストレーションを通じて紹介します。

  • 最適化/多ケース解析の強化
    分散処理実行機能を改善し、LSFやPBSなどの汎用システムとの連携し易さ向上、効率化を行いました。
    多峰性を有する最適化問題に適用可能な最適化エンジンを実装、かつMATLAB/Simulinkの最適化エンジンの
    利用を可能にし、実用性を向上させました。
  • 材料モデルの拡充
    電磁鋼板の加工劣化やコイルの磁性被膜など、材料が損失に与える影響を考慮するモデルを追加しました。
    加えて、材料インポートの対応フォーマット拡張、データ追加により材料モデルを充実させています。
  • 他のCAEソフトウェアとの連携強化
    出力時のオプションを充実させ、汎用性を向上させました。
    例えば、電磁力分布の回転座標系での出力、節点力の中間節点へのマッピングのON/OFF機能など、
    新しい機能を追加しています。

JMAGの取り組み紹介

JMAGは新機能開発と同時にユーザビリティの向上にも取り組んでおります。
その取り組みの一つである形状モデリングの機能改善について紹介します。

自動化システム構築に向けたスクリプト、解析テンプレート活用方法について紹介します。
基本的な使い方を学ぶことで、業務効率を格段に改善することが可能です。

JMAG-HPC(High Performance Computing)の取り組みについても紹介します。
多ケースを分散処理で効率的に計算し設計空間を可視化する機能、および大規模モデルを高並列処理したときのスケーラビリティについて最新の情報とともにお知らせします。

また、普段はあまり目に触れることのないJMAGのR&D活動の一端を紹介します。
ここでは加工劣化時の電磁鋼板の磁気特性、損失特性の測定と、その測定データを利用するための解析手法、
解析事例を見ることができます。

モータ設計ツール JMAG-Express

モータ設計ツールJMAG-Expressを利用した設計事例を紹介します。
昨年のJMAGブースで閲覧していただいた、モータ設計教科書を書籍にいたしました。
読者モニターを募集しております。手に取って見ていただければ幸いです。

技術相談会

JMAGに関する技術相談コーナーを用意します。
技術課題や機能の使い方に関する質問を持ってお越しください。
JMAGのエンジニアがお待ちしております。

キーワード

  • モータ特性評価・最適化
  • アクチュエータ設計
  • インバーター設計
  • 制御システム設計
  • 材料評価・最適利用
  • センサー評価
  • 熱設計
  • 振動・騒音低減化
  • 磁気ヘッド設計
  • 電磁気デバイス開発 他

開催レポート

今年のTECHNO-FRONTIERは、爽やかな潮風が心地よい季節に幕張メッセで開催されました。
JMAGブースでは、6月にリリースしたJMAG-Designer Ver.14.1、モータ設計ツールJMAG-Expressと、JSOLがリードするモータシミュレーション技術を紹介しました。ブースの壁一面をつかった壁画コーナーでは、最適化や分散処理、高並列やマルチフィジックスなどの解析事例を紹介しました。Ipadでじっくりと記事を熟読している方も見かけることができました。
今年はプレゼンテーションブースがなく、開催前は皆様に足を運んでもらえるかどきどきしていました。始まってみると来場者の皆様とJMAGエンジニアがゆっくりくつろいで技術相談をしている場面を多々見ることができ、胸をなでおろしています。
来年もパワーアップした企画で皆様にJMAGをお届けいたしますので、ぜひブースに来場ください。

お問い合わせ

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※記載の商品名等は、各社の商標または登録商標です。

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