TECHNO-FRONTIER 2016

2016年4月20日(水)~22日(金)に幕張メッセで開催されます、
TECHNO-FRONTIER 2016 第34回モータ技術展に出展します。

モータをはじめ電気機器のシミュレーションにご興味のある方は是非お立ち寄りください。
来る6月にリリースされる新バージョンJMAG-Designer v15.1 を中心に、話題の解析技術、新たに加えられた解析事例を紹介します。
技術相談も行っておりますのでJMAGはもちろんのこと、電気機器のシミュレーションに関する課題をお持ちの方はお気軽にお立ち寄りください。
JMAGのサポートエンジニア、開発者が皆様のお越しをお待ちしています。

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主な展示

開催概要

会期 2016年4月20日(水)~22日(金) 10:00~17:00
会場 幕張メッセ
ブース モータ技術展:8C-212
主催 一般社団法人 日本能率協会
参加費 無料(事前登録者、招待状持参者の場合)
URL https://www.jma.or.jp/tf/

展示内容

JMAGブースでの展示内容を紹介します。
多ケース、最適化、大規模、材料/損失、マルチフィジックスからモータ設計ツールまでJMAGの技術を紹介します。

超多ケース計算

信頼性の高い設計を行うためには、製造誤差などにより、特性が大きく劣化しないかなどの検討が必要になります。JMAGのパラメトリック機能とオートメーション機能を用いれば、設計パラメータだけでなく誤差因子を含めた広範な設計空間における特性を詳細に調べることができます。
そこで求められる超多ケース計算のためのJMAGの新しい機能、より高速に処理するためのクラウドやクラスタシステムへの対応状況、事例などについて紹介します。
また、超多ケース計算のライセンスコストを大きく圧縮できる新しい”パワーシミュレーションライセンス”についてもお知らせします。

最適化計算

限界設計のためには既存設計から離れて全く新しいアプローチを試すことも有効です。そのパラダイムシフトのために最新の最適化理論に基づく設計探索は強力なツールになりつつあります。
JMAGでは、モータ設計で必要とされる、磁気、電気、熱、強度、振動など多くの要件、トレードオフを考慮した最適化が可能です。
JMAGの新しい最適化機能と事例をご覧ください。

大規模計算

“詳細なモデルを速く解きたい、早く結果を出さなくてはいけない”、この要求が衰えることはありません。
その要求に応えるために私たちは高速ソルバーの開発を強力に進めています。そして、今回、新しい高並列(MPP)ソルバーをリリースします。
新しいMPPソルバーは高いスケーラビリティによって最新のHPCシステムの能力を最大限に引き出し、1000万要素レベルのモデルも実務時間内で解析することができます。もちろん、今日使われることの多い100万要素レベルの問題でも高いスケーラビリティを示します。
JMAGの新しいMPPソルバー、そして、高速処理技術について説明します。

材料 / 損失モデリング

重要ではあるがなかなか手が届かない課題として常にあげられる加工による影響。
いつの間にか解析と実測の差の説明手段(スケープゴート?)になっていたりします。
この課題を解決すべく、加工歪の影響を考慮した解析機能を開発しました。
加工による劣化特性は一般的な単板試験から同定します。
ツールも劣化領域の定義や特性の割り当ても簡単にできるようになっています。
JMAGの高精度材料モデリング技術について説明します。

マルチフィジックス

電気機器のマルチフィジックス解析ならJMAGです。
解析機能の豊富さだけでなく幅広い利用形態に対応します。JMAGだけのマルチフィジックス解析はもちろんのこと、サードパーティ製品ユーザーとの協調解析作業も可能です。
今回、Abaqus、STAR-CCM+、NASTRANとのダイレクトインターフェースを強化しました。新しい事例を解析手順とともにデモを交えて紹介します。

モータ設計ツール

世の中にはモータ設計の教科書は多く存在し、またJMAGやJMAG-Expressのようにモータの解析ツールもあります。
しかし、その間をつなぐものがなかなかありません。つまり設計の教科書に書いている手順をツールを使って実際にやってみるというものです。 そのために「モータ設計初心者のための永久磁石同期モータ設計入門」という本をつくりました。
そして今回、販売を開始する運びとなりました。教科書の副読本として使うのも良し、ツールから入った人は頭の整理に使うのもよし、是非会場で一度手に取ってご覧ください。
そして、JMAG-Expressに新たに巻線界磁型同期発電機のテンプレートが追加されました。JMAG-Designerに送ることで即座に解析を行うことが可能です。

技術相談

会場では経験豊富な技術者がアテンドしています。
JMAGの導入方法はもちろんのこと、業務における解析の課題などもぜひお聞かせください。

JMAG-Designer Ver.15.1リリース

2016年6月にJMAG-Designer Ver.15.1をリリースします。
最新バージョンでは高並列ソルバー(MPPソルバー)のスケーラビリティ向上から詳細な素線モデル自動生成機能まで数多くの機能追加、改良を行いました。

JMAGブースではどこよりも早く最新機能を試していただけます。

準備日記

マルチフィジックス解析による多目的最適化[ 2016-04-18(月)]
設計の現場で検討しなければならない問題は、熱設計や機械強度設計など、時に複数の物理現象に及びます。IPMモータ設計においてはフラックスバリアによって機械強度が低下するため、ブリッジ部の強度が制約条件のひとつとなります。
平均トルク最大化と磁石体積最小化を評価関数とした多目的最適化に最大回転数におけるブリッジ部の応力を制約条件として加えて、パレート最適解を求めました。磁界解析で求めたトルクと構造解析で求めた応力を同時に評価しています。

図1 パレート最適解上の設計案と応力分布
左のグレーの図に、多目的最適化の設計変数として使用した磁石とフラックスバリアを構成する形状情報を示す。
右側3つのコンター図には、各設計案に対し最大回転数5500rpmを与えた際のミーゼス応力分布を示した。右上がトルク最大時の設計案、左下が磁石最小時の設計案、中央がこれらの中間の設計案である。

図2 応力考慮によるパレート最適解の変化
平均トルクと磁石体積を評価関数としたパレート最適解を黒破線、応力を制約条件として追加したパレート最適解を赤破線で示した。

(近藤 隆史)
多目的最適化によるモータ設計事例[ 2016-04-14(木)]
電機機器設計では、多くの要件やトレードオフを検討する必要があります。トレードオフの分析にパレート最適解を用いたIPMモータ設計事例を紹介します。
平均トルクの最大化と磁石体積の最小化の間にはトレードオフの関係があります。大きなトルクを生むためには磁石を大きくすることが解のひとつですが、一方で希土類磁石に代表される高出力磁石は高価なため体積最小化が求められます。
パレート最適解を得るために遺伝的アルゴリズム(GA)による多目的最適化を使用して、平均トルク最大化と磁石体積最小化を評価しました。図1の赤い点をつないだ曲線がパレート最適解となります。図2に初期形状とパレート最適解から代表的な3ケースを示します。

図1 パレート最適解によるトレードオフの評価

図2 パレート最適解によるモータ設計事例

(近藤 隆史)
打ち抜きによる加工劣化の影響を考慮した損失解析事例(解析)[ 2016-04-08(金)]
単板試験から同定された磁化特性・鉄損特性の劣化特性の関数を解析モデルに適用します。
有限要素のモデルでは劣化領域を複数の層に分割し、切断面からの距離に応じて劣化特性を適用します。
そう書いてしまうと非常に手間のかかる作業に見えますが、これらの作業はソフトウェアが自動で行います。
劣化した場合とそうでない場合の状態を比較することが可能になります。
当日、会場では損失解析や材料モデリングについてご紹介したいと思います。

劣化領域を複数層分割した解析モデル

加工歪を考慮した場合と未考慮のヒステリシス損失密度分布
切断面にそって損失密度が増加していることがわかる

(佐野 広征)
打ち抜きによる加工劣化の影響を考慮した損失解析事例(材料測定)[ 2016-04-06(水)]
打ち抜きなどによる加工歪が鉄損増加につながることはよく知られておりますが、いまだ確立したアプローチがないのが現状です。
打ち抜きのシミューレーションを行い詳細な歪分布を考慮する方法もありますが、ここでは一般的な材料測定から劣化特性を同定する方法を検討しています。
この方法では劣化特性を切断面からの距離の関数で表現します。
非劣化の状態、切断幅を変えた単板試験を行い、関数のパラメータの同定を行います。
グラフから切断面に近づくにつれ比透磁率が低くなっていることが分かります。
一般的な単板試験で劣化特性を同定するのがこの方法のポイントです。当日、会場で詳しくご説明します。

(佐野 広征)
3次元モデルを用いた効率マップの計算[ 2016-04-01(金)]
モータが小型・薄型化されることにより、磁気飽和による軸方向漏れ磁束の影響が大きくなるため、3次元的な振る舞いを表現できるモデルが必要になります。
先の例と同様に、2,500点ほどの動作点において3次元モデルを用いて効率計算を行った例を以下に示します。

2次元モデルを用いた効率マップ

3次元モデルを用いた効率マップ

AWS(Amazon Web Services)のクラウド上で複数ジョブを同時に実行することでおよそ2日間程度で効率マップを計算することができました。
両者を見比べると分かりますが、最大トルクラインは変わらないものの弱め界磁制御時のトルクラインには両者で差が起きます。磁気飽和により3次元的に磁束が流れだし磁気飽和が緩和されているためです。効率だけでなく、各種損失、各動作点における電流、インダクタンスの値などの詳細は当日ブースでご覧いただけます。

(鈴木 雄作)
高精度な効率マップの高速計算[ 2016-03-30(水)]
ジョブを分散実行することで効率マップを高速に計算することが可能です。
2次元の有限要素モデルをベースに2,500点ほどの動作点における効率マップを計算した例を示します。

N-Tカーブの外形ラインでは、インダクタンスの非線形性、電圧制限、電流制限を考慮したベクトル制御を行っています。この効率マップは、7ジョブを同時に実行し、およそ2時間程度で計算することができました。
HPCなどクラスタ環境の利用を含めた多ケース計算の取り組みについてもブースで紹介します。次回は同計算を3次元有限要素モデルで行った例について紹介します。

(鈴木 雄作)
モータ設計書籍 『永久磁石同期モータ設計入門』の中身を紹介します[ 2016-03-24(木)]
さて、今回は書籍の中身を少しだけ紹介します。
その前に、本書の位置づけを説明させてください。
本書は入門書として、モータ設計初心者向けにかみ砕いた表現で執筆しました。
定義や式、理論を理解せずとも、まずは設計手順に沿ってモータを作成することで、設計イメージを掴むことを目的としています。 そのため、詳細な解説についてはモータ設計の教科書等を参照していただきます。 私たちの本が、初心者と著名なモータ設計教科書の間をつなぐ副読本としての役割を果たします。下記に本書の一部を紹介します。

手計算、JMAG-Express Public、パーミアンス法を用いて、モータ設計を理解できます。
さらに、解説編の説明と合わせることで、必要な知識を学べます。
お好みによって、解説編で理論を学んだあと、設計手順編でモータ設計を実践していただけます。モータ設計を学ぶきっかけとして、さらにはモータ設計初心者の育成現場において、本書をご利用ください。

(中村 真理)
モータ設計書籍 『永久磁石同期モータ設計入門』をリリースします[ 2016-03-18(金)]
昨年のテクノフロンティア展で初めて製本され書籍らしくお目見えした本書が、テクノフロンティア展初日より公式に発売を開始いたします。
一般発売に先立って、法人向けの販売からのスタートとなりますが、手に取って本の中身を確認できるのは、テクノフロンティア展だけです。これからモータ設計に携わる方やモータ設計の周辺にいる方を対象とし、本書がモータ設計の入り口となるようにモータ設計の手順や磁気回路設計のポイントをわかりやすく解説しています。
初めてでも、手計算で初期設計案を作成することができます。
本書は、設計手順を学ぶ設計手順編とモータ設計に必要な知識を示す解説編の2部構成です。
今回は本書の目次を紹介します。
I. 設計手順編
第1章 はじめに
第2章 設計要件の確認
第3章 初期検討
第4章 材料の検討
第5章 形状の検討
第6章 駆動条件、巻数の検討
第7章 検討まとめ
第8章 パーミアンス法による検討
II. 解説編
第1章 はじめに
第2章 PMSMの基本
第3章 体格の決め方
第4章 材料の選択
第5章 トルクを増加するためには
第6章 損失の低減
第7章 高出力化の実現
参考文献
次回は、少しだけ本書の中身を紹介します。

(中村 真理)

開催レポート

今年のTECHNO-FRONTIER2016は、葉桜が海風に揺れる季節に幕張メッセで開催されました。
JMAGブースではリリース前のJMAG-Designer Ver.15.1やモータ設計ツールJMAG-ExpressなどJSOLがリードするモータシミュレーション技術を紹介しました。
JMAGブースの特徴は、ブースの壁一面をつかった壁画コーナーです。ここでは大量の多ケース計算や最適化計算、大規模モデル計算やマルチフィジックスなどの解析事例を紹介しました。
販売を開始したばかりのモータ設計書籍は多くの方に興味を示して頂き、見本を手に取りじっくりと読んでいる場面をよく見かけました。
JMAGエンジニアとお客様がゆったりと技術についての話ができるとのお声をいただいたJMAGブース、来年もパワーアップした企画で皆様にJMAGをお届けいたしますので、ぜひブースに来場ください。

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