電気機器設計のためのマルチフィジックス 構造、流体、電磁界連携ソリューションセミナー

開催趣旨Q&A概要お申し込みプログラム準備日記

開催趣旨

機器の小型化・高出力化に伴い磁気・熱・構造設計のトレードオフの中で最適設計を行うことが必須となっています。限られた期間の中で効率的に設計を行うためにはマルチフィジックスシミュレーションが必要です。
マルチフィジックスシミュレーションをどのように行うか、意見は様々ありますが各分野の専門ツールを使うことは重要だと思います。しかし、シミュレーションの分野が異なれば、ユーザーも異なり、ベンダも異なり、解析技術も異なります。極端に言えば文化が異なります。ツール間のギャップだけでなく、コミュニケーションのギャップもあります。この課題に対してこの度、各分野でトップを走るCAEソフトウェアを連携した、マルチフィジックスソリューションセミナーを開催いたします。

皆様のご応募お待ちしております。

Q&A

1. なぜ、わざわざ3社共同でセミナーを行うんですか?
多くの方からこのような質問をいただきました。確かにツールの説明は個別のベンダに問い合わせていただくことで情報は得られると思います。しかし、マルチフィジックスシミュレーションで苦労するのは各ツールではなく、ツール「間」です。それは機能であり、サポートでもあります。今回、3社共同のセミナーにお越しいただくことでマルチフィジックスシミュレーションの全容をご理解いただけると期待しております。本当に使えるマルチフィジックスシミュレーションを提供できるよう準備を進めております。


2. マルチフィジックス解析よりも、まずは、熱や振動の源となる損失や電磁力の評価を行いたい
マルチフィジックス解析の必要性は感じているが手が出せていない、という方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
他と連成させる前に、まずは熱や振動の源となる損失や電磁力の評価をしっかり行いたいと考えておられる場合もあると思います。
今回のセミナではまずJSOLから、JMAGを利用した損失、電磁力評価についての話をさせていただきます。

例えば、振動や騒音の評価、検討を行う場合、起振源となる電磁力を見れば十分、もしくは機械強度的なアプローチで対策出来る、といった考え方もあると思います。
ここで一つ例を示します。鉄芯の先端に荷重(電磁力)が働いた場合の振動評価を行っています。両者共に同じ大きさの電磁力が負荷されていますが方向が異なります。
Z方向に荷重を負荷した場合にはほとんど振動しませんが、Y方向に荷重を負荷した場合には大きく振動していることが分かります。これは問題となる周波数、今回の場合は130Hzでの固有モードと関係しています。振動は固有モードと電磁力ベクトルとの掛け算で決まりますので、変形しやすい方向に電磁力が加わった時に大きな振動になります。
つまり振動を避けるために機械強度を検討し固有周波数を変更するアプローチもありますが、電磁力がもつ特定周波数成分の向きを変更することでも低減効果が得られます。
当日は事例を使いながら、振動・騒音だけでなく発熱問題についても、詳細な解説を加えたいと思います。そして、次のステップとして、JMAG内で行うマルチフィジックス解析を適用限界含めて説明を加えます。

Y方向荷重

Z方向荷重

概要

主催 株式会社JSOL
会期 2014年7月31日(木)13:30-18:50(13:10 受付開始)
※17:00よりシンポジウム(懇話会)を予定しております。
会場 トラストシティカンファレンス・丸の内 (東京駅日本橋口直結)
〒100-0005 東京都千代田区丸の内1-8-1 丸の内トラストタワーN館11階
http://www.mori-trust.co.jp/tcc-m/access.html 
定員 120名 【好評につき増席しました】
対象者 マルチフィジックス解析に課題をお持ちの方
CAEソフトウェア連携の現状に関心がある方
参加費 無料
申込〆切 開催日5営業日前
(定員に達した場合、締切らせていただくことがございます。)

お申し込み

入力フォーム、電子メールのいずれかの方法でお申し込みいただけます。
※同業他社及びその関係者の方は、お断りさせていただく場合がございます。予めご了承ください。

2014年7月30日
【満員御礼】定員に達したため、受付を締め切らせていただきました。お申し込みありがとうございました。

プログラム

時間 プログラム
13:10- 受付開始
13:30-13:35 開会挨拶
13:35-14:15 これからの電気機器設計のためのマルチフィジックス解析
株式会社JSOL
電気機器設計において実現象に含まれる多種多様な要因をそのまま取り込み、より複雑な解析を行う必要性が高まっています。これに応えるためには、それぞれの分野の解析を得意とするCAEソフトウェアを連携させることがベストであると私たちは考えています。
一方で、マルチフィジックス解析の必要性は感じているが手が出せていない、という方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?
マルチフィジックス解析についての話を始める前に、熱や振動評価の源となる損失や電磁力解析方法について紹介します。続いてJMAG内でのマルチフィジックス解析機能について、事例を交えて説明を加えます。
14:15-14:55 電磁気、熱流体、それぞれが交わる物理問題とは? - 何が新たに得られるのか? –
株式会社CD-adapco
株式会社JSOLSTAR-CCM+とJMAGのエンジニアが電磁界と熱流体の連携機能を紹介します。
電磁界解析、熱流体解析は一見別々の物理現象のように見受けられますが、
例えば冷却をキーワードにした場合、両者は密接に交わります。
電磁界解析ではグレーな熱伝達係数分布、熱流体解析では一様に与えてしまっている
損失分布等は、それぞれの物理問題を日常取り扱う方にとっては簡単なキーワードですが、
両者がまたがったとたんに難しく、不透明な内容になっていませんか?
本講演ではモータやパワートランス等を題材と、両物理問題をまたがった問題のイメージを
掴んで頂くと共に、電磁界解析、熱流体解析からどういった情報を得ることができるの紹介します。
14:55-15:25 企画時間(休憩)
展示ブースにて実際に連携シミュレーションを解説を加えながらデモンストレーションでお見せします。実際に繋がるところを見て感じていただきたいと思います。
15:25-16:10 ダッソー・システムズ SIMULIAにおけるマルチフィジックスの取り組みについて
ダッソー・システムズ株式会社 SIMULIA事業部
株式会社JSOLAbaqusとJMAGのエンジニアが構造解析と電磁界解析の連携機能を紹介します。
構造解析ソフトウエアAbaqusでは、熱ー構造などの連成解析を始め、
オイラー・ラグランジュ技術などによるマルチフィジックスを実施いただけます。
Abaqusと流体アプリケーションや電磁場アプリケーションなどとの
協調シミュレーションを容易にするCo-Simulation Engineにより、実行時に
複数解析プログラム間のカップリングを実現できます。
AbaqusとJMAGおよびStar-CCM+との連成事例も紹介します。
16:10-16:40 熱流体×構造×電磁界連成解析
ダッソー・システムズ株式会社 SIMULIA事業部
株式会社CD-adapco
株式会社JSOL熱流体、構造、電磁界三者の連成解析機能を事例を通じて紹介します。
それぞれの解析は各々の解析のスペシャリストが行い、解析間のデータ受け渡しに関しては、受け渡す方と受け取る方の両者で解説を加えます。
Abaqusでステータコアにフレームを焼嵌め、それによる応力の影響を材料モデルに反映した鉄損評価をJMAGが行い、損失分布をもとに温度分布の計算をSTAR-CCM+で行う事例などを検討中です。
加えて、今後の開発方針に関して紹介します。
16:40-16:45 閉会挨拶
17:00-18:50 シンポジウム(懇話会)

※講演内容は、都合により変更となる場合がございます。

準備日記

エンジニアも勉強中 2014-07-17(木)
「マルチフィジックス連携解析で最も苦労するのはツール間のギャップである。」
一度でも連携解析を行ったことがある方にはうなずいていただける言葉ではないでしょうか。今回講師を務めるエンジニアにも同じ苦労がつきまとっています。
しかし、実際にできること、できないことを見極め、参加者に伝えるためにはギャップを埋める必要があります。
そこで、3社のエンジニアが一堂に会し技術情報交換を兼ねた勉強会を実施しました。

連携するためにそれぞれのソフトウェアの特徴をもう一度基礎から確認したり、より使いやすい連携機能を実装するために必要な知識を深めたりとかなり活発な議論を重ねました。
ツール間のギャップを埋めるためのコツなど、皆様の課題解決の一助となるよう、実体験に基づいた発表をさせていただきます。

(写真:3社間ミーティングの様子)

開発者も経験する連携の難しさ 2014-07-07(月)
JMAGが他のCAEソフトウェアと連携したマルチフィジックスに本格的に取り組み始めたのは比較的最近のことです。
「各分野トップクラスのソフトウェアの長所を組み合わせた解析によって現象を詳細に表現できるようになるだろう。」
そのような期待を持って開発をスタートさせましたが、異なるソフトウェアをつないでマルチフィジックス解析を行うことは思った以上に大変でした。
一方の解析結果を他方のモデルへどのようにマップするか。
マップした物理量を利用した解析を行うためには、どのようにすればよいか。
技術的な調査はもちろん、マニュアルを参照したり、先方担当者とメールをやりとりしたりして、1つ1つ課題をクリアしていきました。
結果、相当の月日を要しましたが、マルチフィジックス連携解析を実現し、リリースすることができたときは、その喜びもひとしおでした。今では、より多くのソフトウェアと連携できるよう、多目的ファイル出力ツールといった機能も提供するに至っていますが、マルチフィジックス解析はまだまだ発展の途上にあります。
どのような解析を行いたいか。どのような画面であれば使いやすいか。
ユーザーの皆様のご要望が私たち開発陣のモチベーションを高めます。
ぜひ、当セミナーにご参加いただき、ご意見をお聞かせください。

(写真:たに 浩司)
未来に向けて、今何を求めていますか 2014-06-30(月)
「マルチフィジックス」。
この言葉を聞くと、「またこのキーワードか、でも結局実際には何がどこまでできるのだろう」
という素朴な疑問を抱かずにはいられません。しかし、一方で、
「もし複雑な現象を手軽に扱えて、複雑だと意識しなくても済むようになれば、どれくらい設計に貢献できるのだろう」 という未来を覗き見たい気持ちも抱いています。

昔は JMAGも、磁場解析だけで電気回路とつなぐなんて想像もしていなかった時期がありました。

しかし、今はどうでしょうか。
確かに、電流値が既知で渦電流が生じないモデルであれば、電流条件を使うこともあります。
でも、極めて多くのユーザー様が、FEMコイルやFEMコンダクタなどを普通に外部 回路として設定されています。 誘起電圧を計算できないモータの磁場解析なんて、逆に想像もつきません。

我々は、近い(遠い?)未来に向けて皆さんが何を求めておられるのかを、今、電話やメールでお尋ねしているところです。
セミナー当日まで日にちがあまりございませんが、少しでも皆様のお役に立つようなディスカッションの土台となるような事例を準備したいと考えています。

(写真:橋本 洋)

できないこともお話しした方がいいのではないですか? 2014-06-24(火)
皆さん、こんにちは。本日はマルチフィジックスセミナーの準備状況についてお知らせします。今回のセミナーの特長は、株式会社CD-adapco、ダッソー・システムズ株式会社及び株式会社JSOLの三社共同でプレゼンテーションを行うことにあります。まさに今、共同で準備作業を進めている最中なのですが、その様子の一端を紹介いたします。

CD-adapcoとJSOLのミーティング(左) CD-adapcoの前田様(右)

当日どのような情報を皆様にお伝えすれば役立つのかと議論を重ねておりましたところ、CD-adapco前田様より以下のようなコメントがありました。

「あれもできる、これもできるといった紹介では納得感が得られないのではないか?」
「できないこともお話しした方がいいのではないですか?」

確かにセミナーでの話となると、華やかな機能にフォーカスされがちですが、実際に行う意味のある作業はこういう場ではスポットライトの当たらない地味なものも多いと思います。また、できると謳われている機能も、実は予想以上に手間がかかったり、機能制限があったりもします。今回のセミナーでは、ここまではできる、でもここから先は多少手間がかかるといった点も含めてお話しできればと考えております。
例えば、電磁界と熱流体の間で損失分布をマップする場合を考えます。電磁界のモデルで渦電流が流れるため表皮メッシュを生成していた場合、一般に熱流体のモデルでは物体の外側を詳細なメッシュで分割しますので、表皮層は存在しません。このままの状態で損失をマップすると精度が落ちてしまいます。でも、STAR-CCM+には表皮メッシュのような層状のメッシュを生成する仕組みがあります。

今後も引き続き準備状況を伝えてまいりたいと思います。

最少開催人数/開催中止について

お申し込みが2名に満たない場合は中止させていただく場合がございます。また、講師の急病、事故、交通機関のストライキ、台風や地震等のため、やむを得ず休講または日程変更することがあります。予めご了承ください。その際は改めてご連絡申し上げます。

キャンセルについて

準備の都合上、お申込みの取り消しはセミナー開催初日の5営業日前までとさせていただきます。

お問い合わせ

こちらのページからお問い合わせください。

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