122 – IPMモータのインダクタンス解析~実測で得られるdq軸インダクタンス~

データをダウンロードするには、ライセンスIDもしくはユーザーIDが必要です。

アプリケーションノート・モデルデータ

概要

IPMモータは、ロータの突極性を検討するためにd軸、q軸におけるインダクタンス特性を把握することが重要となります。実測では、実際にモータを運転した状態で無負荷磁束や三相通電状態での電圧、電流を測定し、d軸、q軸におけるインダクタンスを算出することができます。また、モータを運転させて測定できない場合はロータを静止させた状態で二相間にLCRメータを入れてインダクタンスを測定しますが、三相通電と二相通電では通電状態が異なるため、特に磁気飽和の影響が強いモータの場合に実駆動時と異なる特性を示します。これより、実測と解析を比較する場合でも、実測の測定状況に応じて解析内容を決定する必要があります。
ここでは、ロータを静止させた実測を想定し、IPMモータにおけるdq軸インダクタンスを求めます。

Ld、Lqの電流位相角特性/インダクタンス

IPMモータのLdLq解析モデルから計算したd軸/q軸インダクタンスの電流位相角特性グラフを図1に、相間インダクタンスモデルから算出したd軸/q軸インダクタンスを表1に示します。
図1より、d軸インダクタンスは電流位相角によってほとんど変化していないことがわかります。これは、d軸磁束が透磁率の低い磁石を透過するためインダクタンスが小さく、磁石の磁気抵抗の寄与が大きいため鉄心の磁気飽和の影響を受けにくいためです。一方、q軸インダクタンスに関してはq軸の磁束が鉄心を通るため、d軸に比べ透磁率が大きくインダクタンスが大きくなっている事がわかります。また、電流位相を進め、弱め磁束状態となると、鉄心の磁気飽和が緩和されることでq軸インダクタンスが増加することがわかります。
一方、相間インダクタンスから算出する方法では三相交流を通電していないため、電流位相角によるd軸/q軸インダクタンスの変化を求めることはできません。また、三相交流を通電した状態と相間通電では鉄心の磁気飽和の状態が異なるため、全般的にq軸インダクタンスを過大評価していることがわかります。それに対しd軸インダクタンスに対しては、前述の通り磁石の磁気抵抗の寄与が大きいため2つの手法で結果にあまり差が生じていません。

絞込み検索

  • カテゴリー 一覧