[JAC146] トランスの漂遊損の解析

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概要

トランスの漂遊損の解析
変圧器は長期にわたる運用が想定されるため、損失によるランニングコストを抑えることが重要な設計指針のひとつです。損失には巻線の銅損、コアの鉄損、また容量の大きな変圧器ではコアから漏れ出す漏れ磁束によるタンクの漂遊損などがあります。また安全面の観点から、タンクに発生する漂遊損による発熱は、タンクが人体に触れることを想定して、耐熱設計から要求される発熱よりもかなり低く抑えることが要求されます。
上記のような各種の損失やそれらによる発熱の予測は変圧器の設計において重要な指針ですが、机上の計算で予測することは困難であるため、有限要素法による詳細な解析と評価が不可欠です。
ここでは、トランスとタンクの損失を求め、その損失をもとに各部品の温度分布を求めています。

ジュール損失密度分布

タンクの磁束密度分布を図1に、電流密度分布を図2に、ジュール損失密度分布を図3に示します。図1よりトランスからタンクに磁束が漏れていることがわかります。この漏れ磁束により、図2のようにタンクに渦電流が発生します。図3より、電流密度の高いところほどジュール損失も大きくなっています。

図1 磁束密度分布
図2 電流密度分布
図3 ジュール損失密度分布

鉄損密度分布

図4 鉄損密度分布
コアの鉄損密度分布を図4に示します。図4より、内側の角部分の鉄損が高くなっていることがわかります。これは、磁束が磁気回路中の最短経路を流れようとして集中するためです。

損失値

各部品の損失値を図5、図6に示します。この損失値を熱源として熱解析を行います。

図5 損失値(コア)
図6 損失値(コア以外)

温度分布

コアの温度分布を図7に、巻線の温度分布を図8に、タンクの温度分布を図9に示します。図7より、コアの内部と比較して外側の温度が低いことがわかります。これは、冷却用の絶縁油の効果でコアが冷やされているためです。同様に、図8より巻線の温度も外側の1次巻線の温度が内側の2次巻線よりも低くなっています。図9より、タンクの温度は絶縁油の温度以上に上昇していないことがわかります。

図7 コアの温度分布
図8 巻線の温度分布
図9 タンクの温度分布

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