154 – 三相誘導電動機の機器定数の算出

アプリケーションノート・モデルデータ

概要

誘導電動機は固定子巻線の回転磁界により2次導体に誘導電流が流れ、その電流と回転磁界によりロータが回転方向に力を受け回転するモータです。構造が簡単で、小型・軽量、安価、保守の手間が要らないという長所を持つため、産業用から家電製品に至るまで多く使われています。
誘導電動機の特性は、2次側の抵抗を含んだ抵抗と漏れリアクタンスに左右されます。これらは機器定数と呼ばれ、デバイスの特性を特徴付ける重要なパラメータです。機器定数は、2次導体に誘導される電流分布やギャップ付近の磁気飽和の影響が大きく、有限要素解析によってこれらの特徴を正確に捉えた特性の把握が必要となります。
ここでは、電圧制御、電流制御それぞれについて電源周波数を変えた場合の誘導電動機の2次抵抗、漏れインダクタンス、励磁インダクタンスを求めた事例を紹介します。

機器定数の周波数特性(電圧制御)

電圧制御にて電源周波数を変更した場合の2次抵抗を図1、漏れインダクタンスを図2、拘束試験時の磁束密度分布を図3、電流密度分布を図4、励磁インダクタンスを図5、無負荷試験時の磁束密度分布を図6に示します。なお、漏れインダクタンスは1次漏れインダクタンスと2次漏れインダクタンスの合計としています。
各結果より、周波数に応じて機器定数が変化していることがわかります。これは、周波数によって一次、2次電流やバーの電流分布が変化するためです。

機器定数の周波数特性(電流制御)

電流制御にて電源周波数を変更した場合の2次抵抗を図7、漏れインダクタンスを図8、拘束試験時の磁束密度分布を図9、電流密度分布を図10、励磁インダクタンスを図11、無負荷試験時の磁束密度分布を図12に示します。なお、漏れインダクタンスは1次漏れインダクタンスと2次漏れインダクタンスの合計としています。
各結果より、周波数に応じて機器定数が変化していることがわかります。また、励磁インダクタンスに関しては一定値になっていることが分かります。電流制御の場合、無負荷試験時の励磁電流は周波数によって変化せず、かごにも誘導電流が流れないため、励磁インダクタンスは周波数によらず一定になります。

絞込み検索

  • カテゴリー一覧