183 – 誘導炉の撹拌力解析

アプリケーションノート・モデルデータ

概要

誘導炉は、高周波誘導加熱を用いて金属を溶解させる装置です。るつぼ周囲のコイルに大電流を通電すると、電磁誘導現象が起こり、るつぼ内の金属に電流が発生します。電流の発生により金属内にジュール損失が発生しますので、これを利用して加熱し溶解させる仕組みです。コイルの周囲には磁気鉄心を配置します。コイルが自身に生じるローレンツ力による変形で損傷することがないように強度部材として鉄心が用いられます。また、磁気鉄心は装置外部への漏れ磁束を低減し、外周構造の意図せぬ加熱を防ぐ役割も担っています。磁気鉄心を用いる量は必要最小限とすることで装置のコストを低減する必要はあります。
るつぼ内の液体金属がどのくらいの温度で均一になるかを評価する場合、液体金属がどのような原因で攪拌されるかが問題となります。誘導加熱により発熱が生じた部分は局所的に加熱されるため、周囲の他の金属との温度差が発生することで対流現象が起きます。また、大電流を通電することにより、液体金属に生じる大きなローレンツ力を利用して、液体金属を攪拌することもできます。
本解析では、攪拌するためのローレンツ力の大きさと発生場所を評価します。

ローレンツ力密度分布

被加熱体に発生するローレンツ力密度分布を図1に示します。被加熱体の内部に向かってローレンツ力が発生していることが分かります。これより、攪拌力の大きさと向きを確認できます。

電流密度分布

被加熱体に発生する電流密度分布を図2に示します。被加熱体内部に、渦電流が発生している深さや大きさを確認できます。

電流密度分布

被加熱体に発生する磁束密度分布を図3に示します。

被加熱物のジュール損失

被加熱体のローレンツ力を表1に示します。軸方向成分(Z)の力は小さく、径方向成分(R)の力が大きい事がわかります。

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