JAC277 – アキシャルギャップ型モータの振動解析

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アプリケーションノート・モデルデータ

概要

アキシャルギャップ型モータはラジアルギャップ型モータより薄く構成することができ、スペースが限られる車載用モータとして採用されています。その際、一般的にモータはエンジンに比べて静かですが、使用回転域が広く、振動騒音が問題になる場合があります。
電磁力による騒音・振動を評価するためには、放射音の源となる電磁力分布を正確に求め、それが連結されるケースを含めたモータ全体の固有モードを把握し、それらを同時に考慮する必要があります。試作前に有限要素法を用いたシミュレーションを使用し、電磁力の空間分布や固有モード、それらによる振動を把握することが有効です。
ここでは、アキシャルギャップ型モータを対象とし、音圧レベル最大時に起きている現象を、電磁加振力と固有モードの観点から確認した事例を示します。

最大音圧レベルの周波数特性

音圧レベル評価面を図1、最大音圧レベルの周波数特性を図2に示します。
図1に示すように、音圧レベル評価面は、半径200(mm)の球面上としています。
図2に示すように、1,333(Hz)において音圧レベルが最大となっています。
音圧レベル最大時に起きている現象を、電磁加振力と固有モードの観点から確認します。

ティースに働く電磁力ヒストリ / 周波数成分

U相コイルが巻いてあるステータティースに生じている電磁力のヒストリを図3、周波数成分を図4に示します。
図3より、同相のコイルが巻いてあるティースでも、電磁力のヒストリ波形は異なることが分かります。なお、V相、W相のティースはこれらの位相がずれた波形になります。
図4より、いずれのティースも電気角2次成分である1,333(Hz)が支配的であることが分かります。これは、電気角1周期の間にロータ磁極が2つ通過するためです。

ティースに働く電磁力の空間モード

周波数成分の大きい1,333(Hz)の電磁力の空間モードを図5に示します。周方向の数字はティース番号、径方向の数字は電磁力の大きさを表します。なお、電磁力の大きさは最大値で正規化しています。
1周あたりピークが6か所あるため、 1,333(Hz)の電磁力は空間6次成分が支配的であることが分かります。これは、図6に示す通り、周方向に相が6つとなるような巻線配置によるものと考えられます。

加速度分布

音圧レベルが最大となった周波数での加速度分布を図7に示します。
ケースの加速度は、ステータと接続している付近で大きくなっていることがわかります。なお、加速度の空間分布は空間2次となっており、電磁力の空間分布とは異なっています。

固有モード

加速度分布と類似の固有モードと、空間6次で変形する固有モードを図8に示します。
電磁力の分布は空間6次ですが、空間6次の固有モードの固有振動数は20(kHz)と非常に高くなっています。そのため、固有振動数が電磁加振力の周波数とより近い空間2次(9(kHz))の固有モードの影響が大きく出ているものと考えられます。

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