[JAC288] シンクロナスリラクタンスモータのトポロジー最適化

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概要

シンクロナスリラクタンスモータのトポロジー最適化
シンクロナスリラクタンスモータは永久磁石や2次導体を使用しないため安価で高効率化が期待できる可変速モータです。シンクロナスリラクタンスモータのトルク特性は、フラックスバリア形状に特に影響を受けるため、トルク特性の改善にはフラックスバリア形状を設計変数とした最適化が有効です。
材料配置を大胆に変えて設計領域のトポロジーを探索することができるトポロジー最適化は、形状制約の少ない設計の初期段階におけるコンセプトの創出に有効な手法です。
ここでは、トポロジー最適化を用いてトルクリップルを最小化、平均トルクを最大化するロータ形状を探索する事例を紹介します。

最適化条件

図1に設計領域、表1に評価項目および目的関数を示します。 図1に示す通り、実際に製造を行うことを考慮して、ロータ外周とシャフト近傍を設計領域から除外します。

図1 設計領域
表1 評価項目と目的関数

最適化結果

各世代における最良ケースの平均トルクとトルクリップル率の変遷を図2、従来の設計案と全世代を通しての最良ケースのロータコア形状を図3、諸量を表2に示します。
世代が進むとトルクの平均値は大きく、トルクリップル率は小さくなるように収束していく様子が確認できます。
最良ケースでは従来の設計案と比較して、平均トルクが4(%)向上し、トルクリップル率が70(%)低下できていることがわかります。

図2 トルクの平均値とトルクリップル率の変遷
図3 ロータコアの形状
表2 評価値の諸量

リラクタンストルク

図4 トルク式
リラクタンストルクのトルク式を図4に示します。
リラクタンストルクはd軸インダクタンスとq軸インダクタンスの差が大きいほど平均値が大きくなり、差の変化が小さいほどリップルが減ります。

q軸インダクタンス

q軸インダクタンスの波形を図5、従来の設計案でq軸方向に最も磁束が流れやすいタイミングを位置A(0(deg))、最も磁束が流れにくいタイミングを位置B(20(deg))として、それぞれのタイミングにおけるq軸近傍の磁束線を図6に示します。
図5より、 q軸インダクタンスが従来の設計案と比較して、最良ケースでは変化が小さくなっていることが確認できます。
図6より、従来の設計案ではq軸上のコアがティースに対向したとき磁束が流れやすく、対向していないときに磁束が流れにくくなっています。最良ケースではq軸上にフラックスバリアが形成されたことで従来の設計案に比べ、 q軸がティースに対向するときには磁束が流れにくく、対向しないときには磁束が流れやすくなり、変化を小さくしていることがわかります。これにより、トルクリップルが抑えられています。

図5 q軸インダクタンス
図6 q軸近傍の磁束線

d軸インダクタンス

d軸インダクタンスの波形を図7、従来の設計案でd軸方向に最も磁束が流れやすいタイミングを位置C(22.5(deg))として、d軸近傍の磁束線を図8に示します。
図7より、 d軸インダクタンスが従来の設計案と比較して、最良ケースでは小さくなっていることがわかります。
図8より、最良ケースではフラックスバリアがq軸方向に広がったことにより、d軸方向に流れる磁束を抑えられていることがわかります。これにより、 d軸インダクタンスとq軸インダクタンスの差が大きくなり、平均トルクが向上しています。

図7 d軸インダクタンス
図8 d軸近傍の磁束線

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