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概要

DC-DCコンバータで用いられるチョッパインダクタには、スイッチング素子のオン・オフによって生ずる電流のリプルを抑え、安定した直流電圧を供給する役割があります。近年、電動車両への搭載の容易さから、インダクタの小型化が望まれています。それにより一般的には共振周波数が下がります。一方、スイッチングの高周波化により動作周波数は上がっています。すなわち、利用される動作域での損失増加の観点において、これらの2点は相反する要求となります。
チョッパインダクタの設計検討を行うためには、電磁界解析が有効です。インダクタが高周波領域で用いられる場合、変位電流、すなわちキャパシタンスを考慮した電磁界解析により、共振現象を把握することが可能となります。
ここでは、積層型と螺旋型のチョッパインダクタを例に、インピーダンスや損失の周波数特性を得るためのモデル化について説明します。
チョッパインダクタの設計検討を行うためには、電磁界解析が有効です。インダクタが高周波領域で用いられる場合、変位電流、すなわちキャパシタンスを考慮した電磁界解析により、共振現象を把握することが可能となります。
ここでは、積層型と螺旋型のチョッパインダクタを例に、インピーダンスや損失の周波数特性を得るためのモデル化について説明します。
インピーダンス
積層型インダクタのインピーダンスを図1、螺旋型インダクタのインピーダンスを図2に示します。積層型インダクタでは46 (MHz)で、螺旋型インダクタでは27 (MHz)で共振していることがわかります。


インダクタンス
積層型インダクタのインダクタンスを図3、螺旋型インダクタのインダクタンスを図4に示します。積層型インダクタでは、5 (MHz)付近までの周波数帯域において、インダクタンス値は安定して約7.4 (µH)を維持していることがわかります。また、螺旋型インダクタでは、3 (MHz)付近までの周波数帯域において、インダクタンス値は安定して約8.0 (µH)を維持していることがわかります。


Q値
積層型インダクタのQ値を図5、螺旋型インダクタのQ値を図6に示します。最大Q値は積層型インダクタでは、10 (MHz)付近で228に達し、螺旋型インダクタでは、5 (MHz)付近で231に達することがわかりました。


損失
積層型インダクタの各部品における損失値を図7、螺旋型インダクタの各部品における損失値を図8に示します。積層型インダクタおよび螺旋型インダクタ、両構造において周波数が上昇するにつれて損失が漸増する傾向が確認され、特に共振周波数付近では損失が急激に増加する現象を確認できます。


電界分布
共振周波数における積層型インダクタの電界分布を図9、螺旋型インダクタの電界分布を図10に示します。積層型インダクタおよび螺旋型インダクタ、両構造においてコア-素線間および素線間に高い電界強度が集中していることが確認できます。


計算コスト

本事例では、AMD EPYC 9684X(96core)×2基、メモリ2,304 (GB)を搭載した計算機を用いて解析を実施しました。
計算に要したコストについて、表1で表します。
計算に要したコストについて、表1で表します。


