83 – 誘導炉の磁気遮蔽解析

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アプリケーションノート・モデルデータ

概要

誘導炉は、高周波誘導加熱を用いて金属を溶解させる装置です。るつぼ周囲のコイルに大電流を通電すると、電磁誘導現象が起こり、るつぼ内の金属に電流が発生します。電流の発生により金属内にジュール損失が発生しますので、これを利用して加熱し溶解させる仕組みです。コイルの周囲には磁気鉄心を配置します。コイルが自身に生じるローレンツ力による変形で損傷することがないように強度部材として鉄心が用いられます。また、磁気鉄心は装置外部への漏れ磁束を低減し、外周構造の意図せぬ加熱を防ぐ役割も担っています。磁気鉄心を用いる量は必要最小限とすることで装置のコストを低減する必要はあります。
誘導炉の周囲に広がる磁束を知るには、るつぼ内の金属に生じる渦電流分布および磁束の流れや、鉄心の位置による磁束の集中を扱う必要があり、3次元的な渦電流分布の解析をする必要があります。
ここでは、鉄心の有無による漏れ磁束の違いについて、磁束密度分布を確認することで評価します。

磁束密度分布

鉄心および周辺空気に発生する磁束密度分布を図1に示します。鉄心がある場合は、鉄心がない場合に比べ漏れ磁束が低減していることがわかります。これより、外周構造を構成する鋼板の加熱を防ぐことができます。

被加熱物のジュール損失

被加熱物のジュール損失値を図2に示します。鉄心がある場合は、鉄心がない場合に比べジュール損失値が約5%増加しており、効率よく被加熱物にエネルギーを与えていることがわかります。

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