JMAGユーザー会2011 開催レポート

開催概要

主催 : 株式会社JSOL
日時 : 2011年12月7日(水)~12月8日(木)
場所 : 東京コンファレンスセンター品川
参加人数 : 430名
URL : http://www.jmag-international.com/jp/conference2011/ 

講演(1日目)

講演では、様々な分野の第一線でご活躍されている方々をお招きし、開発の成果や解析の結果、業務上のポイントなどを講演いただきました。

基調講演

基調講演にミシガン大学 菊池 昇氏をお招きし、電磁界解析が今後製品設計でより活躍するために対処すべき シミュレーション技術および利用技術における課題とCAE全体の方向性を最新の研究成果に関する講演を行っていただきました。 また山田よりJMAGのロードマップを発表いたしました。講演を聴講された方からは「自分の研究の方向性が間違っていないと再確認できた」「昔の話なども聞けて興味深かった」 「マルチフィジックスの難しさを改めて知った」など、聴講によりCAE解析の難しさや、今後の研究における自信をつけていただいたようです。

JMAG開発計画(12月3日 10:00~11:00)

JMAG開発計画 I
株式会社JSOL
山田 隆

基調講演(12月3日 11:00~12:00)

がんばれ電磁界解析!!
ミシガン大学
株式会社豊田中央研究所 取締役副所長
菊池 昇氏

海外事例&連携セッション

日本国内に留まらず、グローバルに活躍されている企業の方々から連携解析をテーマに講演いただきました。シミュレーションの世界でも電磁界に留まらず、 制御、熱、振動、音といった複合領域を連携・連成させた評価が益々必要になってきている様子を感じていただけたのではないでしょうか。

オフロード携帯機器用電気駆動装置
John Deere
Advanced Product Technology Mgr Vehicle Electrification Technologies
Jim Shoemaker氏

電気自動車およびハイブリッド車切替用リラクタンス駆動装置向け多重スケールノイズおよび振動モデル

ハイブリッド車用IPMモータの振動および騒音の性質に関する研究
CHINA FAW GROUP CORPERATION
R&D CENTER Science Research Department
曾金玲氏

電気自動車用モータの振動・騒音解析
日産自動車株式会社
車両性能開発部
宮川 隆行氏

解析システム構築セッション

最適化、モデルベースデザイン、 HILS、分散処理、JMAG-Busといった様々なキーワードを元に講演いただきました。JMAGを単一の解析ソフトとしてではなく解析システムの中で活用することで、 JMAGの付加価値が高まる事例をご覧いただけたのではないでしょうか。

電気駆動車両のMBDにおけるJMAG-RTの活用事例
マツダ株式会社
技術研究所 シニア スペシャリスト
米盛 敬氏

モータ制御ECUの制御品質検証へのJMAG-RT適用
株式会社デンソー
電子プラットフォーム開発部 先行技術開発室 担当係長
竹内 芳徳氏

FPGAにおける高忠実度リアルタイムテストでのJMAG-RTとFEAベースモデルの活用
National Instruments
System Engineering System Engineer
Ben Black氏

高スループットコンピューティングを利用した最適化設計
MORGRIDGE Institute for Research at the University of Wisconsin-Madison
CoreComputational Technology Senior Researcher
Brooklin J. Gore氏
モータ開発におけるJMAG-Busの活用と展開事例
株式会社 本田技術研究所
四輪R&Dセンター 第9技術開発室
三好 健宏氏

誘導加熱セッション

解析業務に評価システムを組み込む方法と、実験と解析の比較を講演いただきました。

解析技術者との連携の仕組みそこから生まれる成果
光洋サーモシステム株式会社
商品開発部 解析チーム
次長 藤山 周秀氏

シミュレーションを用いた制御システムによる自溶合金再溶融プロセスの開発~実験値と解析結果の比較検討~
日本サーモニクス株式会社
開発グループ
グループ長 長田 智司氏

誘導加熱解析の精度に及ぼす磁気特性の影響
NTN株式会社
先端技術研究所
結城 敬史氏

講演(2日目)

講演2日目はモーニングセッションとして、小川からの新製品のご紹介からスタートいたしました。

詳細・複雑なシミュレーションをより身近にするJMAG-VTB, JMAG-SuperExpressのご紹介
株式会社JSOL
小川 哲生

モータセッション

午前は、ユーザー企業様でモータの研究開発,設計に電磁界解析がどのように活用されているかをテーマに講演いただきました。
午後は、企業とは異なり自由な立場からモータ研究に取り組んでおられる大学の先生方に、未来のモータをテーマとして、研究成果を語っていただきました。
チャレンジングなテーマに挑戦されている先生方の苦闘の様子を垣間見ることが出来、刺激的なセッションとなりました。

Dy拡散磁石の減磁解析手法およびモータに適したDy拡散方法と適用効果
日立金属株式会社
熊谷製作所 設計グループ
棗田 充俊氏

JMAGとCAEFEMを用いたDモデルの磁界振動連動解析
株式会社富士通ゼネラル
モータ事業部 シミュレーション担当部長
藤岡 琢志氏

JMAG-RT と回路シミュレータの連成解析事例
富士電機株式会社
技術開発本部 製品技術研究所 回転機技術開発部 基盤技術開発 Gr 主任
大口 英樹氏

うず電流式ロータポジションセンサ
スミダ電機株式会社
モジュール/エネルギー ビジネスユニット リーダー
清水 誠二氏

高付加価値を実現する可変特性モータ(MATRIXモータとCMMFモータ)
芝浦工業大学工学部
電気工学科 准教授
赤津 観氏

追加リアクトルを必要としない昇圧型SRM駆動回路
東京理科大学
理工学部 電気電子情報工学科 准教授
星 伸一氏

ロータセグメント形フェライト磁石アキシャルギャップモータの開発
北海道大学 大学院
情報科学研究科 准教授
竹本 真紹氏

トランスセッション

トランス/インダクタの基本特性評価から損失評価、製品品質評価にいたるまで幅広く講演いただきました。 JMAGを通して各工程におけるFEAの適用法とその効果を出席者の皆様に認識を頂けたのではないでしょうか。

JMAGとSimplewareの連携による磁界シミュレーション
太陽誘電株式会社
開発研究所 材料1グループ
飯島 洋祐氏

リアクトルの直流重畳特性の実測と解析の比較検討
田淵電機株式会社
トランス技術開発部 トランス技術開発担当
上田 幸平氏

車載電源トランスの鉄損解析手法の開発
株式会社豊田自動織機
エレクトロニクス事業部 技術部
壁谷 真人氏

JMAGにおけるトランス解析への取組み
株式会社JSOL
仙波 和樹

業務効率化セッション

三次元CADとの連携機能やスクリプトを利用し、解析業務を効率化させる事例を講演いただきました。効率化は解析対象に依存しない共通のテーマですので、 皆様の今後に活かせる講演となったのではないでしょうか。

ハードディスクドライブのライター素子における磁気シールド構造の最適化
TDK株式会社
ヘッドビジネスグループ HDD ヘッドビジネスディビジョン 製品開発グループ wafer設計Team writer設計section
穴川 賢吉氏

業務効率化セッション

三次元CADとの連携機能やスクリプトを利用し、解析業務を効率化させる事例を講演いただきました。効率化は解析対象に依存しない共通のテーマですので、 皆様の今後に活かせる講演となったのではないでしょうか。

CATIAモデルを用いたJMAG解析の簡便化
SMC株式会社
開発3部
主任 矢島 久志氏

JMAG-Designerスクリプト講座(実践編)
株式会社JSOL
廣瀬 基人

設計者・社内展開セッション

設計効率化をテーマとし、JMAGを核とした設計ツールを構築して設計期間短縮を行った事例を講演いただきました。さらに社内展開をテーマとし、 JMAGを用いたスピーカー設計業務を根付かせるために行なわれてきた工夫について講演いただきました。

JMAG-Designerによるスピーカーの開発と設計への展開事例
オンキヨー株式会社
開発技術センター
主幹技師 豊嶋 吉英氏

JMAG活用による自転車発電機-ハブダイナモの開発事例
株式会社シマノ
バイシクルコンポーネンツ事業部 システム開発部
藤原 岳志氏

パートナーセミナー

JMAGの技術パートナー企業様からJMAGとの連携事例や最新技術についてご講演いただきました。

モータHILSにおける最新技術についてのご紹介
Opal-RT Technologies, Inc.
Simon Abourida氏

モータ制御開発の為のモデルベース開発とHILSについて
dSPACE JAPAN株式会社
技術部
部長 宮野 隆氏

modeFRONTIER JMAG-Designer Direct Interfaceを使った最適化事例のご紹介
株式会社シーディー・アダプコ・ジャパン
インテグレーション技術事業部 インテグレーション技術部 リーダー
西田 青示氏

各セッションの講演聴講からは、「海外での解析技術の取り組みが聞けて有意義だった」「企業の要望がわかり、今後の開発の参考にしたい」「悩むポイントが同じで安心した」 などユーザー会への参加が有意義だったとの声をいただいております。

講演者インタビュー

ご講演者様に、ユーザー会の印象、準備で大変だったこと、ご講演のポイント、今後JMAGに期待することについてのインタビューいたしました。
ユーザー会に始めて参加されたご講演者様から、「参加者が多くて驚いた」「講演内容が幅広く、勉強とコミュニケーションの場として活用させていただいた」 「非常に活気があった」とのコメントをいただきました。ご講演者様自身も他社の講演を聞いて勉強になったようです。
また、ご講演準備で大変だったことについては「実機とJMAGの結果検証が大変だった」「短い時間の中で伝えたいことが多く、どうすれば伝わるか工夫しなければいけなかった」 「社内の承認が大変だった」と、専門分野以外の方にどう伝えるか頭を抱えていたようです。弊社エンジニアも同じ悩みを抱えていたので、「どこも同じですね」と苦笑が広がりました。
ご講演のポイントは皆様、「JMAGといかにコラボレーションするか」「今後の可能性を示す」ことにあったようです。
最後に、今後JMAGに期待することについては、細かな機能追加はもちろん、他ソリューションとの連携や、精度向上などを挙げられていました。
これからも、JMAGならではの魅了を追求し、皆様の設計、開発に新たな価値を与えられるように、進歩し続けます。

分科会

会期中、講演以外の企画も充実させ、有意義な時間を過ごしていただきたいという思いから、昨年まで行っておりましたJMAG開発者によるポスター展示を、 より技術交流や情報交換などを行っていただく企画へと発展させ、開催いたしました。
分科会でしかお見せできないJMAGの秘密や、CAEの現状をお伝えしながら、情報交換できる場所として、参加いただいた方から有意義だったとのお声をいただいております。 分科会でお話いただいたことは、今後の開発計画に反映させていただく予定でございます。
今年参加できなかった方も、来年はぜひ分科会にご参加ください。
あなたの発言がJMAGの開発の方向性を決定します。

出展

今回、JMAGと技術的な交流のある材料メーカーを含む、22社に出展いただきました。
展示会場は、昼食会場も兼ねたため、参加者と出展者が昼食を片手に談話している場面もありました。また、技術交流会では、出展社プレゼンテーションも行わせていただきました。
JMAG ブースでは、リリース前の JMAG-Designer Ver.11のお披露目やJMAG-Designer移行相談会を行いました。
プレゼンテーションを聴講した方や、ブースにお立ち寄りいただいた方から「JMAGとの連携事例を聞けてよかった」「試作の相談に乗っていただけた」など有意義な話が聞けてよかったとの声をいただいております。
ご出展いただいた皆様、本当にありがとうございます。

シミュレーションパーク&技術相談会

昨年に引き続き、シミュレーションにあまりなじみのない方、シミュレーションに携わったばかりの方を対象に、体験型プログラムを企画し、開催いたしました。
北海道大学様には、三次元ディスプレイをご用意いただき、専用ツールを利用しなくても磁束線を立体的に見る事ができました。
また、新居浜工業高等専門学校様からは、リアルタイム電磁場可視化システムをご用意いただき、直感的に理解する方法を解説いただきました。その他にも、 JMAGの歴史やFEM原理の紹介など様々なコンテンツを体験しながら、楽しく電磁界と触れ合っていただけたと思います。
シミュレーションパーク前会場では、技術相談会を開催いたしました。
JMAG技術者に直接日ごろの疑問や技術課題解決の相談が出来るため、一時は列をなすほど盛況でした。
「時間を延長してほしい」「講演中でもかまわないから相談にのってほしかった」などのお声をいただきましたので、来年は、 さらに多くのお客様のお悩みを解決できる場所として提供できるように企画してまいります。

ご参加いただいた皆様、ユーザー会の楽しさを思い出していただけましたでしょうか。
ご都合が悪く参加いただけなかった皆様、実際に参加された方の声からユーザー会に参加する楽しさを知っていただけましたでしょうか。
来年もユーザー会の会場でお会いできることを楽しみにしております。

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