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JMAGユーザー会2009


特別セッション
IPMモータの発見と発展〜成熟機器におけるイノベーション〜


IPMモータの発見と発展

今年のJMAGユーザ会は例年の基調講演を拡大し1日目に“IPMモータの発見と発展;(副題:成熟機器におけるイノベーション)”というテーマで特別セッションを企画いたしました。近年エアコンやハイブリッドカーなどの省エネ機器のキーコンポーネントとして急速な発展を遂げているIPMモータに焦点をあて、成熟機種であったPMモータをどのような視点で捉え、そして、考えることで世の中を変えるようなモータに進化して行ったかを、それぞれのフェーズにおいて重要な役割を果たした講演者の方々にお話をいただく予定です。


講演

Interior PM Synchronous Machines: Historical Perspectives, Current Status, and Future Directions
ウィスコンシン大学 教授 Thomas M. Jahns氏

最初に基調講演としてお話いただくのはウィスコンシン大学のThomas Jahns教授です。Jahns教授が1986年に著した論文(注1)はリラクタンストルクを利用することで広い動作範囲を持つというIPMモータの本質を示したものとして、モータ分野に非常に大きなインパクトを与えました。その後の多くの研究がその論文を基点としていることは改めて述べるまでもありません。
Jahns教授はMITで学位を取得された後、GE社の研究所でモータの開発に従事されました。先の論文もこのメーカ勤務時代に書かれたものです。その後、現在のウィスコンシン大学に移られてからもモータドライブの研究で第一線を走り当該分野に非常に大きな寄与をされています。 その功績から2005年にはIEEEのニコラ・テスラ賞も受賞されています。

注1 Interior Permanent-Magnet Synchronous Motors for Adjustable-Speed Drives(IEEE TRANSACTIONS ON INDUSTRY APPLICATIONS, VOL. IA-22, NO. 4, JULY/AUGUST 1986)


IPMモータの製品開発と市場展開
安川モートル株式会社 技術部 部長 出光 利明氏

続いて安川モートルの出光氏から、日本でいち早くIPMモータの製品化に取り組んだご経験についてご講演いただきます。数ある回転機の中から当時まだ実用という意味ではアイディアレベルであったIPMに着目した背景や、上の論文に示された可能性をいかにして実用化に結び付けたのかなど、製品化におけるチャレンジについて興味深いお話が伺えると思います。


トヨタハイブリッド自動車用モータの開発経緯と課題
トヨタ自動車株式会社 HV先行開発部 グループマネージャー 竹原 明秀氏

IPMモータの有用性を国内外に印象付けたのはトヨタのハイブリッド自動車“プリウス”であることは多くの人が認めるところではないでしょうか。今回はトヨタ自動車の竹原氏にハイブリッド自動車用モータの開発の開発経緯と最近の開発における解析技術の利用状況についてご講演いただきます。それまでにない全く新しいアプリケーションシステムの開発の中でIPMモータが大きく進化していく過程が垣間見えるかもしれません。


IPMモータの損失解析と形状最適化
千葉工業大学 電気電子情報工学科 教授 山崎 克巳氏

最後に、千葉工業大学教授の山崎先生にシミュレーション技術のIPMモータ開発への寄与について実例を交えて解説いただきます。IPMモータはコアの磁気飽和を高度に利用しており、広い動作域で高い効率が求められるために、その設計開発には有限要素法解析が必須になっています。国内外のこの分野で大きな寄与されている山崎先生によるシミュレーション技術から見たIPMの解説はきっと多くの方の参考になるはずです。


成熟機器におけるイノベーション

副題の“成熟機器におけるイノベーション”は、一見確立したかに見える、例えば、モータやトランスなど成熟機器の開発アプローチにメスを入れ、さらなる進化を目指すもので、JMAGの最重要テーマとして取り組んでいるものです。実際、温暖化対策をはじめ現在の世の中のニーズに応える最も正直な方法は、それら成熟機器を“別の新しい何か“で置き換えることではなく、成熟機器を徹底的に、または、新しい視点から見直すことで、その性能や開発プロセスを少しでも改善することではないでしょうか。
このテーマに関しては2007年の基調講演で田淵電機の阪部氏よりトランス設計についてその複雑さと今後の課題についてお話をいただきました。また、昨年は日立製作所の井出様から長い歴史を持つ大型回転機の設計開発において今日も最先端のシミュレーション技術を駆使して性能向上に取り組まれている様子をお話いただきました。

今回の企画意図は必ずしもIPMモータに関する技術の解説ではありません。成熟機器であるモータの、多くの人の予想を超える進化、すなわちイノベーションの物語は、モータに限らず多くの成熟機器の設計開発にとって勇気を与えてくれるものだと思います。

当日のユーザ会は本特別セッションに続き、ユーザ事例、新しい製品や技術の紹介が満載です。
皆様のご参加を心からお待ち申し上げます。


株式会社 JSOL エンジニアリング本部 山田 隆



ユーザー会お申し込み

満席につき受付は締め切らせていただきました。
多数のお申し込み、誠にありがとうございました。

                               2009年12月1日



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