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概要
中・大型の電源トランスは、長期間わたる運用が必要なため、損失によるランニングコストを抑えることが常に求められます。トランスにおける主な損失の1つである鉄損は、磁性体内部で熱として電力を消費するため、トランスの温度上昇や効率低下の原因になります。
有限要素解析により鉄損密度の分布を確認することで、トランス設計時における局所的な形状の検討が可能になります。また鉄損はコアのヒステリシス性に起因するヒステリシス損失と渦電流に起因するジュール損失に分けられますが、解析を通してそれぞれの寄与度を比較することも可能です。
ここでは、三相トランスの鉄損と鉄損に占めるヒステリシス損失とジュール損失の割合を求めています。
有限要素解析により鉄損密度の分布を確認することで、トランス設計時における局所的な形状の検討が可能になります。また鉄損はコアのヒステリシス性に起因するヒステリシス損失と渦電流に起因するジュール損失に分けられますが、解析を通してそれぞれの寄与度を比較することも可能です。
ここでは、三相トランスの鉄損と鉄損に占めるヒステリシス損失とジュール損失の割合を求めています。
磁束密度分布/鉄損密度分布
コアの磁束密度分布および鉄損密度分布を図1、図2に示します。図より、磁束密度分布と鉄損分布が同様であることがわかります。これは、磁束密度変化の周波数が一定であるため、鉄損の大きさが磁束密度変化の大きさに比例するためです。
ジュール損失密度分布/ヒステリシス損失密度分布
コアのジュール損失密度分布およびヒステリシス損失密度分布を図3、損失割合を図4、損失値を表1に示します。図より、鉄損に対するヒステリシス損失の寄与が大きいことがわかります。これより、鉄損を減らすにはヒステリシス損失の低減を検討することが効果的であると考えられます。