[JAC148] 電源トランス(フライバックコンバータ)の損失解析

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概要

電源トランス(フライバックコンバータ)の損失解析
フライバックコンバータは、数十(W)クラスの小型容量電源の代表的な方式の一つです。構造が簡単で廉価なことから、おもに昇圧用のコンバータとして、家庭用電気製品を中心に広く利用されています。近年は小型スイッチングトランスの小型化と高周波化が進み、フライバック方式を使用したコンバータも100(kHz)以上で駆動することが珍しくありません。
トランスの高周波化と小型化に伴い、トランスの発熱現象を如何に抑えるかが設計を検討する際の重要な課題となります。熱源となる損失は巻線における銅損とコアの鉄損に分けられます。銅損は表皮効果や漏れ磁束などの影響による近接効果のため、巻線内で分布を持ちます。このため、巻線の局所的な発熱が問題となります。また鉄損もコアの磁気飽和を考慮した磁束密度分布に依存して複雑な分布を持つことから、コアの局所的な発熱が問題となります。
有限要素法に基づく磁界解析シミュレーションは巻線やコアの複雑な損失分布を正確に評価できるため、スイッチングトランスの熱設計などの事前検討には最適です。

鉄損密度分布

図1 電力伝送効率(送受コイル間の距離:200~300 (mm))
鉄損密度分布を図1に示します。
図より、内側の角部分の鉄損が高くなっていることがわかります。これは、磁束が磁気回路中の最短経路を流れようとして集中するためです。

銅損密度分布

図2 巻線のジュール損失密度分布
1次巻線に流れる電流が最大となる時刻における巻線のジュール損失密度分布を図2に示します。
図より、ギャップ付近のジュール損失が高くなっていることが分かります。これは、ギャップからの漏れ磁束により素線内の電流分布が偏るためです。

損失割合

図3 損失割合
各損失値および全体に占める割合を図3に示します。図より、このトランスの損失のうち、鉄損が支配的であることが分かります。

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