[JAC001] 三相誘導電動機のトルク特性解析

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概要

三相誘導電動機のトルク特性解析
誘導機は固定子巻線の回転磁界により2次導体に誘導電流が流れ、その電流と回転磁界によりロータが回転方向に力を受け回転するモータです。構造が簡単で、小型・軽量、安価、保守の手間が要らないという長所を持つため、産業用から家電製品に至るまで多く使われています。
誘導機は、2次導体に誘導される電流が特性に大きく影響します。また特にギャップ付近には、強い磁気飽和を伴います。有限要素解析は上記の特徴を正確に捉えた特性の把握が可能であり、設計の事前評価には有効です。
ここでは、2次導体の電流密度分布とN-T特性(回転速度-トルク特性)を求める事例をご紹介いたします。

電流密度分布

図1 2次導体の電流密度分布(回転速度: 1050(r/min))
回転速度1050(r/min)時における電流密度分布を図1に示します。誘導電動機のトルクは、ステータコイルに流れる電流によって発生する回転磁束と、2次導体内に誘導される電流との間に生じるため、誘導される電流がトルク特性に大きく影響します。

N-T特性

図2 回転速度-トルク特性 (N-T特性)
N-T特性グラフを図2に示します。この誘導電動機の最大トルクは、1000(r/min)付近で得られることがわかります。また、高速域でトルクが高くなっていることから、この誘導電動機は2次導体の電気抵抗が低いことがわかります。なお、この誘導電動機は図2の領域bにおいて、トルクの変化に対して回転速度の変化が少ないため、安定して回転します。

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