205 – 熱等価回路を用いたIPMモータの特性解析

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モデルデータ

概要

モータの高効率化および高出力化を実現するためには、モータ各部での温度上昇を把握することが重要です。これは、温度上昇に伴いコイル抵抗や磁石の磁化特性が変わり、モータ特性に大きな影響を及ぼす可能性があるためです。
実機では部品ごとの温度を把握することは困難ですが、シミュレーションでは簡単に部品温度を得られ、温度上昇による特性の変化も考慮できます。部品の温度上昇を考慮する解析の方法として、磁界解析と熱解析の連成解析を行う方法と、熱等価回路を利用した磁界解析を行う方法があります。連成解析の場合、温度分布を得られるため詳細な評価ができます。熱等価回路を利用する場合、温度分布を評価することはできませんが、簡単かつ高速に温度上昇を考慮した磁界解析が可能です。
ここでは、熱等価回路を利用した磁界解析を行い、磁石の減磁による平均トルクの変化を確認します。

熱等価回路

図1に熱等価回路を示します。
損失は発熱源素子で表現します。熱源は銅損と磁石の渦電流損とします。
熱等価回路で計算したコイル温度がコイル素子にフィードバックされます。コイル素子は抵抗値に温度依存性を持っており、銅損の値が更新されます。コイル温度のフィードバックと銅損の更新を繰り返し、熱平衡時の部品温度を求めます。
磁石は渦電流損による発熱と、部品やエアギャップを介してコイルから伝わる熱により減磁します。

部品温度、銅損

熱平衡時のコイルと磁石の温度を求めるまでの温度履歴を図2、銅損履歴を図3に示します。
解析の流れとしては、まず過渡応答磁界解析を行い、時間平均化した損失を算出します。次に、平均損失からその発熱状態での定常時の温度を求めます。この磁界解析と熱等価回路計算の連携1セット分の工程が、図2と図3における1ステップ分です。温度が上昇するとコイル抵抗が更新されるため再び過渡応答磁界解析を行い、時間平均化した損失を算出し、各部の温度の定常値を求めます。このステップを繰り返して熱平衡状態を求めます。ここでは、熱平衡状態に至るまで10ステップの工程を実行しています。
図2、図3より、温度によってコイル抵抗が変わり、銅損も変化することがわかります。

平均トルク

初期温度と熱平衡時の平均トルクを図4に示します。
熱平衡時に平均トルクが低下していることがわかります。本解析では電流指定で駆動しているため、温度により電流は変化しません。そのため、平均トルクの低下は磁石の熱減磁によるものです。

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