221 – 磁性めっき線チョークコイルの高周波抵抗値低減効果の確認

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アプリケーションノート・モデルデータ

概要

チョークコイルは高周波電流のフィルタリングを目的とした電子部品です。チョークコイル内部で発生する電流は、表皮効果、近接効果、ギャップ付近の漏れ磁束による電流の偏りのため、素線内や素線間で分布を持ちます。
コイル線に銅導体上に強磁性薄膜層を被覆した磁性めっき線を使用すると、従来のポリウレタン銅線より高周波損失を低減させることができます。これは磁性めっき層によりコイルに生じる近接効果の影響を軽減し、導体の実効抵抗を低下する効果によるものです。
ここでは、JMAGの皮膜メッシュ機能を使用したチョークコイルの銅損失解析の結果から高周波抵抗値を求め、磁性めっき線を使用したコイルの抵抗値低減効果を確認します。

銅線の仕様

本事例で用いた銅線の仕様を図1に示します。

交流抵抗値の周波数特性比較

図2にて、ポリウレタン銅線と磁性めっき線を使用した場合のコイルのジュール損失値より周波数抵抗値を算出し、各周波数値での周波数抵抗値を比較します。
図2より磁性めっき線を使用すると、ポリウレタン銅線を使用したときに比べ交流抵抗値が低下していることがわかります。

銅損密度分布の比較

図3に、ポリウレタン銅線と磁性めっき線の周波数75k(Hz)のジュール損失密度分布と等位線を示します。
図3より、磁性めっき線使用時のジュール損失が、ポリウレタン銅線の使用時より低くなっていることが分かります。
これは、磁性めっき線使用時にコイル線の近接効果が低減されている影響であることを示しています。

磁束密度分布の比較

図4にポリウレタン銅線と磁性めっき線を使用した場合のギャップ付近のコイル素線内の磁束密度分布コンター図と等位線の比較を示します。
図より、磁性めっき線使用時の銅線内を通る磁束密度が、ポリウレタン銅線の使用時より小さくなっていることが分かります。
図より、磁性めっき線使用時の銅線内の等位線が多いのは銅線表面に磁束が集まっていることを表し、ポリウレタン銅線に比べ銅線内部と表面との磁束密度の差が大きいことを示しています。
これは、磁性めっき線使用時には磁性層を通じ銅線周囲に磁気回路が形成され、近接効果で発生した磁束が素線内を通過することが少なくなるため、電流の偏りの軽減に効果があることを表しています。

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