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概要

コイルの絶縁被膜が劣化すると、隣り合う素線間の短絡(層間短絡)が発生することがあります。層間短絡が発生すると短絡電流が流れ、コイルの損失増加、温度上昇の要因となります。また、多相モータが層間短絡した場合は相電流が不平衡になるため、磁気回路が変化しコアの損失にも影響する可能性があります。
有限要素法を用いたシミュレーションを行うことで、層間短絡時の損失を実機試験を行うことなく把握でき、磁気回路の変化を可視化できます。
ここでは、3相SPMモータの層間短絡なしとありの磁束密度分布と損失を比較します。
有限要素法を用いたシミュレーションを行うことで、層間短絡時の損失を実機試験を行うことなく把握でき、磁気回路の変化を可視化できます。
ここでは、3相SPMモータの層間短絡なしとありの磁束密度分布と損失を比較します。
電流、磁束密度、損失
層間短絡しない場合とW相を層間短絡した場合について、図1に電流波形、図2に一周期の平均電流密度分布(絶対値)、図3に磁束密度分布、図4に鉄損密度分布、表1に鉄損値、コイルの損失値を示します。
図1より、 3相電流は層間短絡なしの場合には平衡していますが、層間短絡ありの場合には不平衡となり、特にW相の振幅が大きくなっていることがわかります。そのため、図2に示すようにW相の電流密度が高くなります。この相電流の不平衡により、図3、図4に示すようにステータティースの磁束密度、鉄損密度にも偏りが発生します。
表1より、層間短絡により鉄損値はほぼ変化しませんがコイルの損失値が増加していることがわかります。これは短絡した箇所に大きな電流が流れているためです。




