29 – 磁石のオーバーハングを考慮したSPMモータの鉄損解析

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アプリケーションノート・モデルデータ

概要

永久磁石モータでは、磁石の作る磁界を強めるために、ステータの積厚よりも長い磁石をオーバーハングさせて配置する設計を取る場合があります。ステータはコイル端部を収めるための空間が必要なため、ロータをステータと同じ積厚にすると、ロータに無駄な空間が出来るので、ここに磁石を配置しようという考え方で、磁石の厚みを増やすことなく磁石磁束を増やすことが出来ます。ただし、オーバーハング部分の磁石が作る磁界はステータに斜めから入るため、積層方向の磁束が発生し渦電流損失を大きく増加させる可能性があります。また、あまりオーバーハング量が多いと、磁石の磁界がステータに届かず、無駄になってしまう可能性もあります。
このように、トルクの増加分と損失の増加や磁石使用量の増加のトレードオフを見ながらオーバーハング量は適切に設定する必要がありますので、三次元的に分布する磁界と渦電流の関係を把握することが出来る有限要素法を利用した電磁界解析は、事前の検討に有効な手段となります。
ここでは、磁石のオーバーハングの有無によるSPMモータの無負荷鉄損を求めています。

磁束密度分布、渦電流密度分布

磁石のオーバーハングの有無における磁束密度分布を図1、積層方向の磁束密度分布を図2、渦電流密度分布を図3に示します。
磁石のオーバーハングにより面内方向、積層方向の磁束が増えたことで、磁束密度がステータコア表面付近で高くなっています。また、ティース先端部のステータコア表面付近で生じる渦電流は、積層方向の磁束の増加によってステータコアの表面から内部まで浸透しています。

オーバーハング有無による鉄損の比較

磁界解析および鉄損計算で求めた面内方向、積層方向の磁束による渦電流損失、ヒステリシス損失の値を図4、オーバーハングによる損失の増加量を図5に示します。
オーバーハングを施すことによって、積層方向の磁束により生じた損失のほか、面内方向の磁束による損失も増加しています。

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