48 – プリンタローラの高周波誘導加熱解析

アプリケーションノート・モデルデータ

概要

プリンタの印刷工程では、トナーの付いた紙を、暖められた定着ローラと加圧ローラの間に入れて、熱によりトナーを紙に定着させる工程があります。定着ローラは、さまざまな紙の種類に対応するために、均一な温度分布となることが求められます。また、利用者が印刷したいときにすぐに印刷できるように、スタンバイ時間を短縮するため、定着ローラを急速加熱する必要もあります。
設計した加熱コイルの形状や設置場所による加熱の違いや、薄いローラの表面にどのような渦電流が生じ均一な温度分布を得られるかどうか、磁束の流れがローラと空気中とコアにどのように広がるかなどを正確に扱うには、有限要素法に基づく磁界解析が有用です。
ここでは、与えたコイル形状によって、生じる温度分布の不均一性や、回転に伴う各部の温度上昇の様子を確認します。

渦電流密度分布

ローラの渦電流損失密度分布を図1に示します。コイルにより生じた磁界によってローラに渦電流が発生します。また、高周波では表皮効果の影響を強く受けるため、渦電流はローラ表面付近に分布します。

温度分布、温度変化

ローラの温度分布を図2および図3、ローラ表面の温度変化を図4に示します。図4は、図2に示す測定点における温度変化です。測定点は周方向および回転軸方向の温度変化を確認できるように選択しています。なお、ローラは一般に200(deg C)前後の昇温が求められますが、ここではローラ1回転分のみを解析しています。
図2、3より、ローラの回転運動によってローラ表面が帯状に加熱されていることが確認できます。また、図4から、被加熱箇所の昇温はローラの軸方向ではほぼ均一となっていることがわかります。周方向では加熱されるタイミングの違いや空気中への放熱により、均一な分布になっていません。なお、コイル形状により、中央部では発熱していないため温度上昇が階段状になっています。

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