56 – 自己始動型永久磁石モータのトルク特性解析

アプリケーションノート・モデルデータ

概要

自己始動型永久磁石モータは、誘導機と永久磁石機の二つの特性を併せ持っており、インバータなどの制御装置が無くても誘導機よりも高い効率を期待できます。始動時は、誘導機として振る舞い、ステータが作る回転磁界に対して、ロータのかごがすべることで二次電流が生じ、トルクを発生します。したがって、始動時にロータの起動位置や回転数を見る必要がないので、始動性に優れます。回転数が上がり、同期に入ると二次電流でなく永久磁石が起磁力となりトルクを発生するため、二次銅損が発生しません。欠点としては、同期を外れると大幅にトルクが低下したり、磁石モータとしては脱調状態となるためトルク変動が大きいことが挙げられます。このため、自己始動型永久磁石モータは、商用電流を直入れでも始動でき、且つ同期時には高効率を期待できますが、始動トルクが比較的低いことや同期はずれ時に回復など、適用が難しい面があります。
このため、モータの性能が要件を満たしているかを事前に把握するためには、有限要素法に基づく磁界解析シミュレーションによって検討する必要があります。
ここでは、電流密度分布とs-T特性(すべり-トルク特性)を求めています。

電流密度分布

すべり0.8における電流密度分布を図1に示します。
すべりが大きい場合は誘導電動機として動作します。コイルが作る回転磁界とロータのかごに誘導される電流によりトルクが発生するため、誘導電流がトルク特性に大きく影響します。

フラックスライン

すべり0におけるフラックスラインを図2に示します。
すべりが0の場合は同期電動機として動作します。この自己始動型永久磁石モータはIPMモータとして動作するため、永久磁石の吸引力とリラクタンス磁束によりトルクが発生します。

s-T特性

s-T特性グラフを図3に示します。
この自己始動型永久磁石モータは、すべりが大きい場合はトルクが小さく、すべりが0.2のときに最大トルクを得られることがわかります。

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