[JAC006] SRモータのトルクリップル解析

サインイン するとデータがダウンロードできます
Remember me
サインイン

※ライセンス管理者に案内をしているライセンスIDとパスワード、もしくはユーザーIDをご用意ください。
※尚、JMAG WEB MEMBER(無料会員)向けのサービスとは異なります。ご注意ください。
JMAG WEBサイトの認証IDに関して

概要

SRモータのトルクリップル解析
希土類磁石の価格高騰を受けて、永久磁石を使用しないモータ形式としてSRモータ(switched reluctance motor)に期待が集まっています。SRモータは構造が簡単で堅牢、安価を実現できます。しかし、トルクの発生原理がステータとロータの突極性のみに依っている為、トルク変動が非常に大きく、振動や騒音を伴うため、使われる用途が限定されてきました。しかし、前述の希土類磁石の価格高騰及び、電流制御技術の向上、磁界解析による最適設計が可能となり、課題を低減できる可能性が高まっているためSRモータが見直されています。
SRモータは電磁鋼板の非線形領域を使った動作になるため、インダクタンスも非線形的な挙動を示し、通電電流波形も大きく歪むため、線形理論式に沿った計算手法では精度の高い事前予測を行うことが出来ません。したがって、材料の非線形磁化特性や微細なモータ形状、過渡的な電流を扱うことが出来る有限要素法の利用が必要となります。
ここでは、スイッチ切り替えタイミングを変えたトルク解析を行い、SRモータのトルクリップルおよび平均トルクの変化を評価します。

トルク波形

図1 トルク波形
U相への励磁開始角度50(deg)、励磁停止角度80(deg)の場合のトルク波形を図1に示します。
相トルクが切り替わるところでのトルクの落ち込みによってトルクリップルが大きくなっていることがわかります。

トルクリップルの比較

U相への励磁開始角度55、56、57(deg)で負荷解析を行い、励磁開始角度50(deg)のトルク波形と比較したグラフを図2に示します。また、それぞれの平均トルク、トルクリップルの値、励磁開始角度50(deg)との比較を表1に示します。
図2より、スイッチタイミングがトルクリップルの改善に効果があることがわかります。励磁開始角度56(deg)の場合は50(deg)の場合と比較して、トルクリップルは約2割に抑えられますが、同時に平均トルクの低下もみられるため、平均トルクを低下させずにトルクリップルを改善するには、相数や突極幅の変更など各相のトルクの重なりを増やすことを考慮するなどして、更なる検討が必要となります。

図2 U相への励磁開始角度の違いによるトルクの比較(負荷解析)
表1 励磁開始角度θsの違いによる平均トルクTave(θs)とトルクリップルTr(θs)

絞込み検索

  • カテゴリー 一覧