Tempel Steel

電磁鋼板の評価・選定にシミュレーションを活用

電磁鋼板の分野で世界をリードするメーカー、Tempel Steel。自動車用モータをはじめ、発電機、変圧器など様々な電気機器に利用される電磁鋼板を供給し続けています。その開発に利用されているのが、JSOLの電磁界解析ソフトウェア「JMAG」。費用対効果を狙った電磁鋼板選定にどのようにJMAGが使われているのかを、Charles R. Frontczak氏に聞きました。JMAGユーザー会2012でご講演いただいた内容とあわせてご紹介します。

Tempel Steel
Sr. Electric Motor Design Engineer,
Charles R. Frontczak 氏

― Tempel Steelの業務内容を教えてください。

C.R.Frontczak氏 Tempel Steelは、創業65年になる会社で、シカゴとイリノイにある本社を中心に、カナダやメキシコ、中国、インドでもグローバルに事業を展開しています。
主な業務としてモータや発電機、トランス向けの電磁鋼板のプレス加工を行っています。他にも、ダイカストやレーザー切断、バリ取りのような加工、溶接や絶縁のための表面処理も行っています。順送プレスをはじめ、外形抜き型や切り欠き型もTempel Steelが設計、組み立て、維持しており、これらの金型の設計・製作にはこれまでのプレス加工で培った技術やノウハウ、経験が生かされています(図1)。

図1 Tempel Steelの製品

― C.R.Frontczak氏の業務内容を教えてください。

C.R.Frontczak氏 私は、電気機器(モータ、発電機、トランス、イグニッションコイルなど)の電磁気設計者として、Marketing Technical Services(MTS)グループに所属しています。具体的には、お客様が設計された電気機器の性能が電磁鋼板のグレードによってどう変わるのかを、JMAGのシミュレーションを利用しながら示しています。お客様の要求の多くはコスト削減と高効率化ですので、電気機器の性能とコストのバランスを確認していくことになります。

― JMAGを使い始めたきっかけは何なのでしょうか?

C.R.Frontczak氏 きっかけは、社内で必要性が認められたことです。先ほどお話したように、私たち電磁気設計者はシミュレーションを利用しながらお客様の設計案および材料の選定をお手伝いしています。高速かつ効率的に損失を高精度に見積もり、電気機器の性能を予測するためには、FEAツールは必須です。JMAGはターンアラウンドタイムが短く、高精度な結果が得られるので、私たちのニーズに合致していたのです。

― ありがとうございます。実際にどのように役立っているのか、もう少し詳しく教えて下さい。

C.R.Frontczak氏 私がとても使いやすいと感じているのは、わかりやすいユーザーインターフェースとパラメトリック解析機能です。特にパラメトリック解析機能は、初期設計で膨大な設計案を試す作業を効率的に行えるので、よく利用しています。例えば、パラメトリック解析で積厚をパラメータとして、磁束密度や鉄損値を評価しながら鋼板の材料やコイルのターン数、抵抗値などを調整する際にとても便利です(図2)。JMAGを利用することでコストの削減と作業効率の改善ができるため、お客様とのコミュニケーションも円滑に進めることができています。

図2 IPMモータの解析結果

― 他のFEAツールもしくはFEAツールを使わない場合と比べて、JMAGの設定時間や計算時間はどうでしょうか?

C.R.Frontczak氏 JMAGを使用しても、大抵3、4時間で解析モデルを作成できるので、その日のうちにラフな結果を得ることができます。それから、精度を確保するためにメッシュなどを調整し、パラメトリック計算用の解析モデルを作成しています。作成した解析モデルはバッチ処理により、一晩かけて計算を実行しています。私は、翌朝結果を確認するだけです。
JMAGがなければ、紙面上で磁気回路計算するか、自作で表計算ソフトの設計シートを作成して計算していたと思います。その場合、磁束からモータの特性を計算し、電力損失を決定し、その結果から効率を算出することになっていたでしょう。しかし、JMAGは設計案を分析するために必要な豊富な情報を提供してくれます。

― わかりました。では、JMAGへの改善要望はありますか?

C.R.Frontczak氏 はい。まだ”昔ながらのやり方”をしているところがあります。例えば、モデルにFEMコイルを割り当てる時、回路上のFEMコイル素子とコイルグループ(部品)を関連付けます。これにより、複数のスタディ間で抵抗値やターン数を変えることができます。しかし、モデル図では関連付けが終わっているFEMコイルグループ(部品)を判別しにくいため、重複して設定してしまうことがあります。関連付けが終わっているFEMコイルの色を変えたり、モデル図上に番号をつけたりしたいと思っていました。このアイディアは、あなた方(北米代理店Powersys Solutions)からJSOLに伝わり要望として受け入れてくれたと聞きました。対応を心待ちにしています。

― 貴重なご意見ありがとうございました。電磁鋼板の分野の展望を教えて下さい。

C.R.Frontczak氏 私たちのお客様は常に高効率化の実現とコスト削減を目指しています。したがって、私たちはそれらに貢献しなければいけません。電磁鋼板の価格は変動しやすいので、価格変動に応じて材料を選定し、電気機器の特性を確認していく必要があります。その作業には、JMAGのようなFEAツールが欠かせません。

― 最後にJMAGおよびJSOLに一言お願いします。

C.R.Frontczak氏 継続中のテクニカルサポートと、常にソフトウェアを改良し続けるJSOLに感謝します。私は2年前からJMAGを利用しており、半年ごとにアップデートされるのを見てきました。初めてFEAツールを調べた時にJMAGに出会えてよかったと思っています。JMAGのおかげで、仕事の効率化およびたくさんの設計案の検討やお客様とのコミュニケーションを実現できました。

― Charlesさん、ありがとうございました。

聞き手:Dheeraj Bobba, Powersys Solutions

JMAG Users Conference 2012で講演いただいた内容のご紹介

Evaluation of Different Electrical Steels and Iron Loss evaluation of inter-locks vs welds vs bonded lamination cores in IPM Hybrid Motor using JMAG

This presentation focuses on electrical steel grade selection for Hybrid I.P.M. Electric Motors. Choosing the proper steel is the foundation of any good electro-magnetic machine. In most cases, there is insufficient data available for accurate properties of steel characteristics, especially high frequencies. Tempel Steel has developed methods, including Epstein and ring tests that generate a comprehensive range of core loss, permeability and magnetizing force data as functions of both frequency and induction. The use of this data input in JMAG allows the user to make educated decisions and places numerical values for each case study.
Additionally, it has added the iron loss differences between three methods of securing lamination stacks. These three methods are inter-locking, welding, and bonding.

図3 鉄損密度分布(inter-locking)

Tempel Steel Company Charles R. Frontczak氏
「Evaluation of Different Electrical Steels and Iron Loss evaluation of inter-locks vs welds vs bonded lamination cores in IPM Hybrid Motor using JMAG」
JMAGユーザー会2012 発表資料より引用


Tempel Steel Campany
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Tel: +773-250-8000
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[JMAG Newsletter 2013年3月号より]