18 – IPMモータの熱解析

アプリケーションノート・モデルデータ

概要

モータの高効率化および高出力化を実現するためには、温度上昇の問題を如何に解決するかが重要となります。温度上昇の問題の解決には、発熱源である損失自体を減らす磁気設計を施す事も重要ですが、放熱性を向上させて温度上昇させないような熱設計を行うことも必要となります。熱源としてはコイルに流れる電流による銅損とコアに生じる鉄損が支配的で、この熱による影響を主に評価します。磁石は温度による特性変化が大きく耐熱温度も低いため、稼動時の昇温を注意深く設計する必要があります。また、稼動状態も、一定負荷の連続運転で熱平衡状態に至るまでの定格評価だけでなく、過負荷の断続運転で熱サイクルを加える熱過渡的な評価が行われます。
精度良く熱設計を行うためには、まず発熱量と部位を正確に把握する必要がありますので、有限要素法を利用した磁界解析シミュレーションで損失を算出し、その損失分布を使った熱解析を行うことが有効となります。
ここでは、モータ全体の損失分布を求めるために損失解析と温度分布を評価する熱解析モデルを作成し昇温過程を解析することで、モータの温度分布を評価します。

損失

2(A)通電時の各部品の損失の値を表1に示します。
コイルの損失が比較的大きく、解析対象において主な発熱源になることがわかります。

定常時温度分布

2(A)通電時の定常時温度分布を図1に示します。
コイルから周りの部品に温度が伝わっていることが確認できます。

各部品における温度変化

2(A)通電時の各部品における温度の測定点および温度変化を図2、図3に示します。
図3より、各部品の温度が定常状態に落ち着くことがわかります。

電流を変えたときの平均トルクと連続稼働時間

平均トルクを1.0(Nm)以上にするため、電流値を3倍にした解析を行いました。その時の平均トルクとコイルの温度変化(測定点は図2参照)を表2、図4に示します。
通電電流を増やすことにより、高いトルクを得られる一方、モータ駆動時間44(min)でコイルの温度が耐熱温度180(deg C)を超えてしまうことがわかります。
このように、磁界-熱の連成解析を行うことで、より詳しくモータのもつ特性及び制約を把握することが出来ます。

絞込み検索

  • カテゴリー一覧