[JAC211] IPMモータの素線のジュール損失解析

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概要

IPMモータでは占積率の向上やエンド部の縮小による小型化、放熱性向上、生産性向上のためにセグメントコイルやエッジワイズコイルなどの角線や平角線が用いられるようになってきています。一方で、電気機器全般には高効率化や出力向上などの観点から低損失化が求められるため、モータのコイルには損失の低減も必須の事項となっています。
モータの回転数が増加すると渦電流によるコイル内の電流の偏りが現れるようになり、コイルのジュール損失が増加します。特に10,000(r/min)などの高回転では、低速時に比べてジュール損失が3倍から4倍程度に増加することがあります。素線内の電流の偏りを正しく扱って高精度なジュール損の評価を行うには、素線に鎖交する磁束の時間変化とそれによって生じる渦電流を正しく扱う必要があります。そのためには電磁界解析によるシミュレーションが必須です。
ここでは、モータ回転時の渦電流を含めたコイルのジュール損失の評価事例を紹介します。

コイルのジュール損失の比較

基本波およびPWM波を入力とした場合の10,000(r/min)におけるコイルのジュール損失を図1に示します。渦電流考慮をすると、渦電流を考慮しない場合に比べ、ジュール損失が4倍以上に増加することが分かります。

渦電流を考慮した場合のジュール損失密度分布

渦電流を考慮した場合のコイルのジュール損失密度分布(U相電流が最大となる時刻)を図2に示します。ギャップ側の素線の損失密度が高く、偏りが大きいことが見て取れます。したがってこの箇所で渦電流の発生が著しいことが分かります。

成分ごとの鎖交磁束

渦電流を考慮しない場合の磁束線を確認し、素線に鎖交する磁束を成分ごとに調べます。図3に磁束線を示します。基本波を見ると、ロータからの漏れ磁束がギャップ付近の素線に鎖交しているのが見られます。一方PWM波を見ると素線全体に鎖交しているのが分かります。このことから、ギャップ付近の素線に集中したジュール損失は、基本波の磁束成分が鎖交したことによって生じたと考えられます。

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