220 – 冷却工程を含めた歯車の高周波焼入れ解析

アプリケーションノート・モデルデータ

概要

歯車は歯同士が接触する歯面の耐摩耗性を確保するため表面の硬度を増しつつ、歯全体の靭性を保ち、粘り強さをもつ部品とする必要があります。表面硬化法のひとつである高周波焼入れは、歯の表面のみを局所的に急速加熱し硬化することができます。
高周波焼入れの加熱工程では歯車の表面を均一に加熱することが求められます。同時に冷却工程では酸化や脱炭、変形を抑えるため、短時間で済ませる必要があります。そのため、冷却速度は被加熱体の機械的特性を左右する重要な因子です。
誘導加熱の解析で被加熱体の温度変化を精度よく求めるには、電磁誘導によってワークに生じた発熱を精度よく表現するだけでなく、発熱による温度変化や物性の変化を考慮して温度分布を求める必要があります。そのためには電磁界解析と熱解析による双方向連成解析が必須です。
ここでは、冷却工程までを含めた誘導加熱計算を扱います。冷却条件に応じて歯車の冷却速度に違いが生じる事例を紹介します。

歯車の温度分布と温度変化の時刻特性

加熱工程終了時の歯車の温度分布を図1、歯先の温度変化の時刻特性を図2に示します。温度分布から、渦電流によって歯先が発熱していることが確認できます。図2は、図1に示す歯幅中心(測定点)における温度変化です。空冷よりも水冷の方が温度の低下が速く、冷却効果が高いことが確認できます。

冷却工程での歯車の温度分布の変化

冷却工程の各時刻での温度分布を図3に示します。水冷によって温度上昇した歯先近傍を短時間で冷却できることが確認できます。
また、水冷時と空冷時の温度分布を比較すると、水冷では歯先の冷却が内部よりも進んでいるのが分かります。これは、歯車内部での熱伝導よりも冷却水と接している歯先の放熱が速く進むためと考えられます。

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