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概要
IPMモータは、高速回転時に磁石が遠心力を受け、摩擦を発生させながら滑り、ロータコアに押し付けられることで大きな応力が発生します。部品に働く応力が降伏応力を超えると塑性変形を起こし、特性の変化や部品の破断が発生する可能性があります。そのため、遠心力が作用しても降伏応力を超えないように設計する必要があります。
シミュレーションを用いることで、実際に製品を作る前に遠心力の影響を確認し、設計に反映することができます。シミュレーションの際には、塑性変形と部品の接触状態を正確に扱うことが重要です。
ここでは、IPMモータの磁石とロータコアの接触状態がどのように応力分布に影響するかを評価するため、部品が剛体結合している場合と、摩擦を考慮して磁石が滑る場合のそれぞれのミーゼス応力を確認します。
シミュレーションを用いることで、実際に製品を作る前に遠心力の影響を確認し、設計に反映することができます。シミュレーションの際には、塑性変形と部品の接触状態を正確に扱うことが重要です。
ここでは、IPMモータの磁石とロータコアの接触状態がどのように応力分布に影響するかを評価するため、部品が剛体結合している場合と、摩擦を考慮して磁石が滑る場合のそれぞれのミーゼス応力を確認します。
コアの材料特性
図1にコアの材料特性を示します。ここで使用している材質の降伏応力は330(MPa)です。
ミーゼス応力分布
図2にミーゼス応力分布の比較を示します。剛体結合の場合は磁石とロータコアの接触部が滑らずに結合し続けるため、接触部で大きな応力が発生しています。摩擦を考慮した場合は磁石がロータコアとの接触部の接線方向に滑るため、ブリッジ部で大きな応力が発生しています。剛体結合の場合と摩擦を考慮した場合で分布が異なり、実現象では接触部は結合し続けずに滑ると考えられることから、正確な評価のためには接触状態を正しく表現する必要があることがわかります。
ミーゼス応力の最大値は降伏応力である330(MPa)を超えています。このままでは塑性変形を起こして形状が変わり、特性の変化や破断の可能性があるため、材料を変更するなどの対策が必要であることがわかります。
ミーゼス応力の最大値は降伏応力である330(MPa)を超えています。このままでは塑性変形を起こして形状が変わり、特性の変化や破断の可能性があるため、材料を変更するなどの対策が必要であることがわかります。