[JAC276] 6相IPMモータの高調波鉄損解析

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概要

駆動用モータでは、高出力密度化、運転時の冗長性の強化、トルクリップルの低減を目的として多相設計が採用される場合があります。多相設計には、インバータを2基使用した6相駆動などがあります。制御方式は電流ベクトル制御が一般的であり、指令電流を作成するためにPWMインバータが広く用いられています。
モータドライブシステムの高効率化には鉄損の把握が不可欠です。PWMインバータによる電力変換を用いるとPWMによるキャリア高調波が電流およびIPMモータのコアの磁束密度波形に重畳するため、鉄損が増加します。PWMインバータを含んだ制御回路をモデル化し磁界解析と連成することで、PWMのキャリア高調波を考慮した鉄損を評価することが可能です。
ここでは、6相IPMモータの鉄損に対するキャリア高調波の影響を確認した事例をご説明します。

評価する動作点

本モータの効率マップと評価する動作点を図1に示します。
今回は回転数2,800(r/min)、トルク75(Nm)の動作点で高調波鉄損を評価します。この動作点での電流振幅は76.6(A)、電流位相は36(deg)です。

高調波鉄損を考慮するためのモデル化

制御回路を図2に示します。
PWMの影響を考慮するために、制御回路を作成します。制御回路では、JMAG-RTモデルを使用しています。解析開始時の過渡状態はJMAG-RTモデルで計算を行い、定常状態到達後にFEAに切り替えることで、解析時間を短縮しています。

損失割合

正弦波電流駆動とPWMインバータ駆動におけるヒステリシス損失、ジュール損失を図3に示します。
ロータコア、ステータコアともにPWMインバータ駆動時の損失が増加しています。中でもジュール損失の増加が大きく、ロータコア、ステータコアともに約3割増加しています。

ジュール損失/損失密度分布

ジュール損失の周波数成分を図4と図5に、損失密度分布を図6、図7に示します。なお、図4と図5の縦軸は、差異を確認するために範囲を狭くしています。
主にPWMのキャリア周波数の2次成分(12(kHz))にて損失が増加しています(図中、赤枠) 。PWMインバータ駆動時にジュール損失が増加するのはキャリア高調波の影響であることがわかります。詳細なモータ特性を評価する上で、キャリア高調波の影響を考慮する必要があるといえます。

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