[JAC294] 部品温度、応力の評価を含めた巻線界磁型同期モータの設計探査

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概要

[JAC294] 部品温度、応力の評価を含めた巻線界磁型同期モータの設計探査
モータの初期設計段階において、磁気設計だけを行い後工程に進めると、部品温度、応力が要件を満たさないことがわかり手戻りが発生することがあります。初期設計段階から磁気設計だけでなく熱、応力含めて多面的に評価を行うことでそのような手戻りを削減できます。
JMAG-Expressでは搭載されているテンプレートを用いて、モータモデルの作成と設計案の評価を簡単かつ高速に評価できます。また、用意されたシナリオを組み合わせることで、磁気設計、熱設計、構造設計を同時に行えます。
ここでは、モータ設計案に対して効率マップ、部品温度、応力を同時に評価し、要件を満たす設計案を探査します。

設計要件、設計変数

設計要件を表1、冷却仕様を表2に示します。

表1 設計要件
表2 冷却仕様、絶縁試験電圧

初期設計案の評価

初期設計案の効率マップ、最大応力位置、部品の平均温度を図1~図3、最大応力値を表3に示します。
図1より、最大トルクが要件の280(Nm)、定格点での効率が要件の95(%)を超えていることがわかります。
図2および表3より最大応力が要件の200(MPa)以下であることがわかります。
一方で、図3より界磁コイルの温度が130(deg C)を超えており、温度の観点で調整が必要であると判断できます。

図1 効率マップ(初期設計案)
図2 最大応力位置(初期設計案)
表3 最大応力値(初期設計案)
図3 部品の平均温度(初期設計案)

設計案の調整

初期設計案の結果より、設計パラメータを調整します。
ここでは界磁コイルの冷却を空冷から油冷に変更して再評価を行います。
得られた効率マップ、最大応力位置、部品の平均温度を図4~図6、最大応力値を表4に示します。
図4より、最大トルクが要件の280(Nm)、定格点での効率が要件の95(%)を超えていることがわかります。
図5および表4より最大応力が要件の200(MPa)以下であることがわかります。
図6より電機子コイル、界磁コイルともに温度が130(deg C)以下であり、調整後の設計案であれば要件を満たせることがわかります。

図4 効率マップ(調整した設計案)
図5 最大応力位置(調整した設計案)
表4 最大応力値(調整した設計案)
図6 部品の平均温度(調整した設計案)

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